評価点:68点/2012年/アメリカ/144分
監督:ジョス・ウィードン
よく出来てはいる。けれども、面白くはない。
宇宙のかなた、アスガルドの国のロキ(トム・ヒドルストン)は奪われた無限の力を引き出すというキューブを地球から取り戻すために、地球に降り立った。
彼はキューブを盗み出し、シールドのエージェント、ホークアイ(ジェレミー・レナー)の心を奪い裏切らせてしまう。
この緊急事態に、シールドの長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)はひそかに勧めていたアベンジャーズ計画を実行に移す。
第二次世界大戦中にガンマ派を浴びて肉体改造に成功したキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)は70年もの眠りから覚め、その計画に携わっていた科学者バナー()をインドから呼び寄せる。
大企業のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)も計画に加わり、いよいよ宇宙戦争に備えが整い始めたと思われたそのとき……。
「アイアンマン」からの壮大な計画が、まさに実行された。
一人ひとりが一つの映画の主演を張れる、そういうキャストが集まり、夢の競演を果たしたのだ。
それが「アベンジャーズ」という映画である。
ん? まだピンと来ない?
たとえるなら、歴代仮面ライダーと、ウルトラマン、ゴジラ、ゴレンジャーが同じ映画で大暴れするという夢の映画なのだ。
あれ? それでもまだ?
……それはともかく、ありえないくらい豪華なキャスティングとなった。
ロバート・ダウニー・Jrに、スカーレット・ヨハンソン、サミュエルに、ジェレミー・レナー。
まあ、あとはどうでもいいのだが、とにかく素晴らしいキャスティングとなった。
しかもそのほとんどがそれまで主演を張っていたメンバーがそのまま出演している。
「日本よ、これが映画だ!」と一年近く前から予告されていたように、期待大の超大作である。
3D映画でもあり、これでもか、というくらい豪華な作品である。
これはもう映画館で見に行くしかあるまい。
ちなみに、敵であるロキが登場する「マイティ・ソー」は見に行く前に予習していたほうがよいだろう。
それ以外は、まあ、興味があれば程度でいいのではないだろうか。
もちろん、過去の作品を見ているほうがより楽しめることは間違いないのだが。
▼以下はネタバレあり▼
「ハルク」、「キャプテン・アメリカ」は残念ながら見ていない。
「アイアンマン」、「アイアンマン2」、「マイティ・ソー」は見ている。
だから、細かい設定や誰がどの作品でどのように絡んでいるかまではわからない。
予備知識が問われるほど話が複雑なものではないが、「マイティ・ソー」を見ていたので敵側のロキの思惑などはわかりやすかった。
よくも悪くも予想通りの出来だった。
この映画の最大の目的は、ヒーローの多国籍軍をいかに無理なく、公平に見せるかである。
夢の競演こそがこの映画の目的であり、それ以上の野心は特にない。
まさに「お祭り」なのだ。
その意味では狙ったとおりのシナリオになっている。
すべてのヒーローに見せ場があり、すべてのヒーローにエピソードがある。
全員が必要だと思える筋になっていて、それは本当に見事だ。
ハルクだけが、キャプテン・アメリカだけが、トニースタークだけが、ということは全くない。
それまで単独で映画化されていなかったブラック・ウィドゥ、ホークアイにしても存在感抜群である。
だから、どのヒーローのファンでも、きちんと楽しめる映画になっている。
それぞれのヒーローの個性を生かしながらも、きちんとまとめる監督の手腕に間違いない。
だが、それまでだ。
この映画が「どうしても多国籍軍にするべきテーマ」を持っているとは到底思えない。
そもそも、ソーの国のものであったキューブが問題だったのだから、ソーががんばればいいじゃん、と思えて仕方がない。
後半の見せ場につなげるために前半さまざまなやりとりがヒーローどうしで繰り広げられるが、どうしても小さい。
話が小さいし、スケールも小さい。
しかも、襲われるのは我らがニューヨークという街だけ。
世界的規模で起こった戦争という印象を受けないのだ。
アメリカが勝手に起こした「内紛」を拡大解釈して「戦争」と称しているとしか映らない。
確かに映像は素晴らしいが、それはそれ。
3D映像に酔いしれるほど、3Dの見せ方が洗練されいているわけでもない。
この時期に、このメンバーで撮らなければならなかったテーマがあまりにもない。
だから、楽しいけれど、重みも余韻もなにもない。
数年後、「ああ、そういう企画ものの映画もあったよね」程度にしか思い出せないだろう。
