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気分は南米?~多文化&SDGs日記

四国を経て、浜松に三度漂着したかっぱの近況

とっくに日本は移民社会

2018-11-27 18:36:29 | 多文化共生
今回の入管法改正案はいろいろ酷すぎて、通してはいけない法案なんだけど、外国人の多い街で多文化に関わる立場としても、外国人をめぐるあれこれを、多文化関係者向けでなくて一般向けに書いてみた。
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移民じゃないと言うけれど、日本に住んでいる250万人を超える外国人の56%が永住・定住資格。浜松市では8割を超え、20年以上日本に住んで、家を買った人も珍しくない。今や日本育ちの外国人が子どもを産んで第3世代に突入。とっくに日本は移民社会になっている。

コンビニのおにぎりやお菓子も、便利な家電や車も、その製造は外国人労働者が下支えしている。日本人の職場を奪うのではなく、日本人には安くてきつくて就労できない3K労働現場で働いている。もう90年代から、彼らの力を借りないと日本の社会・経済が成り立たない状況にあることを知ってほしい。

外国人が大勢来たら大変なことになる!と心配する人たちもいるけれど、外国人が増えた街で犯罪が増えたわけではないし、統計的にも相関関係はない。南米人が増えてシュハスコやシエスタが流行ったという話もきかないし、サンバなんぞやっているのは、ごく一部のおかしな人だけだ(笑)。
それより、商業主義で恵方巻きだのハロウィンだのが席捲している方が脅威。正月の注連飾りもスーパーで売ってるのは9割輸入品だし、伝統文化の廃れの方が気になる。

で、このまま少子高齢化で日本社会が大きく変化・衰退していくのを受け入れるのか、それを食い止めるため、むしろ「現状維持」のために外国人の力を借りるのか、いいかげん腹を括る時期じゃないか?

でも、東京一極集中で減りつづける地方の労働力を、安い外国人労働力で「補填」することは、低賃金を固定させ、地方の日本人がさらに逃げ出すことにならないか。根本的な労働環境や賃金の問題も見直さないと、問題を先送りし、悪化させるだけになりかねない。

また、国際的に日本は以前のような圧倒的な優位性があるわけではない。途上国との賃金格差も縮まっている。新たな日系4世の在留資格に数名しか応募がなかったことは、もはや日本は魅力的なデカセギ先ではないという表れだろう。

これ以上の外国人受け入れを拒むなら、迫りくる縮小社会にどう対応するのかのビジョンを。受け入れるのなら、労働力としてだけでなく「生活者」としての受け入れ態勢や社会統合を国をあげて整えなくてはいけない。

90年の入管法改正から28年。ここまで色々な教訓と蓄積と、未だ解決できない課題も山積み。そういった現状もふまえて、議論をしていきたい。

Copa do mundo 2018

2018-06-22 21:23:05 | 多文化共生
歩いて行けるブラジルで、コスタリカ戦を観戦中。
4年前のブラジル紀行を思い出しつつ。

Estou assistindo jogo de Copa do mundo no restaurante brasileiro em minha cidade. Quase tudo são brasileiros.
Estoy mirando el partido de Copa mundial en restaurante brasileño en mi ciudad. Casi todos son brasileños.





入りそうで入らないシュートに一斉に悶えてます。
予選のブラジルがグダグダなのは毎度のこと。決勝Tからが本気?!


勝った瞬間。ワーワーピーピー。
ここに至るまではダメダメ感満載で正直負けるかと思った~。


4年前の1カ月は忘れられない旅だったなぁ~。
ペロウリーニョの街角で見た開幕戦、ジュンヂアイのメルカードで見たコロンビア戦、日系会館で見た全然盛り上がらないブラジル戦、カミーラの家で見た退屈なブラジル戦とか、スタジアム以外の思い出もテンコ盛りです。

春節餃子大会

2018-02-10 22:00:25 | 多文化共生

今日は春節(今年は2月16日)にちなんで、水餃子大会。ハルピン、大連、上海出身の女性たちが大活躍。
A沼さん主催の春節餃子大会(2011年)が楽しかったので、いつかまたやりたい~~!!と思っていたけれど、今日は皮づくりもしっかり修行できて超満足!

