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Pianist 池田みどり

ピアニスト池田みどりの四苦八苦をまるごとお見せします。
http://www.hi-ho.ne.jp/~midopi/

「感動!禁煙がこんなに超簡単だなんて!SP」

2011-10-28 | 知識・教養
 私は約20年間、10本程度から始まって最後には1日40本のたばこを吸っていました。チェーンスモーカーだったわけです。止めたいのはヤマヤマだけど、これだけは止められないと諦めてました。タバコやめないための言い訳もたくさん使いましたが、どれも納得のいかないものばかり。「でも止められないんだから、どうしようもないじゃない」って逆切れしちゃうくらいです。

 おそらく喫煙者全員、どこかで同じような心理状態を持っているだろうと思います。最後は「意思が弱いから…」。でもこれ、意思が弱いわけではなく、ニコチン依存症なんですね。どうしてそうなるんだろうということを、「ためしてガッテン!」ではわかりやすく説明してくれていました。

 脳にはアセチルコリンという神経伝達物質がありますが、ニコチンはアセチルコリンと同じ受動体を受け皿にし、その80%程度を占拠します。喫煙が長くなるとアセチルコリンはあまり働かなくなり、代わりにニコチンを要求するようになります。そして快楽物質であるドーパミンを出すようになります。その循環を体は記憶していきます。ニコチンがなくなると離脱症状が現れるのはこのためです。

 2008年から禁煙補助薬バレニクリンが処方されるようになりました。何と8割が成功するといいます。ただし、3カ月後、再喫煙する率は5割。喫煙者は脳の線条体の活動がタバコによってしか反応できなくなり、「喜びが完成しない脳」に変化してしまっているという研究結果が発表されました。ここからは自分で自分の脳に起こっていることを理解する必要があるようです。禁煙の過程でより将来の喜びを待てるようになれば、禁煙の継続率が高まると提案しています。
たとえば、禁煙したら毎日タバコ代として500円貯金をする、記録をつけ家族と成功を祝う、歯医者で歯をクリーニングしてみる、もっと切実に妊娠中のおなかの子供のエコー写真を見る…などです。

 私の場合は、「禁煙プログラム」という30本のパイプで徐々にニコチンを減らしました。最後0.5%に減ってニコチンは除去されましたが、実はここからが正念場でした。やはり気持ちが揺れるんですね。その時読んだのが、「禁煙セラピー」(アレン・カー著)でした。本を読み終わるまでタバコをやめないでくださいと書いてあります。本をちゃんと読み終わるまで数カ月かかりました。でも読み終わった後、タバコを吸う必要がなくなっていました。

 この禁煙をきっかけに、禁煙の友人宅にも気兼ねなく訪ねていけるようになりました。長いフライトも可能になりました。それでニューヨークに行けると思ったんです。ニューヨークに行ったことで、私の人生は変わりました。禁煙で私の人生は変わったんです。

 ※ためしてガッテン! http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20111026.html
 ※「NPO法人日本禁煙学会」のホームページから、最寄りの禁煙治療施設を探すことが可能です。
http://www.nosmoke55.jp/nicotine/clinic.html 

ヨーロッパのルネサンス・日本のルネサンス

2011-10-22 | 知識・教養
 中世ヨーロッパでは、キリスト教の教義に相容れないという理由で、ローマ・ギリシャの歴史・文化は封印されていました。13~14世紀、ローマ遺跡が発見されたことで、その文化と自由さが注目され、この人間性への回帰ということでルネサンスが起きたと、「世界遺産 一万年の叙事詩」のコメンテーター松岡正剛は言います。松岡さんの切り口は縦横無尽で面白い。

一方、十字軍とたたかっていたイスラムはそうした古代文明を受け継いでいました。ローマ教皇の悲願であった、聖地エルサレム奪還を果たす使命を受けたのが、13世紀初頭の神聖ローマ帝国皇帝フェデリコ2世。彼は、自ら流暢なアラビア語でエルサレムのスルタン、アル・カーミルと交渉。お互いの宗教を尊敬し合い、武力でなく講和を果たします。

