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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

ジュラシックパーク3

2009-01-15 07:33:07 | 映画(さ)
評価点:35点/2001年/アメリカ

監督:ジョー・ジョンストン

シリーズの良さが皆無。

男の子が無人島に家族と遊びに行って、行方不明になる。
大騒ぎにならなかったのは、その無人島がなんと恐竜の住むジュラシックパークの「恐竜作成」の工場だったからだ。
両親はジュラシックパークに行ったことがある男に救出を頼みにいくが…。

このタイトルはおそらく誰でも知っているだろう。
人気シリーズの超大作である三作目である。
しかし、この作品は非常に完成度が低い。

▼以下はネタバレあり▼

その理由は二つある。
テーマ性の欠如と設定の不備である。

そもそもこのシリーズのすごいところは、ハリウッド映画に似つかわしくない重たいテーマ性だった。
紋切り型といえばそれまでだが、それでもある種の矛盾を描こうとしていた。
即ち、恐竜の復活への憧れと、再生への警鐘である。

しかし今作は全くそれがない。
恐竜は単なる「敵」でしかないのである。
サム・ニールが恐竜を大量生産しようとしていた裏側に触れたとき、「神に反する行為だ」みたいな台詞を発するが、それだけであり、またその言い方も「お決まりだから入れた」という製作者の意図が見え隠れする。

二つ目の設定の不備は致命的である。
お金のために主人公サム・ニールがサイトBに向かう。
適当な理由でサイトBへの飛行が許可される。
普通の少年が半年間も島で生きている。
二秒の電話で救出隊が来る。
などがその主な部分だ。

これらの設定にはどうしても納得できない。
僕には、島に行く理由を無理やり作った印象しかもてない。
とりあえずジュラシック・パークの続編を作らなければいけないというユニバーサル側の声が聞こえてきそうだった。
物語が全然迷っていない。
登場人物が思考していない。
ストーリーが製作者側から離れていないのだ。
たとえるなら、いつまでも人間入り人形にこだわるゴジラ製作委員会のようだ。

また登場人物が恐竜を「敵」としてしか見ていない事にも腹が立つ。
死んでしまった恐竜に対して、畏怖の念が全くない。
確かに「Ⅱ」で、全世界に存在が公開された、ということもあるだろう。
しかしそれでもあまりに酷い。
「エイリアン」と変わらない扱いだ。

まあ、コメディとしてなら、まだ楽しめる部分が残されているかもしれない。

物語として首を傾げるシーンが多すぎた。
クソ映画と称してもいいと思う。
マイクル・クライトンに原作を頼めばよかったのに。
四作目は作らないほうがいいとおもう。

(2002/03/13執筆)

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