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気分は南米?~多文化&SDGs日記

四国を経て、浜松に三度漂着したかっぱの近況

外国人無料検診会2009

2009-10-05 11:43:03 | 多文化共生
昨日は7:30に会場の可美総合センター(公民館)に着いたら、並んでいる人がもう30人ぐらいいた。会場が開くまでに、市議の山口さんと簡単な聞き取りをしたが、仕事がない人が半分ぐらい。日本にいるのは6年~18年と長い人が多かった。磐田から来ている人もいた。

検診会は昨年が開けなかったので、2年ぶりの開催でボランティアも少ないし、病院でない会場も初めて。私も2006年以来の参加。予定を早めて8:40分頃に受付開始で、150人ぐらいがどっと来て混雑したけれど、それ以降はぼちぼちで、午後は50人ぐらいしか来なくて暇だった。どの時間にどれだけ人が来るのかは毎回読めなくて難しい。

受診者は全部で267人で、一番多かった2005年の650人に比べて半分以下。最大350人を予定していたが、久しぶりで広報が行き渡らなかったのか、運動会やイベントが重なったせいなのか、少なかった。8割ぐらいがブラジル人だったかな~。

それでも3年ぶりに会うボランティアのみなさんと挨拶したり、情報交換できたのはよかった!この検診会でしか会わない方もいるので。普段は接する機会のない医療関係者の方たちと話ができるのも面白い。

普段はホスピスで看護師をしている友人は毎回小児科を担当。「私にとって癒しの一日だから、仕事が忙しくてもこの検診会は楽しみにしているの」と話していた。
単なるボランティアじゃなくて、学びの場であり、交流の場であり、情報交換やネットワークの場にもなっているんだなー、と。教育関係のキーパーソンのブラジル人や先生方も来ていて「再来週の進学ガイダンスでもよろしく!」。

毎回、準備には議論を積み重ねてきているけれど、私が事務局をつとめた2002~2005年からいろいろな点でバージョンアップをしているのが興味深かった。
今回は受付番号を名札でつける、というのがわかりやすくてよかった。
データ入力班の医大生たちは、手順をきっちりマニュアル化して、難しい住所入力も手際よくこなしていた。

写真は受付の「熱があったら測ってください」の貼り紙。
午後になったら、誰が落書きしたのかエルビスバージョンになっていた(笑)。

「200円払ってね」の貼り紙も、マスオさんがエルビスに変身しているし。

イベントとしては楽しい検診会も、データが揃ってカルテをチェックして発送するまでが最も気を使う!ここで間違えたり、住所が届かなかったりすると全ての努力がパーになるので。
来年は事務局をどうするの?執行部の世代交代は、来年の会場、資金は…と課題もあるけれど、まずは無事検診会が終わってホッとした。お疲れ様でしたー!!

おすすめ・多文化本レビュー(その2)

2009-08-19 18:25:29 | 多文化共生
●「多文化共生社会と外国人コミュニティの力  ゲットー化しない自助組織は存在するか?」
 吉富志津代、現代人文社、2008年、¥2,100
震災を経て、外国人当事者が立ち上がった神戸。オールドカマーや港町の歴史も長く、神戸(関西)の多文化共生の取り組みは全国でも先進的で学ぶことが多い。
「多言語センターFACIL」「ワールドキッズ・コミュニティ」代表の吉富さんが書いた京大の博士論文がベースだが、神戸の最前線で活動してきた本人が書いているので、説得力に富んだ内容になっている。移民政策の国際比較、外国人自身による自助組織の形成プロセス、コミュニティビジネスの話が興味深い。41ページに浜松の事例もちょこっと載っている☆

●「トヨティズムを生きる 名古屋発カルチャル・スタディーズ」
 鶴本花織他 編、せりか書房、2008、¥2,100
2007年の学術イベントの記録集。浜松学院大の米勢先生の「地域日本語教室は誰のためか」、静岡文芸大のイシカワ・エウニセ先生の「日系ブラジル人のアイデンティティ」、阿部亮吾さん「移民演劇は何を語るか~在日フィリピン人コミュニティの挑戦」ほかを拾い読み。諸悪の根源は「トヨティズム」に始まる?!