そのことはローマ教皇の怒りを買い、激突することになります。フェデリコ2世没後、彼の偉大さを驚嘆をもって称賛したのが、「神曲」を書いたダンテでした。この「神曲」がヨーロッパルネサンスのはしりとなります。フェデリコ2世の偉業は時代をかなり先んじたものでした。


 一方、日本でも同じようなルネサンスが同時期に起きていたと、松岡さんは言います。その立役者として上げられるのが、禅僧・夢窓疎石です。中国から伝わった禅を日本化をはかり、室町ルネサンスを作ったと言います。特に庭園作りに集約されるその簡素さ。引き算の妙である枯山水。日本の美には、この引き算の美があり、その中に自然観・宇宙観があります。

室町ルネサンスは、茶道においても質素なひとつの茶碗をみんなで回して飲むという引き算が行われています。懐石料理や、それまで板張りだった部屋を畳を敷く書院作りに変化していったのも、このころです。「これぞ、日本」と言われるものが生まれた時期でもありました。

 このシリーズはどれも面白かったですね。旅人である「華恵」さんは12歳でエッセイストとしてデビュー。現在、東京芸大楽理科2年生。彼女は多くの番組で見られる旅人の中でもピカイチです。

※BSプレミアム 世界遺産 一万年の叙事詩  http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/info_about_epic.html

「夢に見た!たるみ解消」

2011-10-20 | 知識・教養
 若いころと体重は変わらないんだけど、筋肉がずり落ちちゃって…年齢とともに諦めがちなのが「たるみ」。体重をみなさん気にしてますが、もっとも気になるのは実は「たるみ」なのかなって思うんです。大きく3つに分けると、「タレ尻」「お腹周りの浮輪」「背中の三段腹状態」そして「プルプル二の腕」。原因は筋肉の質の変化~EMCL。これ、実は神戸牛などでおいしいとされる「さし」と同じ状態。さしが入ってると霜降り肉とされるわけだから、熟女になると「美味しく」なるんじゃん!なぁんて、喜んでちゃいけない。

 たるんでくると、ダイエットしようって短絡的な解決方法は、いけません。むしろ正しくないダイエットは、筋肉の元となるタンパク質が不足し、EMCLが増え、筋肉の成長因子が減るため、やせてたるみ、介護生活のお世話になるのが早くなってしまう悪循環になります。運動不足も同じですね。

 そこで「ためしてガッテン!」が提案するのが、2つの方法。ひとつはいつもより少し大股に歩くこと。これだけで使う筋肉が変わります。そのうえ、気分も前向きになるというからいいじゃあありませんか。
 そしてスロートレーニング。スロートレーニングは勢いをつけず、動作の初めから終わりまでゆっくり動きます。そのことで筋肉は常に刺激を受けます。実際に実験では、1日2回、3つの運動を10回ずつやるだけで、3週間でおなかが4.7㎝、ウエストが3.2㎝細くなりました。方法についてはホームページを見てみてください。
 軽い膝痛などは改善することがありますが、ひどい腰痛・ヒザ痛・高血圧など、不安がある方は、医師やトレーナーに相談してから行ってください。

 ※ためしてガッテン! http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20111019.html
 

「身近な熱を電気に変えろ~実用化迫る!熱電発電」

2011-10-17 | 知識・教養
 電気エネルギーの供給源について、再生可能エネルギーとしてさらに新しい「熱電発電」が研究されてきています。今まで捨てていた熱エネルギーを電気に変える…こんな画期的な発電方法の実用化がそれほど遠くない未来に可能になるかもしれません。

 慶応義塾大学環境情報学部 武藤佳恭教授が研究するのは、熱エネルギーを電気に変える技術。温泉の熱、ガスコンロのやかん、炊飯器の蒸気、給湯器、あげくは人間のおでこやほっぺたでさえ、発電できます。
 実際に実用化されているものは、熱電発電腕時計、熱電発電ランプでは携帯電話の充電ができます。

