もう随分前になりますが、世の中にブランド豚として“三元豚”なるものが現れました。
私が最初に食したのはデニーズだったと記憶しております。
その時にこの豚が貴重であることの能書きを読んだのですが、美味いことが優先して、三元豚=美味しいということで納得し、豚を掛け合わせたことぐらいしか記憶に無い状態でした。
その後になって、お弁当屋さんの“ほっともっと”でも三元豚が使われ、あぁ、あの豚がお弁当屋さんでも普通に食べることが出来るようになったんだなと思うとともに、世の中に随分と出回ったようにも感じられました。
でもこの豚なんだろうと今更ですが興味を持ったので、今時はインターネットで調べられる訳ですが、興味本位で少しだけルーツと美味しさの秘密を調べてみました。
●いつ頃から研究されたの?
三元豚がいつ頃から研究されたのか気になるところですが、昭和46年から既に研究と開発が進められている事実を知りました。
あの“豚さん”、歴史があるんだと恐れ入ってしまいました。
●三元豚の発祥地はどこ?
国内ではどうも岩手県らしく、この岩手県は養豚で有名で、平成10年以降は平均200億円の生産高を誇っている日本屈指の養豚県ということも分かりました。驚いたのは県民人口の1/3が豚ということで、一戸あたりの飼育頭数は全国一位で1900頭を超えているようです。
ん?
違うな・・・。
県民が豚じゃ変だな。
県民人口の1/3に相当する数の豚数ですね。
失礼しました。
こんなに多くを養って頂いているお陰で、我々は“また豚かよ”って愚痴りながらも、安い価格でおいしいお肉を食すことが出来ることに感謝しなければと思いました。
さて次に、この三元豚さんをどうやって作っていくのかということですが、ここはポチッとコピーペースト&修正方式で紹介しますのでお許しを願います。
あくまでも岩手県の豚の拡販を希望する一人の善良なる消費者ということで。
●三元豚さんの顔が見たい?
はい、この子が三元豚さんですね。
●三元豚が産声をあげるまで
三元豚生産においては2世代目の母豚の資質が重要となるそうです。
国産豚の増産と養豚振興を目指した日本では、昭和46年、繁殖用母豚の開発(系統造成)に着手しますが、このモデル県のひとつとして岩手県が選ばれました。
研究・開発の舞台となったのは、滝沢村の岩手県畜産試験場(現・岩手県農業研究センター畜産研究所)。
当時の関係者によると「雑種を作るなどそれまでは絶対ありえなかったことで、資料も限られまさに試行錯誤の毎日。休日返上、徹夜の毎日でした」とのこと。
まさに難行苦行の研究の結果次の交配を成功させます。
①ランドレース種(L)のメス
②大ヨークシャー種(W)のオスを掛け合わせ
その結果、母豚「イワテハヤチネ」系を完成します。(イワテハヤチネさんの誕生です)
これが昭和54年に“系統認定”を受けます。
以来、岩手産の豚はこの「イワテハヤチネ」系(LW/上記の①と②の交配種)
更にデュロック(D)を交配して
三元豚(LDW)が主流を占めているのそうです。
つまり、三元豚は三種の豚の良いところを残した豚ということですね。
これを更に改良して
平成17年からは初代「イワテハヤチネ」系を改良
産肉性に優れた「イワテハヤチネL2」を母豚とする豚肉が市場に流通
官民一体となってより高品位な豚肉生産を目指しているとの説明です。
ただ、“三元豚”がすべてこの種での構成でなく、様々な交配によるもので、三種の掛け合わせした結果の豚を“三元豚”といっているそうです。
また、農場や地域による“ブランド豚”を商品名にしているようで、一概にあそこで食べた“三元豚”おいしかったから、こっちで“三元豚”をたべてみたら、あれ違うってこともあるようです。
●豚のランクってあるの?
豚にも肉質ランクがあります。(以前は表記されていた記憶があります)
牛肉のようなA5等のランクとは違いますが、極上、上、中、並、等外の5段階評価で分けられ、これらは重量及び背脂肪の厚さの範囲 、外観、肉質の3つから総合的に判断されるとのことです。
ランク割合は、全体の0.1%が最高ランクの「極上」、47%前後と約半数が「上」に認定されるようです。
0.1%は料亭、こだわりのトンカツ屋さんに流通するのでしょうか。
そんな中、大手スーパー等で販売中の豚はどのランクなのか、なんとなく分かったような気がします。流通の半数以上は中以下ってことですから。
ちなみに野菜や果物もランク(等級)があります。
●岩手県の豚はなぜ支持されるのか?
三元豚といわず、岩手県の豚が美味しいのは理由がありました。
銘柄豚を生産する現場では、独自にブレンドした飼料を与えており、飼料へのこだわりは、肉の臭みとアクを抑える工夫が施されており、養豚農家さんがそれぞれのこだわりと独自性をアピールした結果がその美味しさの理由のようです。でも一番の美味しさの秘密は、美味しさを求める人の情熱と探究心だと感じます。
●日本における豚の種類はどのくらい?
日本で飼育されている豚は大体5種類であることもわかりました。
豚と言えばイメージはピンク色のあの豚なのですが、こんなにも違うものなんですね。
バークシャー種(B)
イギリス原産で産子数は少ないが肉質が極めて優れているそうです。
黒豚ですね。
デュロック種(D)
アメリカ原産で肉質に優れており、強靭で暑さにも強い。
夏バテ解消によさげな豚ですね。
大ヨークシャー種(W)
イギリス原産で足腰が強いが母乳が出ないそうです。
繁殖に向いていないのかな?
ランドレース種(L)
デンマーク原産で育成能力が高く繁殖能力に優れている。
我々が知っている豚なんですかね。
なんか1つたりないけど、三元豚ってことで・・。
●次は豚肉の部位は? 栄養価として期待できることは?
豚肉はビタミンB1が豊富で糖質のエネルギー代謝に深く関わっており、体内での多くのビタミンB1消費、筋肉を動かすのに必須なグリコーゲンを作る際にもビタミンB1が必要とされるので豚は健康に良い食品と言いますね。
一日約120g食べることでビタミンB1の必要量が満たされ、夏バテ解消にもよいそうです。
部位については下図をみてね
トントロや耳、豚足については自分で調べてね。
●三元豚は日本だけ?
海外でも三元豚があるそうです。
更にその先の四元豚という交配品種がおり、日本の商社の努力によって海外で作られ輸入されているそうです。
日本には、存在しない品種を掛け合わせているということから大きな脅威であり、味はとっても良いとの評価も受けています。
驚くべきはこのお肉、霜降りであることです。
四元豚シルキーポークという名称らしいです。
●日本では四元豚はいないの?
日本にも、北上四匠豚というブランドがあり、四種類の豚の交配種が存在します。
これは何回か食べたことがあるんですが、ランクがどうだったのかは知りませんが、“美味しい”と感動するような味ではなかったことだけ記憶しています。
保存期間、保存状態、料理方法によるものかは分かりませんので、是非新鮮なものを気になった方は食べてみて下さい。
牛肉もいいけど“三元豚”、“四元豚”もあなどれないですね。
★★ 最後に一言 ★★
三元豚のルーツを辿って、おいしさを伝えましたが、私の豚肉で一番好きな部位は“トントロ”なのです。
農家のみなさん、ごめんなさい。
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