語ろう! 宝塚とかジョジョとかガッチャマンとか。

まさかのここに来てヅカオタ状態、日々叫んでおります、ほかにジョジョ、初代ガッチャマン等好きです。
管理人 Masayo

"Love Never Dies"憶えている限りの解説 4(いろいろネタばれ)

2010-05-20 01:13:16 | Love Never Dies
・シーン6:摩天楼<#18 "Beautiful">
背景スクリーンの前にファントムの部下のフリークストリオが現れ、ギュスターヴを摩天楼へ案内する(回り舞台だったような...すみません、記憶とぎれています)。

ギュスターヴは突然現れた怪しい3人を初め警戒するが、Mr.Yの使いと知ると付いて行く。

螺旋階段と観覧車?のグルグル回る映像が映しだされる(確かそんなだったような)。
やがて摩天楼の最上階に到着すると、そこはファントムの仕事場。
ピアノがあり、不気味な人の頭の模型や、18世紀の宮廷人の様な姿で顔が髑髏の機械のような異様な楽器?があり、腕が何本も生えている。
ファントムは仕事をしている。
脚は人間の女性、体は骸骨の姿のトロリーが自ら歩いて来る。
一方で、以前のとおり美しい女性を模したデコレーションがあり、クリスティーヌのオートマタを収めてあるサークルもある。
無造作にピアノの上に積み上げた本の上には拳銃まで置いてあり、美しさと恐ろしさ、優雅と禍々しさの同居する、醒めない悪夢のような部屋。

ギュスターヴは魅了されたように「何という場所だろう!」と歌う。
ファントムはそれに応え「此処がわたしの王国、幻想の領域。そして、音楽と美と技巧が支配する場所」と言う。

曲解説:ここで再度"The angel of music sings songs in my head..."のメロディーが歌詞を変えて使われる。

ギュスターヴは欲求を抑えきれず、ピアノに走り寄り、弾いても良いかとファントムに訊ねる。ここか、この後でギュスターヴが無造作に置いてあるファントムの拳銃を手にするのでファントムもさすがに慌てて「これはダメ」と、うまく取り上げる様子が何となく可愛い。

ギュスターヴが引き始めたメロディーに興味を惹かれるファントム。
「これは?」

「ただ、僕の頭の中に浮かんでくるのです」
「続けて」

「とても美しい、美しい曲。美しい、美しい音。そうは思いませんか? 美しい!」
憑かれたように歌うギュスターヴ。

曲解説:ここのフレーズはこの次の"The Beauty Underneath"に引き継がれて行く。今後も出てくる。

ファントムは、そのメロディーに何かを感じ取る。
「この音楽は...」

ギュスターヴ「音楽が溢れ出る、絶えず心に浮かび、美しく、力強い...!」

ファントム「この子はわたしと同じように弾く。...He's just ten years old...たった10歳なのに?」

そう言った後、ある思いに辿り着き、雷に打たれたような衝撃に震えるファントム。
「TEN YEARS OLD! 10歳なのだ!」

「なんということだ!」「ああ、なんという!」

曲解説:"He's just ten year old..."は"Beautiful"のメロディーを引き継いでいるが、そのすぐ後の"Ten years old!"の叫びは#8での"'Til I Hear You Sing"のリプライズの最後の"My Sweet Christine!"のメロディーが使われている。

<#18 The Beauty Underneath>(抜粋)

突然、ファントムはフリークスたちに指を鳴らしてサインを送る。
フリークスの一人がレバーを引くと、「ファンタズマ」での吊り輪を使った曲芸を見せた鳥と人の合体したような姿の女性の模型が降りてくる。

ファントムは高揚する思いに突き動かされるようにギュスターヴに歌いかける。

「きみが今まで知っていると思って通り過ぎて来た世界に行ってみたいとは思わないか?隠れた美しさの呼び声に身を任せてみないか?」

「飛び込んでみないか、通り過ぎて来た場所、そこは夢の始まりだ。 余すことなく感じ取れ、隠れた美しさの息をのむような興奮を!」

「闇がその翼を広げる時、胸が高鳴るのを感じないか?誰ひとり思いつきさえしないものを、言葉などではとても表わせないものたちを!」

ギュスターヴは催眠術にかかったように「ええ!」と答える。

ファントムはまたサインを送る。すると、天井からいくつもの黄金のメデューサの首がシャンデリアのように連なったものが降りてくる。
ピアノのすぐ上まで降りてきたそれに、ギュスターヴは魅了される。
首たちは歌に合わせて歌うように口を動かす。