●「無国籍」
 陳天璽、新潮社、2005年、¥1,470
6月の連続講演会で講演した陳先生の著書。横浜の中華街に生まれて、1歳で「無国籍」となり、様々な場面で壁にぶち当たってきた自分の人生と、日本や世界のあちこちにいる「無国籍」な人々についてのドキュメンタリー。
「国籍」とは何か、「アイデンティティ」とは何か。グローバル化する世界で、各国の制度や歴史の狭間からこぼれ落ちてしまった人々や、アメラジアンやジャピーノをはじめとする多民族化している日本の実態を語る。講演もとても面白かったが、本人の半生を描いた著書も読みやすい。まずは表紙の写真に驚いてください。

●「マイノリティの名前はどのように扱われているのか 日本の公立学校におけるニューカマーの場合」
 リリアン・テルミ・ハタノ、ひつじ書房、2009年、¥4,410
中学の英語の授業で自分の名前を「Everson」と綴ったら「Eberuson」と書けと指導され、減点までされたり、長い名前が欄に入りきらないことからと勝手に短くされたり、大切な「自分の名前」が改変されてしまう事例は後を絶たない。学校内でのブラジル人・ペルー人の名前の扱いについて、名前と個人のアイデンティティ、エスニック・アイデンティティに絡めて、徹底的に追った研究。
朝日新聞の書評(2009年6月28日)でも紹介された。

●「顔の見えない定住化 日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク」
 梶田孝道、丹野清人、樋口直人、名古屋大学出版会、2005年、¥4,410
第三刷まで出ている移民研究で話題の本。移住システムの誕生から「日系ブラジル人問題」発生のメカニズムまでデカセギをめぐる諸問題を扱い、労働・生活家庭の全体像を解明するとともに、日本の課題を浮き彫りにした労作。浜松の事例も随所に載っているが、ハードカバーに手をつけかね、読み進められていない(汗)。
上記の甲南大学のリリアン先生のレビューも興味深い。

おすすめ・多文化本レビュー(その1)

2009-08-19 17:58:35 | 多文化共生
仕事で紹介したもので、拙いレビューですが参考までに。

●「まんが クラスメイトは外国人 多文化共生20の物語」
 外国につながる子どもたちの物語編集委員会、明石書店、2009、¥1,200
神奈川の中学、高校の先生方がつくった、子どもたちを通した多文化共生の話。背景の解説とデータも詳しく、ふりがなつきで子どもから大人まで気軽に読める。
在日コリアン、中国帰国者、難民、ベトナムからの船、震災、在留資格、南米移民、日本語…子どもたちの体験やその親たちの歴史も含め、日本に暮らす多様なバックグラウンドを持った外国人の“物語”が描かれている。
国際理解や多文化の教科書としてもお勧め!!

●「移民還流 南米から帰ってくる日系人たち」
 杉山春、新潮社、2008、¥1,575
著者は、在日日系社会の子どもの問題や犯罪についてしばしば雑誌に記事を寄せているが、この本は2006年に焼津市で起きた「ブラジル人母子三人殺害事件」を切り口として、事件の背景を丁寧に追っていく。よくぞここまで!と思わせる掘り下げたインタビューや、ブラジルまで帰国者や出稼ぎ家族の取材に行って、問題の構造的背景をあぶりだす。
「在日の日系人コミュニティでは日本の未来を先取りした実験がおこなわれている。国と国の枠組みの狭間に置かれ、グローバル経済の労働市場にむき出しに放置され、そのまま20年近くが過ぎた。今ある日系人社会の混乱は、その帰結だ」、そしてこの問題は“巨大な社会的ネグレクト”と表現する。
重い現実でありながら、温かいまなざしに救われるルポルタージュ。必読。

●「あの戦争から遠く離れて ― 私につながる歴史をたどる旅」
 城戸久枝、情報センター出版局、2007、¥1,680
2009年春にNHKで放送された土曜ドラマ「遥かなる絆」の原作本。中国残留孤児だった父の足跡を追った娘が綴ったノンフィクション。本の分厚さに驚くが、「中国帰国者」と呼ばれる人たちの歴史を縦糸に、父娘の絆を横糸に紡ぎだす日本と中国の物語。
城戸さんは松山市出身、伊予市育ち。2008年大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞受賞作品。