 熱電発電は専門用語で「ゼーベック効果」と言います。電気と熱に深い関係があることを発見したのはなんと19世紀前半、トーマス・ゼーベックが実験中に金属の温度差によって方位磁石が動いたことに注目したことから始まりました。金属の電子は熱が高いと動きがさかんになり、冷たい方へと動いていきます。このことによって電流が発生します。
 
 1977年に打ち上げられた惑星探査機「ボイジャー」は、現在太陽系の外に出て探査を続けていますが、ここにも熱電発電装置が搭載されています。

 大手部品加工工場では、排熱を照明などの電気に使っています。また焼却炉メーカーでは、焼却炉から出る水蒸気を熱電発電として動力を供給することに成功しました。 
 車の排気口からの熱電発電も実用化されてきています。

 昨年、全く新しい熱電発電「スピンゼーベック効果」が、東北大学金属材料研究所 齊藤英治教授によって学会で発表されました。電子の自転のようなスピンによって電気を生じる、新しい仕組みです。

 日本熱電学会会長 梶川 武信教授は「熱あるところに熱電あり」と言います。テレビの熱源を使ってビデオを動かす、コンピューターの熱でコンピューター自身の動力とする、など考えられます。分散型のエネルギーシステムが可能になれば、究極の省エネが可能になりそうですね。

 ※サイエンスZERO http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp363.html


NHKアーカイブ「兵士たちの悪夢」

2011-10-12 | 知識・教養
 PTSD(外傷後ストレス障害)は災害、戦闘体験、犯罪被害など、強い恐怖感を伴う体験によって生じる精神障害です。この番組では100年に及ぶ兵士たちの姿を追い、さらには9.11に焦点を当て、その後のイラク戦争で戦闘体験をした兵士たちの悪夢を追っていきます。技術の進歩とともに大量殺人器が増え、兵士たちの命はますます危険にさらされるようになりました。そして永遠に兵士たちの悪夢が消えることはありません。

 まずはブートキャンプでの新兵の訓練が映し出されます。判断を挟まない訓練で兵士たちは、無条件に上司の意のままに動けるよう作りかえられます。いままではいか人を助けるかによって評価された人間が、ここではいかに殺すかを訓練されます。

 第一次世界大戦(1914~1918)。開戦後1カ月で動員された兵士はヨーロッパ全体で1000万人。数週間で終わると予想されていた戦争は長引き、大砲などの大量殺人器は殺傷能力を上げるため開発が続けられました。機関銃や大砲から身を守るため、塹壕が作られます。兵士たちは塹壕の中で逃げ場を失い追い詰められます。後に「シェル・ショック(砲弾ショック)」と言われるもので、砲弾の音を聞くだけで、体が麻痺や痙攣が起こり身動きができなくなってしまいます。イギリスだけで8万人に上ったと言います。中には赤色を見るだけでそうなってしまう患者もいます。当初、体の障害と思われていましたが、その後心のダメージが原因とされ「戦争神経症」と言われるようになりました。軍事精神医はこの原因は「兵士の意思の弱さに問題がある」とされ、兵士の訓練はますます強化されることになりました。「臆病もの」とされた兵士は見せしめのために、処刑されることもありました。フロイトはこれに反対し、トラウマ的神経症であると位置付けました。

 第二次世界大戦(1939~45)。フロイトの弟子でもあるアメリカ軍精神医カウフマンは、どんな兵士にもこのようなトラウマ的神経症「戦闘疲労」は起こりうるとしました。監督ジョン・ヒューストンによって、カウフマンが研究した兵士たちの実態が映画になっています。しかし「プライベートの保護」として20年間映画は見られることはありませんでした。
 歴史学者S.L.A.マーシャルは著書「発砲しない兵士たち」(1947)で、実際の戦闘で敵に発砲する兵士の発砲率は25%にすぎないという研究結果を発表します。この数字はいかに兵士たちに発砲させるかの研究につながり、さらに実地体験に近付けた訓練がされるようになりました。兵士たちの心にはさらに深い影が刻まれることになります。