まずは小麦粉を丸めるのがコツ!
そして、右手で麺棒を転がし、左手で時計回りに皮を回しながら丸く均等に広げていく、というのを少しだけ掴んだ。
餃子は東北地方(旧満州)が本場。ハルピン出身の方は10秒で1枚作っていく(私がやると2~3倍かかる)。


材料は、白菜(みじん切り)の塩もみ、にら、シイタケ、れんこん、ネギ、生姜。油と水と醤油を足して混ぜる。


離しておかないと、皮が具材の水を吸ってくっつきやすくなる。すぐ茹でないなら冷凍庫に入れる(と、くっついて収集がつかなくなってから気がついた)。

皮は薄力粉+強力粉だとモチモチしていいとか、上海の春節は春巻をつくるけど、春雨は入れなくて、筍を入れるとか、餡子だけの春巻きも作るとか、いろいろおしゃべりしながら作るのはとっても楽しかった♪

子どもと大人は30~40人参加。三々五々に来て、わいわい作って、食べて、遊んで、しゃべって。今日は中国だけでなく、様々な国をルーツとする人たちがいて、隣で母語教室をやってたペルー人も覗きにきたり。
そして、野菜たっぷりの贅沢な食卓でした。
ハマった勢いで、麺棒買っちゃった。またやりたいな!


クラスメイトは外国人 入門編

2013-08-09 22:17:50 | 多文化共生
先週、土曜日に平塚に行った時に、編集に関わったOさんからいだだいた本。2009年に出た「クラスメイトは外国人」の続編だ。

日本の在住外国人は人口の1.7%。国際結婚も15組に一組ぐらいの勢いで増加中。クラスの中には、外国につながる子どもが一人や二人いるのが当たり前の時代になっている。

そんなクラスの中で起こる、様々な問題や葛藤。いじめや差別。
実話を元に、子どもたちのバックグラウンドが丁寧に描かれている。
「高校を辞めて働くなんて」の章は、ブラジル出身のアマンダが「あ~あるある!!」と、浜松でもよく聞く話も。
さくっと読めて、う~ん…と考えさせられるし、あぁ、わかるなぁ…と涙が出そうになる話も。定住難民の話や震災の外国人女性、インド人生徒など、最近の話題も盛り込まれている。「ブラジル給食」は浜松でもあったらいいなぁ!とアマンダ。

異文化でぶつかることもあっても、その原因となる背景や理由がわかれば、「ああ、そういうことなのか!」と納得できることも多い。外国人が日本の文化や習慣を理解するだけでなく、日本人も歩み寄ることが「共生」の一歩じゃないかな?

今は「外国籍」でもその国に行ったこともない、日本生まれ・日本育ちの子どもも珍しくない。その子たちにとって日本は「故郷」のはずだけど、日本社会では様々な場面で「ガイコクジン」として扱われ、その度に「私は何人?私の故郷って??」と混乱し、傷つくことも少なくない。
国籍、名前、見た目、使用言語(第一言語)を見ても、「外国人」という定義は、ものすごく多様化している。

今回は「入門編」ということで全編マンガで、漢字にルビもあって小学生レベルの日本語でも読めるので、当事者にもすすめたい。
多文化共生に取り組んでいる人にはもちろん、そうでない人にもおススメ!
子どもにも大人にも、いろんな人に読んでほしい。→購入はこちら

最近、外国人排斥の動きも多々あるけれど、排除や同化よりも、共生して多文化なパワーを取り込んだ方が、いいことがいっぱいあるよ!!というのが、浜松に住む私の実感。
今年の交流会もめっちゃ熱かった!多文化なわかものたちに、いっぱいエネルギーをもらっています。

出産→復学の選択肢があるといいな

2013-02-03 08:35:45 | 多文化共生
在住外国人のわかものたちのインタビューにあちこちあたる日々。

とある高校に話を聞きに行った時に、「妊娠したら退学?」の話になり、
「退学を勧めているわけではないけれど、体育や課外活動で妊婦への配慮はないし、他の生徒への影響も考えて、自主退学することが多い」との話に、考えこんでしまった。

10代の外国人が妊娠する話は珍しくない。宗教的に中絶できないという背景もあるのだろうけれど。
私が働いていたボリビアの大学でも、妊婦学生も子育て学生も珍しい存在ではなかった。
私の感覚の方が、ちょっとズレているのかも??

日本の全日制高校では10代の妊娠・出産はめったにきかないけれど、日本人は「学校にナイショで中絶」も多いのかもしれない。

ある定時制高校では、妊娠→休学→出産を経て、復学して卒業する子を2人知っている。
様々な人生の局面を乗り越えて卒業を迎える二人を祝福したいし、それを支えた学校の関係者にも感謝は尽きない。

私が気になるのは、妊娠→出産の是非ではなく、本人の「学ぶ権利は?」ということ。
高校を卒業するかしないかは、学歴的には大きな違い。
退学でなくて、休学→復学という選択肢がとれないのだろうか?
学校側も、そういう選択肢を勧めることはできないのだろうか?