●「多民族・多文化共生社会のこれから NGOからの政策提言(2009年改定版)」
 移住労働者と連帯する全国ネットワーク、現代人文社、2009、¥1,600
ニューカマーの来日から約20年。少子化とグローバル化で日本の移民受け入れが既成事実化されながらも、外国人のための法整備は未だ進んでいない。多民族・多文化な人たちのパワーを生かした「共生社会」をつくるために、乗り越えるべき壁は何なのか? 構造的な不平等や差別の実態にせまる現状分析と、課題解決のための提言を盛り込んであり、在住外国人が抱える様々な課題や制度・政策の理解のために読んでほしい一冊。

●「外国人の子どもの不就学 異文化に開かれた教育とは」
 佐久間考正、勁草書房、2006年、¥2,520
多文化化する学校や地域間格差、その背景を具体的な事例やデータを元に明示し、オールドカマーやしょうがいしゃ教育、英国の多民族教育との比較などから、「構造的に日本の教育から排除されている」外国人の子どもたちの問題を、教育施策・制度面から論じていて、本を読みながら何度もブンブンうなずいてしまった。
不就学はグローバル時代に対応した「日本の教育システム」そのものの本質的な改革なしにはなくならない!

●「外国人の子どもと日本の教育 不就学問題と多文化共生の課題」
 宮島喬・太田晴雄編、東京大学出版会、2005年、3,800
「不就学」が起きる社会的・文化的要因や背景を読み解く、神奈川、愛知を主なフィールドとした研究。学校教育システムの課題から、中国帰国者、ベトナム、フィリピン、エスニック学校などの事例による各論、そして学習サポート、多文化に開かれた教育を提示する。

毎日どこかで、たぶん多文化

2009-08-05 21:15:10 | 多文化共生
東海地方は梅雨明けだけど、今日も雨が降った。昨日はツクツクホウシ初鳴き。
松山の水瓶も珍しく満水。弓削島の「ふるさと夜市」にも行きたかったなぁ…。

7月28日 I町の社協主催の異文化理解勉強会へ、オブザーバー参加。 
    はままつ多文化教材「ともに生きる浜松」のカタストロフォイの
    ゲームをシニアの方々と一緒にやる。

7月29日 浜松で一番小さなブラジル人学校の検診会。
    人数が少なすぎて学校としての体裁が…。
    生徒1人しかいない学年もある。

7月31日 ポルトガル語のクラスのブラジル・レストランでパーティー♪
    肉は一巡したら、もうおなか一杯~。やっぱり胃袋は日本人だー。

8月2日 国際交流協会で「アースカレッジ」多文化・国際理解教育の勉強会
    ワークのリハーサル「新聞紙で動物をつくる」で盛り上がる。
    えらく前衛的な形を造っていたグループの思考回路を知りたい。
    昼はセルビッツでポルキロのブラジル飯。フェイジョンうまー。

8月3日 集住地区のE団地の集会場でアフロ・ブラジリアンダンスの練習。
    エリアーネの指導は初めてだけど面白い!いい汗かいた~。

8月5日 市の外国人市民共生審議会へ。知り合いが4人委員を務めている。
    今年のテーマは「外国人市民の自立と地域社会の参画」。
    午後は、外国人生徒の多い定時制高校を訪問。生徒の1/3が外国籍!
    秋から新しいプロジェクトが動き始めるかも…?!

8月6日 ブラジル人学校2校の検診会。

8月8日 磐田市の小学校で夏休み勉強会&外国人交流会
    午後はE団地で防災日本語の講習会、夜はサンバ営業。

8月9日 磐田市の進路ガイダンス

8月10日~16日 信濃大町~東京~佐久~東京~浜松 の旅の予定

エネルギッシュ?いや、疲れが取れなくて仕事で船こいでます…。

さぎの宮~フェスタ★海の日

2009-07-21 00:19:50 | 多文化共生
連休最終日はさぎの宮にほんごカフェの「フェスタ★海の日」へ。

団地の中の集会場には子どもと親、関係者が50名ほど。コーディネーターのロックミュージシャンの鶴田さんらしく、ギターとキーボードがセットされ、歌で始まった。
子どもたちの「動物園へ行こう」で「日本語ではどうぶつえん、ポルトゲスではゾオロジコ~♪ 日本語ではライオン、ポルトゲスではレオ~♪」と歌っていたのが、めっちゃかわいかった。

