★ネタバレなし★
雑誌で佐藤優が読書案内をしていたので、ほとんど手に取ったことがなかったが、買ってみた。
もう一つの理由は、最近いろいろなところで目にするようになった「反知性主義」について知っておきたかったからだ。
残念ながら、本家の森本あんりのほうはまだ読んでいない。
佐藤優が言うには、アメリカと日本の「反知性主義」は違うそうだから。
クリミア半島、安倍内閣、IS(「イスラム国」)など、様々な問題を切り取りながら、日本がいかに「反知性主義」の熱に冒されつつあるかを説く。
また、それを克服するためにどうすればいいのかを語っている。
私のイメージでは、もう少し体系的でシステマティックな「知性」に関する本だと思っていたが、どちらかというと時事問題に対するパースペクティヴ(展望)を与える本だった。
ただ、その読書量は膨大で、生きる引用の産物のようにさえ思う。
あんな本も、こんな本も、さまざまなジャンルを読むことが、結局「知性」の土台を築いていくのだろう。
その上で、自分の思考を深めているため、説得力がある。
さまざまな書籍が紹介されていることもあり、すべてを読むことはできなくても、良い刺激になる。
インターネットやスマートフォンが普及している時代で、本を読んでいる人は電車の中でもめっきり見かけなくなった。
大人でも読んでいる本は、漫画か、宗教関係の本ばかりのような気がする。
(私の悪癖は、人が読んでいる本を一瞬だけ盗み見てこっそり当てることなのだが)
だからこそ、これからは、本を虚心坦懐に読む、人より読むことが生き残る上で必要なのかも知れない。
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