 ベトナム戦争(1965~1975)。本格介入が決定されその年に20万の兵士がベトナムに送られます。訓練ではベトナム人はまともな人間ではないと繰り返し教えられ、敵が見えたら機械的に撃ち殺すことが続けられました。村は焼き払われ一般人が虐殺されました。多くの一般人が虐殺されたソンミ事件が取り上げられ、米国ではベトナム戦争に対する抗議が起こりました。兵士にとっては訓練され命令のままに殺戮を続けていたのです。それは自動的に体がそうなるまでに訓練された結果なのです。帰還した兵士にとっては殺人マシーンとなった自分という悪夢だけが残りました。番組ではその悪夢から逃れるために自殺した元兵士が取り上げられています。1980年アメリカ精神医学会診断マニュアルで新たな診断名「PTSD]が使われ、認知されるまでに至りました。

 2000年9.11をきっかけに、2003年イラク戦争が始まります。現在、ほとんどの接近戦は海兵隊が担っています。各自に携帯が義務付けられた交戦規定書で、民間人を傷つけてはならない規定になっています。殺さなくてはいけない敵と殺してはいけない民間人の判断は兵士にとって難しいものになりました。2005年ハディーサ事件が勃発。仲間を殺された米兵が25人の民間人を殺害しました。2008年ニューヨークタイムズは「戦争による荒廃」と題したキャンペーンを実施。殺人事件を起こしたアフガニスタンやイラクからの帰還兵を121名を実名と顔写真入りで公開しました。PTSDの治療を受けていなかったのだろうと思われる元・兵士が多くいます。
 ランド研究所報告「戦争による見えない傷」(2008年4月)によると、PTSDなどの精神障害を抱える兵士は帰還兵の2割である30万人と推定している。62億ドルの対策費が必要であると算出しました。

 戦争は敗者のみならず、勝者も傷つけるものだということがわかります。

巨大津波の謎を探る~解き明かされる新メカニズム

2011-09-25 | 知識・教養
9月10日放送分のサイエンスZERO。東京大学地震研究所による三陸沖の海底調査が8月に行われ、今までの常識を覆すような地盤プレートの動きが発見された。

【最大27メートルの津波はなぜ起こったのか?】
●東京大学地震研究所教授 古村孝志による調査:
釜石市沖合20Km地点の津波計(GPS波浪計)の分析から、地震発生後ゆるやかな波形の後、15:10に7mの波の高さになる切り立ったような波形に疑問を感じた。今までこのような急激な波形を見たことがない。
今回の地震は「プレート境界型」と言われ、海側の太平洋プレートが陸側の北米プレートに下に沈み込むことで、陸側のプレートの深い部分に歪みが起こり、地震が発生した。
2004年スマトラ島沖地震はマグニチウド9.1でプレートは20m動いていることがわかっている。今回の震災が同規模であることから、シミュレーションをしてみると、3mにしか波の高さは満たない。
計算からはさらに50mの動きがないと7mの波にはならない。沖合200Km で深いプレートが20m動き、その勢いで浅いプレートが50m動いたことが、その後の地質調査で明らかになった。
東京大学理学部井出哲淳教授は「ダイナミックオーバーシュート」という仮説を立てた。通常プレートの深い部分の歪みは浅い部分で吸収されるが、プレートの動きが大きくスピードが速い場合、浅い部分も大きく動くことになる。
このダイナミックオーバーシュートという現象が、今回の巨大津波の原因だと考えている。