ここでファントムがギュスターヴを抱き上げてピアノに乗せていたように思います。

次にファントムがサインを送ると、下手にある腕のたくさん生えた機械仕掛けが動き出し、強烈な音楽を鳴らし始める。ギュスターヴはびっくりしながらもそちらにも惹かれる。

ファントムは尚も、ギュスターヴを煽りたてるように情熱的に誘惑するように歌い続ける。
「危険と荒々しさに見せられる自分を感じるか? 隠れた美しさに尽くすのだ」

「感覚が高まるのを感じるか?そして衝動に屈したか?隠れた美しさを見たかのように心を捉えられたか?」
「きみが夜の向こうを見つめるとき、湧き上がる力を垣間見ることが出来るだろう。きっと欲しくてたまらなくなる、自分を抑えきれなくなるだろう!」

ギュスターヴは恍惚として「はい!」と答え、「美しく見える、風変りだけど美しい!何もかも、あなたの言うとおり!」

ファントム「この子は美しい、美しすぎる。そんなことはあり得ないはず、なのにわたしたちは全く同じように見ているのだ!」

少年はファントムに影響され、ふたりは共に歌う。
自分の世界を共有出来る存在を知り、ファントムとギュスターヴは興奮が更に高まって行く。

「きみは感じることが出来る」
「ええ」
「近くにおいで」
「はい!」
「目に見えない美しさを恐れはしないね?」
「ああ!」
「向かい合うのだ」
「はい!」
「掴み取れ!」
「はい!」
「隠れた美しさを通して見てごらん、輝きに向かって行くのだ!」
「栄光を!」
「受け入れるのだ」
「その手に捉えるのだ」
「隠れた美の真実を!」

そして、興奮が最高潮に達した時、ファントムは「きみに見せよう、隠れた美しさを!」と歌いながら自らかつらと仮面を外し、素顔をギュスターヴに晒す。

ファントムの顔を目の当たりにして、ギュスターヴは恐怖の叫び声を上げて逃げ出す。

高揚した心は突然断ち切られてしまう。

ファントムはすぐに顔を隠す。

曲解説:ヘヴィメタルに近い激しいロック調の曲。 速いテンポで刻まれる音と、韻を踏んで強調される歌詞、何度も繰り返される"The Beauty Underneath"というフレーズが、曲の持つ意味を焼き付け、ファントムとギュスターヴの気持ちの高まり具合を表わしている。
ファントムとギュスターヴそれぞれ、または重唱で力強く歌われる。
後半に向かうにつれて限界を超えるほどの高音域に達して、興奮は絶頂へと向かう。

コニー・アイランドで10年を過ごし、見世物小屋から始まって今は大きな成功を収めた経営者であり、興行主であり、また作曲家で演出家でもあるファントムだが、ビジネスの成功とは別に本来の彼が持つ要素は、小昏く、歪んだ不健康なものである。それは「人と違う」故に世間から隠れて生きて来なくてはならなかったファントムの宿命であり、姿のみならず彼を形成するものが元から普通とは違うことでもある。アウトサイダーとしての存在を運命づけられた男の隠しようのない真実の姿である。
また一方で、この上なく美しい音楽を作り出すことが出来る彼は紛れもなく天才的な芸術家で、「美」と「恐怖」とは皮肉にも、彼の顔の半面ずつが顕す彼自身である。
そして、その危険さは時により強烈な魅力となり、感じ合える者のみが虜になる。かつてクリスティーヌがファントムを恐れながらも深く愛していたのは、芸術を介し、また、ファントムの妖しい魅力に惹かれたからであり、その血を受け継いだギュスターヴもまた、彼らと同じ世界を共有することが出来る存在として描かれるが、ファントムの素顔を見せられて恐怖のあまり逃げ出してしまう。絶頂から絶望へたたき落とされるファントム。

逃げ出したギュスターヴは、一目散に母の胸に飛び込む。
混乱する少年をクリスティーヌは「大丈夫よ!わたしよ!」と言い聞かせるが、ギュスターヴは茫然自失のまま。クリスティーヌはファントムの部下たちに息子を連れて行くように頼む。

<#19 The Phantom Confronts Christine>
ファントムはかつらとマスクを着けている。
怒りと絶望に我を忘れて、彼はクリスティーヌにものすごい勢いで近づき、首に手をかける。
クリスティーヌは必死にギュスターヴがあなたを傷つけようとしたのではないと訴え、彼を許してやって欲しいと懇願する。

ファントムは激しく「わたしが知らないとでも思っているのか?」と厳しく問いただす。
パニックに陥るクリスティーヌに「わたしに告白することがあるだろう?」と追い打ちをかけるファントム。

