東京医科大学病院市民公開講座に行ってきました。今回は、ジャムズネット東京の理事も務めてくださっている、東京医科大学病院渡航者医療センター 濱田篤郎氏と、同じく日本登山医学会理事でもある増山茂氏、おふたりの講演です。濱田先生には、5月15日に音楽キャラバン隊としていわきに同行いただき、健康講座をレクチャーいただきました。今回は濱田先生のお話からピックアップしてまとめます。
濱田先生のお話は、映画の話題などもあって楽しくて、歯切れがよい。一般の方が飽きずに聞くことのできる講座です。それにこの市民講座、おみやげがたくさんついてくる、お得な講座です。
海外旅行をする方は年間約1700万人とも言われているようです。若い旅行者が減っているのに対して、60代以上の高年齢層は右肩あがりです。それだけ健康へのリスクも増えます。海外渡航中におこる健康問題の頻度は、1か月間に滞在した場合、何らかの問題が発生する割合が50~60%に昇ります。また海外旅行保険加入者の事故発生率は30人に1人です。とは言え、海外旅行は魅力的な経験。ぜひリスクマネージメントをした上で、安全・安心な旅行をしたいものです。そのためにはどのようなことを心がけたらよいでしょう?
・事前の医療情報収集:各国での感染症、滞在先の医療機関情報、自分の健康情報を確認しておきましょう。必要な予防接種も摂取していきましょう。
・海外旅行保険には加入しておきましょう。日本語でのサポートも充実しているようです。持病のある方も、この4月から海外旅行保険で対応するものができたようです。事前に主治医やトラベルメディスンにご相談を。
・携帯医薬品の準備:海外の売薬は日本人には強すぎる場合が多いようです。できるだけ、普段のみつけている医薬品を持参しましょう。常用薬は多めに持っていくようにしましょう。
・準備は早めに。出発前疲労困憊してしまうことのないようにしましょう。
・航空機内は乾燥しがちです。エコノミークラス症候群などの予防のためにも、十分な水分補給と足の運動を心がけましょう。
・時差ボケには東周りが特にかかりやすいようです。(東京→NYなど)睡眠調整を事前に行うか、軽い睡眠剤も効果的なようです。
・食事でうっかりしがちなのが、サラダと氷だそうです。生野菜には注意しましょう。氷は生水をつかっている場合もあります。
・日差しの強いところでは、日焼け止めをお忘れなく。また、マラリヤ予防などには虫よけ剤を塗りますが、日焼け止めの上に塗ってください。逆だと利き目がありません。
・海外でのタトゥーやピアス、ハリ治療などで、HIV感染やB型肝炎などの感染症になる場合があるようです。気をつけましょう。
・海外旅行中で受信する際には、海外旅行保険のアシスタンスサービスがお勧めのようです。緊急の場合は、救急外来を受信しますが、救急車は有料の場合が多いようです。ご注意ください。
※東京医科大学病院渡航者センター
http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/tokou/index.html ※東京医科大学病院市民公開講座
http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/news/shimin/20110601.html