【今も続く巨大地震の影響】
●国土地理院地殻変動研究室 飛田幹男室長の解析:
地震後のプレートの動きを観測すると、東日本全体がゆっくりと最大50cm東に移動している。地震で大きく動いた後も「余効変動」が起こり震源地に引き寄せられるように動き続ける。
ここで注目するのが房総半島の動きである。沖合に震源地がないにもかかわらず余効変動が起きている。地震学者はプレートに新たな歪みがたまっているのではないかと観測を続けている。
また、東海、東南海、南海の広い範囲で、今回の地震の影響を受け、ダイナミックオーバーシュートが起きる可能性があるという。
1707年にこの3つの地域が連動して起きた過去最大級と言われる巨大地震が宝永地震である。津波の高さは10mに達したと言われる。シミュレーションによると千葉県から九州までの広い範囲を津波が襲い、特に高知県の沿岸は壊滅的だったという記録が残っている。
古村氏のシミュレーションによるとさらに大きい20mの高さの津波が起こる可能性があると指摘する。

津波が起きることを想定すると、まずは高台に逃げることだが、特に要援護者の対応が早急に望まれる。そのための町づくり、社会づくりが必要だと云う。

※サイエンスZERO http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp359.html

乳がんタウンミーティング@横浜・動画をアップしました。

2011-09-01 | 知識・教養

 7月30日に開催された”乳がんタウンミーティング@横浜”。1か月かかっちゃいましたが、どうにか動画をアップしました。本来であれば、全体の動画をUSTREAMでもアップしたかったのですが、直接カメラからの読みこみでは音声が再生できず、ファイルで読み込もうと、1部のみ1時間半の映像をUSTREAMにアップできるAVIにしようとしたら、変換時間に19時間…トホホ、諦めました。(ちなみにWMVは画質があまりに落ちちゃってNGでした。)

 1部と2部とも45分程度の内容を15分に編集しました。私の編集はともあれ、講演内容はすばらしいので、ぜひご覧ください。

乳がんタウンミーティング@横浜 第1部  

タウンミーティング(湘南記念病院かまくら乳がんセンター・土井卓子先生)

乳がんタウンミーティング@横浜 第2部

乳がんと心のケア(埼玉医科大学医療センター精神腫瘍科・大西秀樹先生)

ちなみに1部の進行役をつとめる、土井卓子先生は2011年9月13日 午後8時~9時放送予定  朝日放送系列 ”たけしの健康エンターテイメント みんなの家庭の医学"にテレビ出演され、湘南記念病院が取材されたそうです。あわせてご覧ください。

※BCネットワークジャパン

http://bcnetworkjapan.org/cn16/pg171.html


生命を動かす魔法の金属”カルシウム”

2011-06-28 | 知識・教養
 カルシウムって金属だったんですね。骨や歯がカルシウムでできているのはよく知られていますが、全身のカルシウムの約1%に当たる10g程度は、カルシウムイオンとして、ひじょうに重要な役割を果たしています。

 心臓を含め筋肉を動かすにはわずか0.5秒のカルシウムイオンの濃度変化によるものです。脳を含め神経細胞での神経伝達物質を伝えるのもカルシウムイオンの脳で変化の働きです。

 理化学研究所・御子柴克彦チームは、運動失調のマウスのタンパク質を調べるとP400というタンパク質が欠損していることを確認。2年半をかけ、P400と結合する抗体を探し、P400が小胞体に周りに点在していることを発見。そのことからカルシウムイオンは小胞体に含まれ、P400がそれを放出する役割をしているのではないかと仮定しました。iP3という分子がP400に結合すると、カルシウムイオンが膜を通過し放出されることを実験で証明しました。P400はiP3受容体であることが解明されたのです。
 
 カルシウムイオンの濃度変化が創り出す「カルシウム振動」は、受精卵の発生、細胞分裂のシステムにも関わっており、生命の誕生を導いていることがわかりました。

 御子柴研究チームの一員、樺山博之氏は神経軸索の成長の制御・コントロールをしていることも発見しました。これは今までになかった全く新しい概念だそうです。(下記、5月18日プレスリリース参考)

 骨などのリン酸カルシウムとカルシウムイオンは常にバランスを取っており、骨のカルシウムが減るとカルシウムイオンがそれを補填するため、全身のカルシウムイオンは減ります。このバランスが崩れると病気の原因になるということです。