いろいろゲームもやって、スイカならぬ「風船割り」では、「右・左・前・後ろ」「ちょっと・もっと」の使い方を覚えるはずが、興奮した子どもたちは絶叫しまくり、何を言っているのか聞き取れない~(笑)子どもたちの元気さに圧倒された~~。
ブラジルや日本の手作りお菓子がずらりと並んで壮観!各国のお菓子紹介があったり、杏仁豆腐を気に入って何回もおかわりしているペルー人の男の子がいたり。私も美味しくいただいた。ごちそうさま!

最後も鶴田さんの歌で、みんなで歌って踊って終了~。久々にEres tuを聞いて懐かしかったー。

磐田の多文化イベントへ

2009-07-20 23:16:59 | 多文化共生
3連休はイベントづくし。初日は磐田市の多文化共生センター「こんにちは!」の交流イベントへ。10時から開始で10分過ぎに来たら、すでに100人近い人が来て盛り上がっていた。
団地の中に造られた2階建ての建物とその周辺は、子どもたちやそのお父さんお母さんたちでいっぱい。子どもの名簿には「ブ、フィ、ペ、日」とあって、学習支援教室では日本人の子も一緒に学んでいるそうだ。

金曜日は「にほんごカフェ」もあり、そのコーディネーターでカミーラ(写真左)が大活躍している。大学進学のために10月に帰国する予定で、すでに家族も帰国している彼女の様子を見に来た。高校生の時は「マジ、ちょーウケる~」とか「そうだら~?」とバリバリ「若者&方言」だらけだったのが、日本語教師になってきちんとした日本語を話しているのに感動。
大学では教育学を勉強したいとのこと。彼女のようなバイリンガル教師は今あちこちで必要とされているけれど、大学でさらにブラッシュアップして、いつかまた日本に帰ってきてほしい。

2階の教室には、にほんごカフェの様子が展示されていた。各回の話題を見ると、個人の話からいろんな国の文化や習慣もあって、楽しそうな雰囲気が伝わってきた。
一緒に行った日本語教師のHさんは「教える・教えられるでなくて、対等な関係が築かれていて、とってもいい感じ」と話していた。教室によって違いはあるけれどHさんいわく「カフェでは相互の多文化交流に重点があり、それを通して日本語力もアップする」という考え方らしい。なるほど!
日本人のシニアのおじさまも活躍していて、こういうところから「多文化共生」が広がっていくといいなぁ~と思った。

私もコシーニャを食べながらブラジル人たちとのおしゃべりを楽しんできた。「パラナ州出身者はパラナエンシ、リオ出身はカリオカ、サンパウロはパウリスターノ。なぜにリオグランヂ・ド・スールはガウショ?」と聞いたら「うーん、それは北海“道”と東京“都”だけ違うみたいなもんよー」と言われて妙に納得。ちなみにカミーラが出身のマトグロッソ・ド・スールは“スール・マトグロッセンシ”だそうだ。
サンパウロのサッカーチーム、コリンチャンスのファン「コリンチアーノ」が熱狂的だという話も面白かった。サンバ仲間のレアンドロもいっつもコリンチャンスのユニを着ていて腕に「コリンチアーノ」とカタカナで刺青してたなぁ(笑)。
他にも“Se eu tivesse 20 anos a menos!”(もし20歳若かったら…)という言い方も覚えた。接続法の仮定形はなかなか覚えられないけど、これは使う機会がいっぱいありそう~♪ 

さらに、今更だけど「だもんで」が静岡弁だということを知った。えー!共通語かと思ってたよん。私も当たり前に使っているかもーー。

外国人学校検診その3、4~子どもたちの未来は?