未成年の妊娠・子育ては推奨しないし、卒業まで待ってくれよ~!と言いたいけれど、現実にそういう子たちが少なからずいる現状では、「妊娠したら退学は当たり前」「学びたいなら再受検して」でない選択肢や、社会的サポートも考えていかないと…と思う。

外国につながる子どもたちの進路支援

2012-03-17 22:16:10 | 多文化共生
今日は雨の中、名古屋へ愛知県主催の「外国につながる子どもたちの進路支援セミナー」に行ってきた。
小島祥美さんの報告はとても興味深かった。

1)東海地域に夜間中学がない?!
全国で夜間中学があるのは、東京8、神奈川6、千葉1、京都1、大阪11、兵庫3、奈良3、広島2。計35校で2488人が学んでいるが(2010年)、生徒の8割以上が外国人。それだけ在住外国人のニーズが高いということだ。
夜間中学の設置は、法令上は市町村教育委員会の裁量で決定できるので、外国人集住都市会議2006の「よっかいち宣言」で国への提言に夜間中学を盛り込むよう働きかけて実現したが、その後、参加都市で夜間中学を開設したところはどこもない…。

2)日本のブラジル人学校から、日本の高校へ行けない
外国人の子どもは、中学中退者やブラジル人学校を卒業して、高校受検資格がない子どもがたくさんいる。都道府県によって高校受検資格は異なるが、ブラジル人学校が多い東海4件(静岡、愛知、岐阜、三重)では、日本の外国人学校を卒業しても、日本の高校へはストレートには行けないのだ。
外国人学校の支援は話題になるけれど、その先に日本の進路が開けないことは、ほとんど話題にしてもらない。ブラジル人学校の高等部卒は大学受験資格は認められるようになったが、なぜ高校受検はダメなのか??

3)中卒認定試験
つまり、東海地区の外国ルーツの子どもで、15歳を超える(学齢超過)か、ブラジル人学校卒の子たちは、夜間中学に行くか、5教科の「中学校卒業程度認定試験」をパスしないと、高校受検資格を得ることができない。
不就学、中学中退、ブラジル人学校などにいて、日本の学校で学んでない子たちが、国語や社会を独力でクリアすることはかなり厳しい。(試験は基礎学力を問うもので、決して難関ではないが、その基礎すら習得する機会がなかった子には高いハードル。)

小島さんは言う。「日本の中等教育(中学・高校)の就学率98%は、世界的に見てもかなり高い。でも、就学率=識字率とは言えず、正確な識字率は調べられていない。日本でも学ぶ権利が保障されてない外国人には、会話で不自由がなくても、読み書きのできない人がたくさんいる。」
学生たちを連れて、大阪のハルモニたちの識字クラスを見に行った話が印象的だった。

愛知県の「中学夜間学級」の先生の報告もあった。
これは、愛知県教育・スポーツ振興財団と県教委、名古屋市教委が開設していているもので、他県の夜間中学と違って、「中3に編入」の扱いなので、週3日で2年間の修業になる。今年度は17名が学んだとのこと。
先生も生徒もとても熱心だが、やはり日本語の壁や仕事との両立が壁になるので、家族や勤務先、支援者の理解と応援が欠かせないとのこと。

その後、愛知県の委託事業で作った「進路応援ガイドブック」の紹介と、ワークショップでケース別ディスカッションがあった。
私のグループは「5歳で来日したフィリピン人。日本の小中で学んだが、高校は1年で中退。アルバイトをしているが、長続きしない。英語が得意なので、アメリカの大学に行きたいなどいろいろ言っている。」…昨年、どこかで聞いたようなケース。高校中退・休学した子は、昨年は知ってるだけで6人はいたけれど、その後どうしているんだろう?やっぱり、高校進学後の支援も必要だよなぁ。

3月末には申請した助成金の可否があるけれど、静岡県でもこういうのやりたいな~~と思ったセミナーだった。

年末仕事の合間をぬって

2011-12-20 20:06:18 | 多文化共生
先週は、職場の隣の学習支援教室でクリスマス会に、途中から参加。今年は生徒たちの企画・運営で、それぞれ出し物があり、私も先生方と一緒にちょこっとサンバを踊った。子どもたちも、普段とは違う姿で歌ったり踊ったり、みんなニコニコでコシーニャやキビ、ブラジルの甘いケーキを食べていた。
教室は先週末で事業終了。家庭や進路にたくさん困難のある子たちだからこそ、なんとかサポートが続けられることを願っている。

