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Pianist 池田みどり

ピアニスト池田みどりの四苦八苦をまるごとお見せします。
http://www.hi-ho.ne.jp/~midopi/

愛する人を失った悲しみ

2011-01-25 | 医療
 埼玉医科大学国際医療センター 精神腫瘍科教授 大西秀樹先生のインタビュー記事をご紹介します。がん予防情報ガイドの「ヒルル」で取材されたものです。精神腫瘍科という名前は聞いたことがない方が多いと思います。大西先生は特にガン患者とその家族、あるいは遺族の心のケアをされています。今や2人に1人がガンになると云われており、ガンというと死さえ意識します。本人はもちろん、多くの面で家族にもその重圧は同じようにかかります。うつ病になる率も高いようです。そんな方たちの心のケアは、ますます必要になるでしょう。大西先生はジャムズネット東京のメンバーです。

 インタビュー記事はこちらです。
http://www.hiruru.net/saitamamduniv/2011/01/psycho-oncology01.html

 ※ジャムズネット東京
http://jamsnettokyo.web.fc2.com/memberslist.html

命は授かりもの…

2011-01-13 | 医療
 毎月、健康カルチャー講座に参加しているライフケアでは、情報紙を送ってくれます。年頭にあたって代表の松尾政治先生(The Master of Science in Holistic Nutrition 栄養生化学修士)のごあいさつが掲載されました。すばらしい文章なので、許可をいただき、転載します。

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 年頭にあたり、自分の”命”について考えてみました。自分の命であるなら、命は自分の所有物なのでしょうか?もしそうなら、命は自分の思うようになる筈ですが、自分の思い通りに生まれてきた人はいませんし、自分でも自分が、いつ死ぬかもわからないのが命です。

 つまり、命は自分のものではなく、天から預かっているのが”命”と云えるかもしれません。命は「思いがけなく」授かったものなのです。だからこそ大切に大切に扱って、天に返してあげるものと云えるのです。 

 したがって、「健康管理」とは自分に与えられた義務なのかもしれません。自分の命だから、喫煙も、食べすぎも、寝不足も、自殺も許されると思っていませんか?思えば父があり、母があり、祖父があり、祖母があり、連綿と続くご縁の連続によって、思いがけず、自分は産まれてきたのであり、知恵がついてから自分の命と云っているにすぎないのではありませんか…?
”死”もまた同じで、思いがけず死んでいくのです。

 ご縁があって命を授かったのであれば、「人事を尽くして天命を待つ」ことは健康であっても、病に伏したときであっても同じことなのです。願わくば、病になる前にそのことに気づいて「健康管理」をしているれば後悔することはないはずです。人事を尽くすとは、病院の治療のことではありません。自分が自分でできることを全力で命のために実行するという意味です。

 命を守れるのは、病院の先生ではありません。命を本当に守ってくれるのは、自分の体内に存在する”自然治癒力”と云われる仕組みなのです。その仕組みは、遺伝子のレベルから細胞のレベル、組織のレベルまで及んでいます。その仕組みの破綻が病気です。ただそのことに気づかないのは、あまりにも巧妙で素晴らしい仕組みが備わっているからです。

 毎日、何事もなく朝に目が覚めて、夜に眠れるのも、体内の自律神経や、ホルモンの働きであり、60兆個の細胞が、たった一人のあなたのために、働いていてくれるからです。その自分の大切な細胞へ、自分でできる贈り物が「栄養」であり、「運動」「睡眠」であるわけです。 
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※株式会社ライフケア ブログ
http://lifecare.blog6.fc2.com/blog-category-2.html

医療メディエーターって?

2011-01-11 | 医療
 医療にはリスクが伴います。医療過誤などの事態になった場合、トラブルは避けられません。その場合、医療訴訟に持ち込む前に、患者側と医療機関側が、同じテーブルで対話を持つために働くのが医療メディエーターです。メディエーターと言われる人は、第3者である場合とその医療機関従事者である場合があります。いずれにせよ、どちらかだけの味方になることはありません。結論に持ち込むこともしません。ただ事実をお互いが納得できるような対話をできるようにするのが、メディエーターです。

 ジャムズネット東京のメンバーである早稲田大学教授・和田仁考先生が代表理事を務める「日本医療メディエーター協会」の第4回年次シンポジウムに参加してきました。参加者のほとんどが医療従事者です。

