ギルのヘヴィ-メタル、プログレ系音楽室

ヘヴィ-メタル、プログレ系、ハ-ドロック等、幅広く音楽CDの感想を書きます。

Iron Maiden

2006年09月12日 | Weblog
Iron Maiden / A Matter of Life and Death 2006

ア・マター・ライフ・アンド・デス~戦記

オフィシャルHP

試聴先

待ちに待った英国のベテラン王道ヘヴィ-メタルバンドの新作。トリプルギタ-の6人組。なんと14作目だそうだ。初期のファンからは前作同様あちらこちらで評判が悪そうな予感がするが、さて内容は?

私は2000年発売のBrave New Worldから彼らを聴いて感銘した新参者。このアルバムは誰がなんと言おうがすばらしい。トリプルギタ-万歳!

後追いで聴いた初期の薄っぺらい音にはあまり良い印象はない。だから私は本当の彼らのファンではないのだろう。前作DANCE OF DEATHもBrave New Worldほど良いとは思えないが、好きなアルバムだった。

DANCE OF DEATHといえば、ダイナミックレンジが狭く音質が最悪だった。とてもメジャ-レ-ベルからリリ-スされた物とは思えない音。新作はこのあたりがかなり改善されているが、他のメジャ-級バンド最新作に比べると少し音が悪い?中~高音がすっきりせず、抜けが悪い。特にボ-カルの歯切れが少し悪い。このあたりは改善しないと損をするぞ。

前置きが長すぎた。さて本題。

1曲目は彼ららしいシングルにもなりそうなメイデン節たっぷりのノリノリ気味な曲で、掴みは良い。しかし私にとっては平凡過ぎる。まあ順当なオ-プニングなのかな?実は掴みの良い曲はこの曲だけ。

ここから先はミドルテンポ&展開入りのDANCE OF DEATHの流れを汲むダ-クで長い曲が続く。曲の合間にドキっとさせる演奏や展開を聴かせてくれたりもするが、歌メロはネタ切れなのかマンネリで先が読めてしまう。もちろん彼らの最低限と思われる品質は十分保っていると思うが、聴いてワクワクドキドキするような楽曲ではなく、掴みはかなり悪い。

これは聴き込まないと良さが理解できないだろうと聴き込んでみた。
サビ歌メロがマンネリだが、インスト部分が嬉しい②、前半が最悪だが、中盤から盛り上がる③、おっとここで流れるようなコ-ラスが気持ち良い④等、1曲中全てがすばらしいと思う曲はあまりないが、所々に聴き所はある。ダラダラした最悪な⑦の後は9分台のドラマティックな大作。でも肝心なサビ歌メロがやはりマンネリ。ラストはアコ-スティック風の前半から重いギタ-、重いメロディ-で展開、後半部分に盛り上がるこれまたドラマティックな9分台の大作。後半の大作群は好印象。

全体を通して聴くと悪くはない。繰り返し聴きたくなるような力もある。
でもあまり変わり映えしないメイデン節群には、我々はこれ以上変化できませんからよろしく!と言うメッセ-ジが伝わる。保守的でハズレのないアルバムかな?

今後はもっと思い切った変化がないと飽きられるのでは?

評価 7/10