2009-07-20 13:46:59 | 多文化共生
先週はA校、P校の学校検診へ。どこも3~4割児童生徒が減っているが、それでもA校は240人もいる。
毎年お世話になる小児科の先生は「おはよう、ボンヂーア!」に始まり「アブラボカ(口あけて)」と手馴れたもの。でも「きをつけ!」で背骨をチェックするのに、子どもたちが意味がわからず「ブラジルにはない習慣か…」と苦笑いしながら、子どもの腕を持って「きをつけー、ぴしっ!」とやっていた(笑)。

大きな問題はなかったけれど、日頃の生活習慣なのか、運動場や体育の授業がないせいか、肥満が多かった。子どもなのにメタボ…。


学校検診を始めたのは6年前だが、カルテを6年分全部使っている子も結構いた。小児科の先生は「日本には何年いるの?」「日本語できる?」「ちゃんと勉強するんだよ」と話していたが、日本に10年以上いる子もいたし、日本語がわかっている子もいた。
日本に長くいて、この不況にも帰国しない。なのに、なぜブラジル人学校なのだろう??ここにいたら日本の高校の受検資格は得られないのに…と15歳の子たちを見て思った。

浜松の外国人学校は、狭い敷地に子どもたちがぎゅうぎゅうで、教育の質も決してよくない。運動場も図書室も理科室もプールもないし、学校とは名ばかりの「私塾」にすぎない。ブラジル政府の認可があっても、帰国時に必ずしも同じ学年に編入できないと聞く。
日本の学校システムからこぼれ落ちた子どもたちの一時的な避難場所、帰国の足慣らし、母語母文化を学べるという存在意義はあるけれど、そこに何年もいることは、将来の可能性を狭めてしまうことに他ならない。

前から国や自治体は「ブラジル人学校の支援策(と打とうとしたら“私怨”って出た…汗)」を言っているが、それより公立校の学習支援や母語教室に力を入れて、外国人を受け入れる体制を整える方が先ではないのか??

この話を教育委員会に8年務めていたブラジル人にしたら「ブラジル人学校は教育の質が酷すぎる。全部つぶすべき!!その先生を公立学校に入れてインターナショナル教室をつくって、放課後にブラジルの言葉や文化を学べるようにしたらいい。ブラジル人学校では、子どもの未来は拓けない。帰国しないのに、日本語も日本の文化も知らないままで大きくなる子どもたちが心配だ。」と言う。
「でも、教育委員会はやる気がない。面倒なことはやりががらない」と毒も。

磐田市のブラジル人職員は「日本に家を買ったブラジル人夫婦が『子どもはブラジル人学校にやりたい』と言ってるけれど、その感覚がわからない。定住するのに、なぜ日本の学校に行かせないの?」、日本の高校を出てバイリンガル日本語教師になったカミーラも「母語や母文化は家庭でしっかり教えていれば、ブラジル人の誇りを忘れることはない」と言う。

ブラジル人学校については3年前に移住連で書いたけれど、やっぱりそうだよなぁ、と改めて思ったのでした。
今日はこれから「にほんごカフェ」へ。また後ほどレポします。

外国人学校検診 その2~不就学フリースクール

2009-07-09 12:44:18 | 多文化共生
昨日はMAFとN-Pocketによる学校検診の手伝いに、カトリック教会へ。昨年の不況で学費が払えず、学校に行けなくなった子どもたちの緊急避難的な受け皿として、2月からやっているフリースクールだ。月・水・金の週3回で約50人が通っており、ボランティアがそれを支えている。

日本人スタッフに話を伺ったが、小さい子たちはブラジル人学校に通っていた子が多いが、大きい子には公立校に行けなくなった子もいるという。先日行ったブラジル人学校とは対照的に、来ている子どもの家族はみな失業中で、学校に行けない理由は「お金」だという。

何人かは帰国したり、就職したり(15歳)、来なくなってしまった子もいる。13歳と15歳の兄弟は、朝起きれなくて…ということだが、ブラジルの小学校3年まで終わって、来日してからずっと学校に行ってなかったらしい。会話はできても、読み書きはほとんどできなかったという。親はなんとか学校に行かせたいが、本人の意欲がつづかず、家で引きこもっているらしい。