先日は定時制高校の見学に、市内の中学校、小学校の先生たちと行って、高校の先生たちと一緒に意見交換もしてきたが、やっぱり小・中・高校、地域の学習支援、日本語支援などをつなぐしくみがほしい。その場づくりをするのが中間支援NPOの役目でないかと、改めて思った。
大学から離れてしまって、わかものたちとも縁が遠くなってるし、今年は多文化事業の動きが鈍くて反省も多い。いろいろ考えてたら、夜眠れなくなった…。

通信制高校の学習会に取材にも行った。10年ほどボランティアで関わっているY先生に話を伺う。高校生は6人来ていたが、不登校経験者ばかりという。私立の通信制高校がたくさんできて、昔に比べて生徒数が減ってしまたが、「ここで塾に行けないような貧困層の中3支援もやっていきたい」「ピアカウンセリングのモデル、メソッドをつくりたい」などY先生の話は、興味深かった。
外国人の学習支援ともうまくリンクできるといいんだけれど、定時制の時間と重なるのよね…。

土曜日は「タケオ」上映会とアフリカンドラムのワークショップ。ALPのみなさんやクリエートの館長、サンバ仲間、障害をもつ子やその親も参加しての演奏は、タケオのパワーとリズムに呼応して、熱くエネルギッシュな時間だった。久々にアフロ踊ったし
やっぱり打楽器はいいなぁ~~。小ぶりのスルド、欲しくなっちゃった。

日曜は畑仕事。田んぼで採れた玄米ともち米を入手したので、マッコリを作ってみた。米と米麹とドライイーストとヨーグルトで作れるので、結構簡単。味見してみたけれど、市販のより甘みがなくてすっきりした感じ。
先日は実家のユズで柚子酒も漬けた。家からもらったレシピは、ユズ1.13kg、砂糖0.38、35°2.1リットルとなっているが、適当に漬けたので分量は目分量~。

年末仕事は山積だけど、週末名古屋をニンジンに乗り切ろう~。

ニワトリを飼ってはいけません

2011-10-20 22:55:02 | 多文化共生
今日は職場の隣に来ている6歳のブラジル人の子どもと神経衰弱をしたら、ボロ負けした… 「ダメ!」以外の日本語を話さなくても、全くおかまいなしに日本人を巻き込んで嬉々とゲームをする彼に脱帽。

「洗濯機」(き、にアクセント)はポルトガル語で「ここに座りなさい!」
ああ、日本語だとそう聞こえるのか、と。中途半端にポル語がわかると、それに気づけない。
隣に来るブラジル人の子どもたちと、職場の日本人たちと、一番身近な「多文化共生」の現場。言葉がわからなくても、通じるものをもっと増やせないか。

昨日は近所の県営団地をレッツのSさんとお散歩。築40年の団地で、相当年季が入っている。私も生まれ育ちが団地なので、見慣れた風景ではあるけれど、公団分譲と県営賃貸では住む人の層が違い、高齢化の一方でファミリー層や外国人も多い。
「物干し竿でなくて、ロープは外国人家庭らしい」「CSアンテナもブラジル人に多いらしいですよ」などと観察しながらそぞろ歩く。

そこに「動物の飼育禁止」看板。よくある看板だが「犬、猫、ハト、ニワトリの飼育を禁じます」と…。
はあっても、団地でニワトリを飼うのは見たことも聞いたことない。禁止されるということは、飼ったことがある人がいたということなんだろうか?!(でも、どこで?ベランダ?共用庭??)

公園は放課後の子どもたちが遊んでいたけれど、看板には日本語で「周辺の住宅に迷惑がかからないように遊びましょう」と書いてあったが、ポルトガル語ではそれに加えて「フットボールは禁止」とも書いてあった。
それにかかわらず、子どもたちはボールで遊んでいたけれどね。

中学校卒業後の選択肢

2011-10-06 23:11:58 | 多文化共生
昨年に引き続き、今年も多言語資料づくりで格闘中。昨年、一昨年もバージョンアップを図ってきたけれど、今年は高校リストを作り直した。多様な学科をわかりやすくカテゴライズ、翻訳して「できたー!」と思ったのだが…。
広域通信制の高校に手をつけたら、いろんな学校が次々出てきてとんでもないことに。分校的な○○キャンパスから、技能教育施設やらサポート校やら、どこまでが高校で、どこまでが専修学校や私塾なのか、大混乱