 慶応義塾大学病院小児科医・山岸敬幸氏は、新生児の1%の確立で起こる先天性心疾患の再生治療にも、このカルシウム振動の研究を応用する研究を進めています。

 今後はアルツハイマー病の解明にも大きな力になりそうです。

 ※サイエンスZERO http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp351.html
 ※日経プレスリリース 理化学研究所、反発性軸索誘導分子Sema3Aが成長円錐を退縮する新メカニズムを発見
 http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=280857&lindID=4

噛むだけダイエット

2011-06-08 | 知識・教養
 ためしてガッテン、今回は「医学が認めた!食欲をコントロールできる技」。

 人間の脳は太りたくできているみたいです。おいしくて快感物質βエンドルフィンが出ると、食べるのが止まらなくなっちゃう。ストレスや睡眠不足でも食欲を増加させるホルモンが出ちゃう。食べ過ぎをコントロールしようと思うんだけど、おいしいもの食べると、意思をつかさどる前頭前野の活動が下がっちゃうから、なかなかコントロールできない。困ったもんだ。

 肥満治療の現場で発見されたのが、ヒスタミン。アレルギー症状を抑えるのに、抗ヒスタミン剤って使いますよね。あのヒスタミン。脳の中にヒスタミンが増えると、食べる量が減り、ヒスタミンが減ると、食べる量が増えることが、実験で明らかになったんです。しかし、これ、薬で飲んでもダメ。脳には行かないんです。

 ところが、「噛む」という行為だけで、ヒスタミンが増えることがわかったんです。噛むこと自体が満腹中枢を刺激して、満腹感にさせてくれる。さらに、脳内のヒスタミンは内蔵脂肪も減少させちゃうすぐれもの。

 方法は簡単。一口につき30回きっかり噛む。ちゃんと30回で噛めたら、○。それ以上でもそれ以下でも×を毎食記録していく。ちょっと修行のようなんですが、これで一口の分量がわかってくる。この方法、「咀嚼法」って言います。この方法で何をやっても減量できなかった人が43Kg減りました。

 また、青魚(かつお、まぐろ)などに含まれるヒスチジンという成分を多く取ることで、食欲を抑えることもできるそうな。このヒスチジンは脳内に入ってヒスタミンに変わるのね。

 ためしにやってみた。たしかにすぐにお腹いっぱいになっちゃう。たくさん顎を動かすので、脳の活性化にもいいかも。

 ※ためしてガッテン http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110608.html

「虐待カウンセリング~作家 柳美里・500日の記録~ 」

2011-06-04 | 知識・教養

 作家・柳美里がブログで子どもへの虐待を綴ったことで、読者から通報が入り、児童相談所からの手入れが入った。話を聞いてみると、何時間も殴り続けたにも関わらず、虐待という意識が本人にはない。カウンセリングを受けることとなった。

 彼女からの提案もあり、カウンセリングに取材が入ることになった。おそらく、取材が入ることで、本来のカウンセリングという意味合いがなくなるだろうと思うが、我々が虐待を知る上では、画期的なことだろうとも思う。

 カウンセリングでは、彼女自身が、両親から虐待を受けていたことが明らかになる。幼少時に鼻を折るほどなぐられるなど、暴力を受けていた。彼女に対して、カウンセラーが「ご両親からそのようなことをされて、どんな気持ちでしたか」と尋ねても、「両親は絶対ですから、いいも悪いもありません」という。守られるべき親から暴力を受けることは、子どもにとって逃げ道がない状態で、精神的に何かを犠牲にしながら生き延びるしかないのだろうと思う。暴力を受け入れながらも、自分の命を守らなくてはならない。そして助けを求める術がない。

 彼女は両親とも対面し、それぞれがやはり自分の親から虐待を受けて育ったことが明らかになる。
 500日を過ぎてカウンセリングが終わるということはないが、重荷を少しずつおろしているようだ。

 「虐待の連鎖」…これは最近特に多くなってきており、この連鎖を断ち切ることは、ままならないというのが、この番組を見ての感想だ。

 ※NHKスペシャル http://www.nhk.or.jp/special/onair/110515.html