子どもたちは人懐こく、受診を待ちながら一緒にポルトガル語と日本語でおしゃべりした。叫びながら走りまわっている子もいたけれど、本来遊びたい盛りだもの。この年齢で家でじっとしていることが、どれだけ不健康か…。
庭ではにぎやかに「フェスタ・ジュニーナ(田舎の収穫祭)」のダンスの練習をしていた。音楽に合わせて年齢・男女を問わず、仲良くペアダンスを踊るところは、やっぱりブラジル人だなぁ♪と。私も一緒に踊りたかった~。

楽しそうな彼らの笑顔が救いだったが、「外国人」であるということで、社会の枠組みからこぼれ落ちる子どもたちが、目の前にたくさんいる。
今、国、県、市から、それぞれ不就学対策や日本語支援のお金がざぶざぶ降ってきているが、本質的な解決に結びつかければ意味がない。改めて彼らの「居場所」「学びの場」がどうやったらきちんと保障されるのだろう、と考えさせられた。
 

外国人学校検診 その1

2009-07-01 13:30:43 | 多文化共生
今日はMAF(浜松外国人医療援助会)とN-Pocketが主催する外国人学校の検診会へ。

ブラジル人学校のA校では昨年100人近くいた子どもが40人やめたという。先日作ったばかりの名簿を持っていったら、3人がすでに帰国とのことだった。
一方、新入生も2人いたが、一人は12月に授業料が払えなくなって一旦退学して、半年たって戻ってきた子で、もう一人は公立校に通っていたが、帰国が決まって転校してきたという。今いる子たちの親は仕事があって失業はしていないそうだ。

この学校では、N-Pocket主催でパントマイマーの里見のぞみさんによる体を動かすワークショップを中学生向けに行っていて、金曜日に発表会がある。
これから毎週、外国人学校の検診会が続くので、またレポします。

ブラジル・レストランで昼食会+無国籍講演

2009-06-22 22:43:20 | 多文化共生
土曜日は朝、ブラジル人の子どもたちの学習教室ARACEへ資料を届けてから、ブラジル・レストランDONA FLOR(ドナ・フロール)で受講生+教職員の昼食会。同伴家族も含めて17人が集まった。
ほとんどの人が「ブラジル料理は初めて」で、ブラジルの食文化の紹介もできたし、中国人受講生や中学校の支援員の方の話を聞くこともできた。

肝心の肉は一通り回ったところで、もう満足~~。それでも、食べ放題1490円!
ブラジル人客は5~6組ぐらいしかいなかったけれど、営業は大丈夫なんだろうか。肉以外の料理の数も多かったし、特にフェイジョン(豆の煮込み料理)は美味しくて好評だったし、つぶれないでほしいなぁ。
フェイジョンはブラジルスーパーにも売っているので、今度自分でも作ってみよーっと。コビハ(ボリビア北部のブラジル国境の町)でホームステイしていた時には毎昼食べていて、あまり美味しいとは思わなかったけれど、久々に食べると懐かしい。


その後は、多文化共生講演会で陳天璽さんの「無国籍」についての話。名前から中国系のおじさんを想像していた人も多かったが、実際は美女才媛の先生だった。
“無国籍”の事例は聞いてはいたけれど、30年も国籍を持たなかった本人の言葉は重かった。国と国の制度の狭間にこぼれ落ちる人たち。日本人として日本に住む人にとっては意識する機会もない、国籍・在留資格の問題を改めて考えさせられた。

「国籍」「民族」の概念、その所属意識としての「アイデンティティ」が多様化している現状も浮き彫りにされた。横浜の中華学校は生徒の3割は非中国系で日本人にとって競争率の高い「お受験校」になっているという話も興味深かった。

外国人=金髪碧眼=日本語片言、というステレオタイプは20世紀の遺物。浜松には顔は日本人、名前は南米風、でも母国を見たこともないポルトガル語も話せない“ブラジル人”もたくさんいる。日本=単一民族なんて幻想を吹き飛ばすように、多民族化・多文化化がますます進行している。国際化=英語というのも、在住外国人は非英語圏の人が大多数を占めてる現状には、必ずしもマッチしない。


その足で東京へ向かい、姉の家へ。音楽療法の話や積もる話で夜は更けて…。大変お世話になりました~~。