それでも、今は広域通信制が大人気?らしく、ある学校には全国で1万人も生徒がいるんだそうな。ひょえー
ある定時制高校の先生は「全日制→定時制→通信制→広域通信制」と転編入を繰り返す、どんなに引き止めても退学してしまう子が増えたのは受け皿が増えたこともあるのでは、と話していた。
静岡県では全日制の高校生は、少子化と共に減少しているが、定時制の生徒は逆に増えているという。単位制の定時制高校の昼間部は倍率が高く、全日制より入るのが難しくなっているという現実もある。それは成績的にも行動的にも、全日制の高校に入りにくい不登校や外国人の子どもが増えたからではないか?と。

外国人特別枠やインターナショナルコースは毎年数人しか受け入れていないが、もっといろんなニーズに応える受け皿、選択肢があってもいい。
中学中退(←そもそも日本人にはありえないものだが、外国人にはしばしば発生する)すると、高校を受けるにも「中卒認定試験」という年に1度だけの試験を5科目クリアしなくてはならないのもハードルが高すぎる。
昨年、知ってる高校生たちが何人か退学、休学(出産・育児のため)したけれど、彼らにも再び学ぶチャンスがあってほしいと祈っている。

日本人にも不登校枠があるけれど、交通機関の乏しい僻地や遠方しかないのはなぜなんだろう。中学でつまづいたら、選択肢が狭まってしまうのでなくて、そこからもっとやりなおしできる機会、門戸が開かれていてほしい。

そんなことを考えると、いろんな選択肢を掲載したくなって、編集がなかなか終わらない。資料提供だけでなくて、地域内外で連携して政策提案する方法も考えなくては。助成金のアイデアもいろいろ練り練りな秋{/です。

教職員研修と進学ガイダンス

2011-08-12 22:34:52 | 多文化共生
先週は唐突にショックなニュースが飛び込んできて、激しく動揺→落ち込んだけれど、大事な仕事が目白押しで、義務感をかき集めて何とか仕事を完遂。

一つは、市内で一番外国人児童が多い小学校での教職員研修。「中学卒業後のわかものたち~高校・大学進学を見越して」と題して、外国ルーツの高校生、大学生、わかものたちのエンパワーメントや課題について話をした。

2~3月の映像プロジェクトで作った映像を上映したら、6年生の先生に「ぜひ総合の学習で子どもたちに見せたい!」と言われた。6年生の子たちは先の見通しが持てないことから、学習に意欲が持てず、先生も試行錯誤しているとのこと。高校で直面している問題とよく似ている。

その後の情報共有では、学年ごとに教職員、支援員、日本語指導員、放課後学習会のボランティアが集まって話し合った。私が参加した6年生では、家庭環境が複雑な子が多く、「モチベーションが上がらない」背景や保護者へのアプローチについて、議論が盛り上がった。

学校を挙げて、様々な関係者と共に子どもたちの問題を丁寧に共有する研修は、とても有意義だった。校長先生の方針や国際担当のN先生の影響も大きいと思うが、他の学校でもこういう場が持てたら子どもたちの対応もかなり変わるのでないかと思う。

支援ボランティアの方に「見ていた子どもたちが高校進学した後、どうしているのか気になっているが、追跡調査はしていないのか?」と聞かれた。小中は地域的に近いので、できなくもないだろうが、高校は市→県と管轄が移ることもあって、なかなか難しい。個別にサポートしている子しか追えていないのが現状。
障害のある人については、小・中・高→就職までサポート情報をリレーするしくみができつつあるが、外国人でもそういうしくみがつくれないか?というのが今回の大きな宿題。

昨日は、フィリピン人による学習支援組織と組んで「高校進学ガイダンス」。中学、高校の先生にも登壇していただいた。参加者は予定の2/3ぐらいだったが、スタッフの方たちも熱心に聴いていた。
これまでのガイダンスはフィリピン人の参加が少なかったけれど、フィリピンルーツの子どもたちが増加している近年、当事者のコアメンバーが課題をしっかり共有する機会になったのはよかった。

4月からNPOに復帰して、事務局の基盤整備や中間支援の仕事に追われていたが、久々に多文化の仕事を再開。
残念ながら全国交流会の資金獲得はならなかったけれど、進学ガイドブックのリニューアル、高校生支援に向けた新たなプログラムの開発、小中高+支援者のネットワークづくりなど、やるべき課題も見つかり、私自身のモチベーションも上がってきた。


…そんな訳で、先週末はスタジアムや暑くて溶けそうなホームタウンにいたけれど、今週は骨休め+畑仕事+研修な夏休みです。