気分は南米?~多文化&SDGs日記

四国を経て、浜松に三度漂着したかっぱの近況

3.10も忘れない

2013-03-11 22:27:34 | まち
昨日は出張研修で墨田区にいた。「煙霧」が発生して見るからにホコリっぽい煙った空気に、あわててマスクと帽子を被った。
帰途の新幹線で、住宅が密集するあたりを見ながら「震災で火災が起きたら大変かも…」と思ったのに、すっかり忘れていた3.10。

たった一晩で10万近い人たちの命が失われ、100万人を超える罹災者を出した「大空襲」。
忘れないように、同世代の友人がまとめた記事を貼っておく。(詳しくはリンク先へ)

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東京大空襲から66年目(2011年)

311の前日、2011年3月10日、私は夢中で、ツイッター上に投稿された東京大空襲に関するつぶやきを集めた。
若い人が祖父母から聞いた話、実際に東京大空襲を経験した当事者の話(高齢ツイッターユーザーです)など、語り継ぐべき話が、140文字にこめられていた。
このなかの一人ひとりを訪ね歩いたら、新しい形の“東京大空襲の語り”が生まれそうな気がしてなりませんでした。
そして、翌日の3月11日、引き続き、私は東京大空襲の発言まとめ作業をしていたところ、あの大地震に遭遇しました。
もしかしたら、311で亡くなられた方が、私のまとめたサイトのなかに、いらっしゃるかもしれません。複雑な思いで、2年前にまとめたこのサイトを振り返っています。

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大田区にあった母の生家も、これに引き続く空襲で焼けたという(母一家は疎開した後だったが)。
当時を語れる生き証人は70代を超えている。聞けるうちに聞いておかないと…。

15年?ぶりの生態学会~自分の今後の関わりは?

2013-03-08 22:19:39 | 
生物学がらみの仕事を離れても、未練たらたら?でずっと所属してきた日本生態学会。今年は地元開催なので休みを取って久々に行ってきたが、実に楽しかった~~!!!

発表は、動物/植物を問わず、保全に教育に生物多様性に田んぼ・里山、自然復元、外来種、様々な分野を見て歩いた。
内容についていけるか?と心配したけれど、生態学は「生理学や遺伝学に比べると、10年経っても大して変わらない」と先生が言っていたとおりだった。さすがに、プレゼン方法は格段に進歩していたが。

大学時代にお世話になった先生方にも10数年ぶりに再会。当時生まれた子どもが大学生と聞いてびっくり。助教授だったS先生は見た目は全然変わらなくても還暦だし…。
15年前に調査した静岡空港のオオタカ営巣地のその後や「在来種を使った植生復元」についても、一緒に仕事をした先生方に詳しく聞くことができた。
一般向けの観察会で使えそうなネタもいろいろ収集。

自由集会は「静岡県の農村に見る内なる生物多様性」へ。伝統的茶業による生物多様性の保全、在来作物の民俗文化的な価値や、環境社会学的な分析がかなり興味深く、日鷹先生の言う「内なる生物多様性」の意味がやっと腑に落ちた。

懇親会では、学生たちと奄美のカエルの話やらトカラのハブやセミの話やら、久々に「生き物話」で盛り上がった。いや~~同志がたくさんいて嬉しかったぁぁ♪♪
書籍販売コーナーはトラップだった…。図鑑を買いまくり、メダイチドリのカバンに手ぬぐいに、札束飛びまくり。


私は10年ぐらい前までは植物生態学を専門にやってきたけれど、研究者にはなれなかったし、元々研究者を目指していたわけではない。
自然保護を実践するための「生態学」を学びたかったし、生物学を学んでいく過程で、いろんな生物の生態、分類、進化の面白さを学んだ。必要にせまられて保全生態学も学んだ。

現在の自分の方向性としては、生態学や自然誌のわかるナチュラリストや、生物多様性を保全するために生物種をきちんと同定できるパラタキソノミスト(静岡県では絶滅危惧?)を増やしていきたいし、自分もそうなれるよう修行中。
環境教育で自然体験をやる団体は結構あるけれど、こういう切り口で取り組むところは少ないように思う。

また「内なる生物多様性」で、農林水産業に絡む生物多様性、例えば地域固有の「在来作物」の保全は、属人的な技術・生業と不可分であり、ジーンバンクで種子を保全するだけでは不十分、という話は衝撃的だった。
種とりの技術、焼畑などの栽培方法、食文化や行事と密接に結びついた活用法といったものは、地域限定的に伝わるものなので、栽培する人がいなくなったり、活用する場がなくなると簡単に絶滅しやすい。つまり、種子だけでなくて、付随する技術・文化もセットで保全していく必要がある、ということ。