 シンポジウムの講演は「医療安全の新動向:チーム・ステップス」。国立保健医療科学院 政策科学部安全科学室長の種田 憲一郎氏はチームSTEEPS(ステップス)のマスター・トレーナーです。米国では患者の安全を、チームで支えようという動きが高まっています。一人の判断では誤りを避けることはできないからです。日本でもチーム医療については盛んになりつつありますが、どのようにチームトレーニングしていくかが課題になっています。この講演では、実際に私たちの判断が間違っているかをテストしました。また、ゲームを通して、チームで作業することの盲点なども探っていきました。動画での実際事例を見ることもできて、インタラクティブで興味深い講演でした。

 今回のシンポジウムのテーマは”Ai(Autopsy imaging~死亡時画像診断)とメディエーション”。演者にはAi情報センター代表理事、山本正二氏など4名の方。死亡の原因というのは見た目だけではわからないことが80%近くあります。病院で亡くなったとしても実際には何が原因で亡くなったかはわからないまま死亡診断書を書かなければならないことも多いようです。事件性がある場合は警察が関与し司法解剖となりますが、そうでない場合は、実際に解剖しその原因を探る実例はまれにしかありません。でも遺族の中には医療過誤を疑い不安に思う場合もあります。その場合、画像という客観的な証拠があるかないかは大きな違いです。少なくとも疑わしい場合は、遺体を処理する前に画像を残しておこうという動きです。

 最後のパネルディスカッションでは遺族の方々の意見もありました。医師からの問題点提議もありました。そのようなさまざまな意見をテーブルの上に出してこそ、メディエーションと言えます。

 司法と医療の境目にあるメディエーション。これからも突き詰めるべき問題はあったとしても、そのニーズは高まっていくようです。

 ※日本医療メディエーター協会
http://jahm.org/

『食生活と栄養』

2010-12-18 | 医療

  毎月受講しているライフケア健康カルチャー講座。今回は基礎編『食生活と栄養』です。

 私にとって、規則的な生活と規則的な食生活って、一番むずかしい。私のような宵っ張りが生活パターンを正すには、意識改革しかないかなと思っています。ちょっとした、覚悟が必要かも。そこまでに意識を高めるためにも、この健康講座は受講を続けようと思ってます。周りの人に迷惑をかけないためにも、健康でいることって、「やさしさ」なのかもしれません。それに健康って、精神に大きな影響を及ぼしているんだって、実感するこのごろです。

 ガン・糖尿病・心筋梗塞・脳梗塞などの生活習慣病の原因の多くは、食生活にあります。2009年の厚生省調査では朝食を食べない30代男性は約30%、20代女性は約25%に上ります。そのような人たちは概して夕食が遅く、また、野菜摂取量が少ないということも調査でわかりました。なぜ、それらの食生活が生活習慣病につながるのか…そこを意識していくことで、病気予防につながります。

 栄養欠損とは痩せることではなく、肥満も栄養欠損です。人間の体はそれでもどうにかやりくりをしようと必死に働いています。しかし、大きな負担が重なるとやりくりの破たんが起きます。それが病気につながります。病気は体の病気だけでなく、心の病気…たとえば鬱病なども、実は栄養の欠損に起因するものが多いようです。 ”豊かさの中の栄養学的に貧しい食生活”が、今の日本に蔓延している事実なのかもしれません。

 栄養とは、何なのか?それを理解するには、体の仕組みを知るところから始まります。 

 今回も撮影と映像編集をしました。だんだんと進歩しているのかなぁ…と思えるのが、楽しい。このシリーズで、撮影と編集の勉強を続けようと思います。 

食生活と栄養

 ※株式会社 ライフケア

http://www.lifecarekk.com


「バイオイメージングが医療を変える」サイエンスZERO

2010-12-15 | 医療

 バイオイメージングとは、分子を蛍光物質で光らせ、実際にそのメカニズムを見ようという試みです。

 【光を使ってガンを診断】
 京都府立医科大学・高松哲郎教授らの試みで、ガン細胞をイメージングできるように光らせることに成功。実際に手術中にガン細胞の転移を眼で確認し、その部分のみを除去することができた。従来、ガン細胞だと思われる部分を切除、その場で病理検査すると15分から20分かかり、なおかつ確実な個所でない場合もある。しかし、このイメージングであれば、確実な部位を眼で確認できる大きな利点がある。
 ガン細胞は眼で1gほどの大きさになるまでには14年から21年かかる。1gになった時点で転移が始まり、そこからは急激に増殖を始める。このイメージングで1g程度のガン細胞を見つけることができるようになるだろう。
 