「ああ、どうかそれだけは..」喉を締めあげる手に抵抗するクリスティーヌにファントムは「わたしは真実が知りたいのだ、今すぐに!さもないと...」と更に強く迫る。

曲解説:#6で演奏だけだった曲が、ここでは歌になっている。メロディーの美しさに反して怒りに燃えるファントムの激しい声。

恐ろしいファントムの手からどうにか逃れたクリスティーヌは、彼の顔を見据えて歌う。
「遠い過去、別の時代、あなたはわたしを一人置いて行ってしまった。でも、それだけではなかった。あなたはわたしに息子を残した。

それ以来ずっと、わたしはこのことをあなたに知らせられたら、と願いました。
わたしは秘密を守りました。 わたしの結婚の許されない秘密。
わたしにいったい何が出来たと言うのでしょう? ただ愛すること...」

ファントム
「息子...」
クリスティーヌ
「生きること...」
ファントム
「わたしの息子...!」
クリスティーヌ
「与えられるものを与え、そして受けるに値する少しのものを受け取るのです」

曲解説:ここで#14"Once Upon Another Time"再登場。

ファントムはクリスティーヌの口から語られた事実を噛み締めるが、同時に深い絶望に沈む。
「(台詞)わたしの血を分けた存在...。だのに、彼はわたしの顔を見て恐ろしさのあまりたじろいだ。母親と同じにな」

クリスティーヌ
「どうかわたしを許してください。出来ることならば。わたしはあなたを苦しめるばかりです。明日の夜、わたしは持てるすべての力を尽くしてあなたのために再び歌います」

「(台詞)そして、もうお目にかかりません。」

曲解説:#7"'Til I Hear You Sing"のサビがクリスティーヌによって歌われる。高く美しく伸びのある声が彼女の決意を際立たせる。

クリスティーヌは向きを変え、去る。
彼女が去った後を見つめながら、ファントムは想いに耽る。
「醜さの中から生まれた光よ!闇の中から生まれた輝きよ! 彼の中でわたしの悪は善へと変わる... それなのに彼はわたしをほかの人と同じように嫌った...。
彼はわたしを遠ざけるだろう。 彼はわたしのこの呪われた顔を恐れるだろう!
わたしが彼から隠れなければならないのなら、わたしはそうしよう...彼はわたしの恩寵となるであろうに!
クリスティーヌのために。わたしのクリスティーヌ、それが真実ならばほかに生きる理由など無い。 そうだクリスティーヌ...そしてわたしたちの息子にわたしは全てを与えよう。ああクリスティーヌ! わたしがこの世に生み出す全てもの、それらは彼のものとなって価値あるものとなるのだ!」

曲解説:#6の演奏のみから再度歌になる。 クリスティーヌのために、から"'Til I..."のフレーズへと移る。

歌っている途中で、確かファントムはギュスターヴの忘れて行った白いジャケットを抱きしめていた場面あったかと。持っては行かず。

ファントムは歌い上げたあと、摩天楼から階段を下りて行って退場。
"The Beauty Underneath"の一部がオーケストラによって荘厳にアレンジされて流れる。ファントムの気持ちを表わすような壮大な音。

だが、その様子をマダム・ジリーとメグが陰から見ていた。

ジリーはアメリカへ渡って来てからの労苦とファントムへの献身を歌うが、自分たちがやっと掴もうとした夢や、築き上げてきたファントムとの絆が突然現れた彼の「息子」によって打ち砕かれてしまうことを嫌悪し、あんな子は生まれてこなければ良かったのだと呪いの言葉を吐く。憤怒にかられたジリーは、ギュスターヴのジャケットを掴んで二つに裂いて、一方を階下へ投げ落とす。

本作でのマダム・ジリーは方向違いとも思えるほどのファントムへの思慕を抱いていて、恐ろしく嫉妬深い上に、娘とも思っていたはずのクリスティーヌ(映画版での台詞)にかつてのカルロッタも霞むほどの敵意を持っている。メグも見当違いに見える恋愛感情をファントムに持っているのだが、彼はメグをぞんざいに扱いはしないが、恩人かつ友人で良く仕事をしてくれるということ以外の感情は持っていないのでメグの気持ちも痛々しい。

ジリーが階段を駆け下りて行ったあと、メグは裂かれたジャケットの残りを手に階段の下を見つめる。

複雑に交錯するファントムとクリスティーヌの心、彼らを取り巻く人たちの愛と憎しみ。
不穏な展開を予測させながら、ライトフェードアウト。

幕。

第一幕終わり。

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