そういった「生物多様性+文化財的な地域資源」のある集落は、多くの場合、過疎高齢化や限界集落の問題も抱えている。こうなると生態学の枠組みだけでは解決不能で、農学や民俗学をはじめ、多様な分野と絡めながら保全に取り組む必要がある。

生物学、生態学を踏まえつつ、様々な分野をつないでいく役目、そのあたりが自分のできることかな~と。
テントと食料を担いで離島だ!熱帯だ!とフィールドに出るという夢をずーっと持ち続けけてきたけれど、現実的には市民・里山・中山間地を結びながら、細々取り組めればいいなぁ~と思った学会だった。

もっと話そう!エネルギーと原発のこと(その2、その3)

2013-03-05 22:14:16 | 脱原発
NPO法人開発教育協会の「もっと話そう!エネルギーと原発のこと」を使ったワークショップの2月分の報告。
やったのは、昨年の原発県民投票をやった仲間+新しいメンバーで、年代は40~50代の男女。

2月5日は「仮想インタビュー」(参加者10名)
原発立地の様々な立場の9人にインタビューをしたという仮定で、その意見について考えるというもの。

1)電力会社の営業所員 2)町役場の「原発立地対策室」の人
3)商工会議所の人 4)商店街を歩いていた住人 5)同左 6)同左
7)駅前で反原発のチラシを配っている人 8)漁協の組合長
9)「海と暮らしを守る会」の代表

9人は推進したい人3名、どちらでもない・悩んでいる人3名、反対3名のインタビューで、まずはこれを音読。ワークシートに原発を進めたい理由、進めたくない理由を「安全性」「環境への影響」「経済面の影響」「廃棄物の処理」「その他」の観点から各人で書き込んで発表。

次に、「気になった意見」と「気になった理由」を発表。
最後に、全体をとおして感じたこと、考えたことをフリートーク。

それぞれの考え方・論点をみんなで整理していくと、「推進派」がよく使う論点とその攻略ポイント?がなんとなく見えてきた。

私が気になったのは「(賛否について)言ってはいけない雰囲気がある」「素人が口を出してはいけない」という「悩んでいる派」の意見。
いろんなジレンマを抱え、はっきり言えない、表明できない地元の人たちの苦しさが気になった。計画段階でもこんなギクシャク、もめごとを起こしてしまう原発は罪作りだなぁ…と。(その原因は電気消費地の私たちが作っているのだけど…)

フリートークでは
・時間軸が違う…結果、影響がすぐ見えない
・明日のごはん、というジレンマ
・難しくなると、わからない
・作業員は具合が悪くなると、県外の病院に運ばれている(事実もみ消し?)
・安全な作業ができる人が辞めてしまった(by日経)
・たたむ技術や代替エネルギーでもお金と雇用は生み出せるはず。
 そこは国の舵取りが必要。
・トイレの蓋の自動開閉とか、いらない電気も多すぎるのでは?

再び「オール電化」の話も建築家のKさんが来て、盛り上がった。
「オール電化はコストが安い」と薦める業者も多いけれど、問題点もいろいろあるよ、と。(これについては、改めてレポする予定)


2月19日は「原発について知っていること・知りたいこと」(参加者4名)
参加者4人でブレインストーミングをしました。「知っていること」はたくさんあるので、「知らせたいこと」に変えて、思いつくままに付箋に書き出してみた。

一人一枚ずつ発表して、似たような意見があれば隣に張り出していく方式で、付箋がなくなるまで発表+分類。
わずか4人でも考えていることは似ていたり、違っていたり。
これまで「県民投票」という共通の目標に向かって活動してきたけれど、お互いの考えていることを共有して整理するきっかけになった。

伝えたいことはいっぱいあるけれど、伝えるのが難しいこともあり、どんな切り口でアプローチすればいいか?を考えることに。

知りたいことは、福島のこれから、健康被害や労災の実情、交付金のことなど素朴なギモンから、やめるための方法、再処理・廃棄物、廃炉の方法・コスト、代替エネルギーなど、もっと勉強しなきゃね~ということも多々。

次に打つ手はどこにある?ということを考える上でも、興味深い議論ができたし、頭の中の棚卸という感じだった。
単なるフリートークにすると、どうしても情報量の多い人や声の大きい人の発言が増えてしまいがちだけど、ワークショップ形式にすると、初心者や新参者もフラットに意見を出しやすくなるのがいい。

私は「なんちゃってファシリテーター」を務めたけれど、もっとうまく「引き出し役」ができるといいな。これは、かなりESD的な手法だと思うし、今後はもっと様々な年代、立場の人も参加して対話を深めていきたい。参加者大募集中!