 【見えた!メタボのメカニズム】
 東京大学医学部循環器内科・西村智特任助教は、世界初の貴重な画像を次々と発表している。肥満の場合、脂肪組織の中で慢性炎症が起こる。そこからできた悪玉アディポカインが血管内皮細胞を傷害するというメカニズムを、バイオイメージングで捉えた。この慢性炎症を抑える薬によって重症化を抑えることも考えられる。

 【カルシウムで見る体内の情報伝達】
 北海道大学電子科学研究所ナノシステム生理学・永井健治教授は、わずかなカルシウムイオンの応答を高感度にとらえることで、体の中で起こっていることを理解するために、蛍光たんぱく質「カメレオン-Nano」開発。濃度によって青~赤に数色に色が変わる。このバイオイメージングによって、中心から外へらせん状にシグナル情報が伝播するパターンが捉えられた。これも世界初である。
 
 理化学研究所シニアリーダーの御子柴克彦氏はカルシウムイオンの研究で世界に知られている。カルシウムイオンの調整を司るIP3受容体の失調が神経運動障害に関わっていることをバイオイメージングによって捉えた。これによって神経の病気である、アルツハイマー病、ALS、パーキンソンなどの治療に光明が見えてきた。

 ※サイエンスZERO http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp328.html

 ※ライフケアカルチャー講座では、健康についての最新情報をわかりやすい講義で資料代のみ(1000円程度)で、どなたでも受けることができます。
 12月16日 10:30より横浜駅東口 ジャストビル 8階会議室 
 今回は「食生活と栄養」です。(NHKの番組とは関連ありません)

http://www.lifecarekk.com/lifecare.html

 【ライフケアカルチャー講座 「ガンと栄養」撮影/編集:池田みどり】
ガンと栄養(16:9)


「がんと栄養」カルチャー講座 Youtube映像をアップしました。

2010-12-10 | 医療

 映像編集第2弾です。これは初めて、全部自分ひとりで撮影・編集しました。

 撮影は11月25日の健康カルチャー講座で2時間以上ありましたが、それを5分程度にまとめるのに、一番苦労しました。

 講師の松尾先生は、私の信頼する栄養生化学のエキスパートですが、私欲のない健康啓もう活動をされています。

 この撮影に関してはご協力いただき、この作品についても、喜んでくださいました。

 音楽は私のオリジナル曲”Show me please!"です。 

ガンと栄養

 以下Youtubeに掲載したコメントです。

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オーダーメイドのサプリメントを提供する株式会社 ライフケアのカルチャー講座・病理編「がんと栄養」の概要ビデオです。
ガンについての正しい知識を身につけるために、ガンとはなにか?予防するにはどうすれ­ばよいか?を、代表取締役であり、栄養生化学修士の松尾政治氏が講義しています。
撮影は2010年11月25日。

※ライフケアホームページ
http://www.lifecarekk.com/

【松尾政治】
昭和13年東京に生まれる。
昭和38年早稲田大学商学部卒業。
昭和61年9月「自己責任での正しい健康管理」を目的として
(株)ライフケア 創立。

●所属学会:日本末病システム学会・日本ビタミン学会・日本臨床血液学会
The American Holistic College of Nutritionにて
The Master of Science in Holistic Nutriion取得
[栄養生化学修士]


「海外で暮らす障がいを持つこどもの教育」

2010-12-02 | 医療
 ジャムズネット東京のグループメンバーである”Group With"は、海外滞在の経験を持つ4人の母親が立ち上げました。『海外で暮らす家族と共に』という趣旨のもと、彼女らが作っている相談機関のリストは、信頼度が厚く、政府機関でも注目されて利用されています。日本語で受けられる海外メンタル相談機関、帰国生や外国の方々のこころの相談機関、そして、海外で障がいのある子供を受け入れる教育施設など、きめ細かい内容のリストを提供しています。先日、インタビュー記事をアップしましたので、Group Withについては、そちらをご覧ください。
※ジャムズネット東京  http://jamsnettokyo.web.fc2.com/interview/Interview_14.html
 さて、Group Withでは年に1回のセミナーを主催していますが、今回は、独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 総括研究員である藤井 茂樹氏を迎えて、「海外で暮らす障がいを持つこどもの教育」についてお話を聞きました。

