secret boots

ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

はじめに

2009-05-02 22:00:20 | 読書のススメ
これまで、新しいカテゴリーを、と考えていたことがあります。
それが、この「読書のススメ」です。

このブログは、明確に、映画批評を目的としています。
それ以外に補足的に、表現についてや、あるいは日々のまとまった考えを「コラム」という形で記事にしてきました。
ブログ開始一年という節目に、カテゴリーを増やしたいと思います。

ブログとしての「柱」を二本にする気はありません。
僕は映画についてあれこれ語ってきました。
なぜここまで語れてこれたのか。
それは僕が映像的リテラシーを身につけてきたからではありません。
映像の専門家でも、映画の専門家でもありません。
だからこそ逆に、ここまで映画批評という名の下、やってこれたのだと思っています。
プロだとここまで恥ずかしい記事を、そして無知な土台を下に、書き続けることはできなかったでしょう。

そういう観点から言えば、書籍について語ることは、若干気が引けます。
学生時代、文学を専攻していたこともあり、僕の専門的な知識が問われている面が、映画よりも強いからです。

「たかがブログやんけ」と言われるかもしれません。
ですが、僕は表現する者として、世に何かを発表する個人としての責任を常に考えています。
インターネットという場を、有益な、質の高い場にするかどうかは、一人ひとりの発言者、発信者が責任を持てるかどうかだと考えています。
その意味で、僕にとっては多少の勇気のいる分野です。
ですが、そろそろ、僕の土台について、つまり活字によって得た知識について、自分自身で反省する機会を作るべきだと考えはじめ、このカテゴリーをもうけることにしました。

今回のカテゴリーの名前は、「読書のススメ」としました。
このカテゴリーに属する記事は、「書評」ではありません。
よって、僕が読んだ本をすべてここにアップするつもりはありませんし、お勧めできない本をここに並べて、批判するつもりもありません。
読んだ中で、勧められる本だけをアップしていくつもりです。

そもそも、読書は趣味だろうか、という疑問を耳にします。
少し前の世代の知識人と呼ばれる人間たちは、読書は趣味とは言えないと断言していました。
なぜなら、新聞を読むことを誰も趣味とはしない、という程度の意味合いからでしょう。
つまり、情報や知識を得るためには必要不可欠なものである以上、それを道楽として、生活と切り離された趣味として捉えることはナンセンスだという程度の意図からのことばだと察します。

趣味とはそもそもどういうものを指すか、という言葉の定義にまでその議論は及んでしまいますので、このあたりでその話は切り上げます。
ですが、読書には大きく二通りの読み方があるようです。
一つは、趣味として、娯楽として読む本。
もう一つは、自分の血となり肉となる、自分を鍛えるために読む本。

たとえば、小学校で教員をしている僕の知人の話を聞くと、公立の児童でも読書量はかなり多いと聞きます。
昨今の読書離れは確かにあるものの、それほど深刻ではないように思う、と聞いたことがあります。
ですが、よくよく聞いてみると、実はその読書の対象は「ハリー・ポッター」であったり、ライトノベルと呼ばれるような作品であったりで、読書の対象は様変わりしているような気がします。
(「ハリポタ」ファンには申し訳ありませんが、訳者の日本語があまりにも拙いたため僕は作品として評価していません。)

僕が思うに、読書とは快楽主義に走るための一手段ではない、と思っています。
いや、そういう読書がいけないとは思いません。
僕も大衆小説は読むし、全然知的じゃない新書を読みあさったりはします。
ですが、それだけが読書ではないでしょう。

では、楽しいとか、感動したとか、おもしろいとか、泣けるとか言ったものではない読書とはどのようなものか。

僕の考えでは、「読んでもすぐ理解できないもの」が真に価値ある本だと思っています。

どういうことか。

読んですぐ理解できないもの、というのは、その人の中に今まで存在していなかった物語や知識、考え方が書かれているということです。
「え。どういうこと?」と疑問に思って読み返す。
それが読書の本当の価値ある姿だと思っています。

新書にしてもそうです。
読んですぐに納得できる考えや知識について、「ああやっぱり」と納得できるようなものは、それはすでにその人の内部に存在していたのです。
それをただ第三者が整理してくれているだけに過ぎません。
そういう本は自分を高めてくれる本とは言えないでしょう。

それは書き方の問題ではありません。
もちろん、表現と内容は表裏一体のものですから、ある程度関連しています。
ですが、平易な本でも、脳天を一撃されるような本は多数あります。

そこで、このカテゴリーは「読書のススメ」なのです。
僕にとってもわけのわからない、理解しがたいけれどおもしろい本を紹介する記事を並べていきたいと思います。
更新速度は例によってかなり遅いでしょうが、まあ、本を読むときの、選ぶときの参考になれば、と思っています。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« エイリアンVSプレデター(V) | トップ | SAW3(V) »

コメントを投稿

読書のススメ」カテゴリの最新記事