 海外に渡航、あるいは帰国する保護者からの相談がこの10年増加しています。H.14年に国内での調査が行われLD,ADHD,アスペルガーなどの障がいを持つ子どもの率は6.3%に上ることが確認されました。増え続ける不登校についても、約半数はこれらが原因している可能性があると指摘されています。正直なところ、精神医でさえこれらの症状を、正確に判断できる人はそれほど多くはありません。まして、1.5歳、3歳児検診では、文字認識などのテストはできないため、学習障害があるかどうかは、幼稚園以降にならないと判断できません。これらの障害は増える傾向にあり、まして、海外生活、そして帰国などのプレッシャーを抱えるのは、本人のみでなく、保護者や関係者にとっても同じことです。

 多くの調査研究から見えてくる課題などお話いただきましたが、海外であっても国内の問題と基本は変わらないと言います。藤井氏は、障がいのある子どもたちを、通常の学級に受け入れる体制を作る方向を目指しています。保護者や関係者などの受け入れる側が寛容で、受け入れられていると感じれば、こどもたちは安心できるんです。でも現代の「時間のない大人たち」、「余裕のないシステム」の中で、子どもたちは受け入れられないまま、居場所をなくしているという現実が見えてきます。

 国立特別支援教育総合研究所では、Net Commonsを使った海外相談機関とのICT会議の実施、個別相談を行うだけでなく、障がいのある子どもたちにどのように対応したらよいかなどの学習ビデオをホームページに提供、ガイドブックのダウンロードなど、ICTもフルに生かしながら、きめ細かいサービスを提供しています。

 ※国立特別支援教育総合研究所  http://www.nise.go.jp/
 ※発達障害教育情報センター/研修講義
http://icedd.nise.go.jp/index.php?action=pages_view_main&page_id=102 


「ガンと栄養」 ライフケアカルチャー講座 病理編

2010-11-30 | 医療
 30歳から69歳の2.3人に一人はガンが原因で死亡という統計があります。ガンとはどのような病気なのでしょう?それを防ぐ手立てはあるのでしょうか?

 あるガン細胞が保存されています。患者当人は50年前に亡くなっているのに、ガン細胞は生き続けています。ガン細胞は本来持っているアポトーシス(細胞の自殺)という分子が働かなくなっています。もともと自分の細胞でありながらも、遺伝子が傷ついたことで、1個の細胞から限りなく増殖を続け、臓器を蝕んでいきます。

 早期発見のガンでもガン細胞は10億個(約1グラム)と言われます。一般的にはその大きさになるには20年から30年かかります。生活習慣などでストレスや不摂生を続けていることで、ガンの温床を作っていることになります。しかし、誰しもストレスは抱えるものですし、不摂生も多少は避けられないものですね。 

 ガンはⅠ~Ⅴ期の成長段階に分けられますが、Ⅳ期までであれば、正常細胞への回復は可能です。ここでも自分の健康な免疫システムがもっとも有効です。ガンの免疫力は主にリンパ球が担っていて、その一種のNK細胞がガン細胞を死滅させる仕組みを持っています。また初期の状態では抗酸化も大きな助けになります。

 遺伝子配列が傷ついた「染色体変異(SCE)]の数は、発ガン率の指標として使われます。データによるとライフスタイルの良好な人は46本の染色体中、7.4個なのに比べ、ライフスタイルの悪い人は10.4個でした。この数は体内の細胞総数の約60兆個に当てはめると、180兆個もの違いになります。それだけリスクを負っていることになります。

 終末医療の専門家の書いた本「死ぬとき後悔すること25」の、1位は「健康を大切にしなかったこと」だそうです。病気になってから後悔するより、まずはライフスタイルを見直し、健康であることの意識を高めることが、何よりもガンにとって有効な手立てなのでしょう。

 ※ライフケア http://www.lifecarekk.com/
 ※「死ぬとき後悔すること25」 大津秀一著  致知出版社

「冒険とリスク~その違いについて」 エベレスト登頂・三浦親子

2010-11-16 | 医療
 今年9月に東京医科大学病院に「渡航者医療センター」が開設されました。大学病院としては日本初の渡航者専門のセンターです。海外赴任、海外旅行がこれだけ多くなりながら、その医療相談をできる病院は日本で11施設しかありませんでした。センター長は、ジャムズネット東京のメンバーでもある濱田篤郎先生です。

 開設を祝って、記念講演会が開かれました。東京医科大学病院の院長以下関係者、日本旅行業協会理事長、海外邦人医療基金理事長、センター長濱田篤郎氏。このセンターの特徴は渡航医学のみならず、登山者高山病外来が併設されていることです。日本登山医学会理事・増山茂氏のお話も興味深いお話でした。

 ゲストには、プロスキーヤーの三浦雄一郎氏が挨拶をしました。80歳でエベレスト再登頂を目指しています。記念講演にはその子息である三浦豪太氏。代々木にミウラ・ドルフィンズという施設を開設し、設置されたふたつの低酸素室で一般の方々のトレーニングなどを提供しています。東京医科大学病院とは研究調査の提携をしています。

 彼の講演では親子でのエベレスト登頂での過酷な状況を映像で見ることができました。8000mになると酸素は3分の1しかありません。普段であれば5分で死ぬ環境です。慣れた豪太氏でさえ、高所性脳浮腫と肺水腫を併発し、死の淵をさまよいました。知識のある彼は自分で注射し、命を取り留めました。その後、衛星電話を通じ、医師の指示の元、奇跡的に無事下山しました。
 父・雄一郎氏はそのときエベレスト登頂を成功させていますが、不整脈の持病があり、2回の手術を行っています。そのリスクを背負って、なおかつ挑戦し続ける親子の強さはどこにあるのでしょう。

 この講演は「冒険とリスク~その違いについて」とタイトルを銘打っています。人間には冒険を好む遺伝子が発見されました。調べたところ、三浦親子にはその遺伝子はなかったそうです。しかし、彼らが挑戦を続けます。 リスクは排除すべきですが、それが冒険を辞める理由にはならないと、彼は言います。冒険をし、挑戦し続けることで、人類は進歩してきたのですから。
※写真は挨拶をする三浦雄一郎氏

 ※東京医科大学病院・渡航者医療センター
 http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/tokou/index.shtml
※ミウラ・ドルフィンズ
 http://www.snowdolphins.com/index.html
 ※ジャムズネット東京
 http://jamsnettokyo.web.fc2.com/

「風邪はどうしてひくのですか?」

2010-11-11 | 医療
 ライフケア健康カルチャー講座の基礎編。今回は「風邪はどうしてひくのですか?」
 もっともあたり前な病気である風邪ですが、インフルエンザで亡くなる方もいるくらいですし、万病の元とも言いますから、軽く見ちゃいけない。昨今はインフルエンザがまた流行の兆しで、電車の中でも咳をする人もよくみかけるようになりました。うつる人もあればうつらない人もあり。何が違うんでしょう?そしてどうして風邪はひくのでしょう?
 風邪の原因はウイルスですが、ウイルスを殺す薬はありません。体の免疫システムがウィルスを殺します。免疫システムはひじょうに巧妙な仕組みです。まず呼吸器からウイルスや細菌は侵入しますが、鼻腔などの粘膜が健康であればそこでキャッチしてくれます。それには乾燥が大敵です。最近の研究では「口呼吸」は粘膜を乾燥させ免疫を下げるということがわかってきているようです。

 侵入したウイルスはその後、腸にまで届きます。実は腸はもっとも最前線の免疫システムを持っています。特にパイエル板M細胞は全身のリンパ球の60~70%が集結する体内最大の免疫組織です。腸管の粘膜は、食物摂取を通して常に膨大な量の細菌やウイルスに脅かされています。冷たいものはこの免疫システムに影響を与えてしまいます。冷たいビールをグビッとやって、「おお、しみわたるね!」っていうのが、これですね。たまにはいいですが、普段はあったかいお茶がよろしいかも…
 さて、免疫システムでよく出てくる名前がNK細胞。これはNatural Killer細胞の略です。この殺し屋はウイルスやガン細胞をやっつけてくれます。風邪をひく回数とNK細胞の強さは反比例するという研究結果も出ています。ストレス・アルコール・夜更かし、それに激しすぎる運動もNK細胞の働きを低下させます。軽く汗ばむ程度の運動にしましょう。
 免疫システムには睡眠+発熱の助けが必要です。風邪をひいて眠くて熱が出てきたなんて言ったら、免疫がとてもよく働いているわけですから、万歳をしてゆっくり眠りましょう。こんなときに、無理して抗生物質を飲んでお仕事を続けたら、それだけ治りにくくなります。
 抗生物質は風邪のときによく処方される薬ですが、普段から常用していると、多剤耐性菌に感染してしまうことがあり、これには打つ手がありません。腸の中で耐性菌が遺伝子を伝達して、大腸菌が耐性菌に変化してしまいます。防げるのは自分の免疫システムのみです。普段から免疫システムを大切にしてあげてください。
 ライフケア:http://www.lifecarekk.com/