キャスティングがすごい、といってもそれはハリウッド界での話。
多国籍軍を装うには、あまりにも「内輪」だけである。
だから、すべてはハリウッドのため、アメリカのため、というすごくスケールの小さい話に見えてしまう。
「アメージング・スパイダーマン」や「ダークナイト ライジング」のように民衆からの視点という位相もないので、ロキたちに怖さもない。
ヒーローがそろうべき必然性=絶望感が足りない。
結局は、ヒーローをそろえた、という以上にこの物語にテーマ性がない。
だから重みもないし、「熱さ」が足りない。
いや、そもそも、僕(たち)はこの「アベンジャーズ」よりも前に「ダークナイト ライジング」を経験してしまっている。
ヒーローとはどうあるべきなのか、という壮絶なメッセージを受け取った後の「アベンジャーズ」ではどうしても霞んでしまう。
監督:ジョス・ウィードン
よく出来てはいる。けれども、面白くはない。
宇宙のかなた、アスガルドの国のロキ(トム・ヒドルストン)は奪われた無限の力を引き出すというキューブを地球から取り戻すために、地球に降り立った。
彼はキューブを盗み出し、シールドのエージェント、ホークアイ(ジェレミー・レナー)の心を奪い裏切らせてしまう。
この緊急事態に、シールドの長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)はひそかに勧めていたアベンジャーズ計画を実行に移す。
第二次世界大戦中にガンマ派を浴びて肉体改造に成功したキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)は70年もの眠りから覚め、その計画に携わっていた科学者バナー()をインドから呼び寄せる。
大企業のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)も計画に加わり、いよいよ宇宙戦争に備えが整い始めたと思われたそのとき……。
「アイアンマン」からの壮大な計画が、まさに実行された。
一人ひとりが一つの映画の主演を張れる、そういうキャストが集まり、夢の競演を果たしたのだ。
それが「アベンジャーズ」という映画である。
ん? まだピンと来ない?
たとえるなら、歴代仮面ライダーと、ウルトラマン、ゴジラ、ゴレンジャーが同じ映画で大暴れするという夢の映画なのだ。
あれ? それでもまだ?
……それはともかく、ありえないくらい豪華なキャスティングとなった。
ロバート・ダウニー・Jrに、スカーレット・ヨハンソン、サミュエルに、ジェレミー・レナー。
まあ、あとはどうでもいいのだが、とにかく素晴らしいキャスティングとなった。
しかもそのほとんどがそれまで主演を張っていたメンバーがそのまま出演している。
「日本よ、これが映画だ!」と一年近く前から予告されていたように、期待大の超大作である。
3D映画でもあり、これでもか、というくらい豪華な作品である。
これはもう映画館で見に行くしかあるまい。
ちなみに、敵であるロキが登場する「マイティ・ソー」は見に行く前に予習していたほうがよいだろう。
それ以外は、まあ、興味があれば程度でいいのではないだろうか。
もちろん、過去の作品を見ているほうがより楽しめることは間違いないのだが。
▼以下はネタバレあり▼
「ハルク」、「キャプテン・アメリカ」は残念ながら見ていない。
「アイアンマン」、「アイアンマン2」、「マイティ・ソー」は見ている。
だから、細かい設定や誰がどの作品でどのように絡んでいるかまではわからない。
予備知識が問われるほど話が複雑なものではないが、「マイティ・ソー」を見ていたので敵側のロキの思惑などはわかりやすかった。
よくも悪くも予想通りの出来だった。
この映画の最大の目的は、ヒーローの多国籍軍をいかに無理なく、公平に見せるかである。
夢の競演こそがこの映画の目的であり、それ以上の野心は特にない。
まさに「お祭り」なのだ。
その意味では狙ったとおりのシナリオになっている。
すべてのヒーローに見せ場があり、すべてのヒーローにエピソードがある。
全員が必要だと思える筋になっていて、それは本当に見事だ。
ハルクだけが、キャプテン・アメリカだけが、トニースタークだけが、ということは全くない。
それまで単独で映画化されていなかったブラック・ウィドゥ、ホークアイにしても存在感抜群である。
だから、どのヒーローのファンでも、きちんと楽しめる映画になっている。
それぞれのヒーローの個性を生かしながらも、きちんとまとめる監督の手腕に間違いない。
だが、それまでだ。
この映画が「どうしても多国籍軍にするべきテーマ」を持っているとは到底思えない。
そもそも、ソーの国のものであったキューブが問題だったのだから、ソーががんばればいいじゃん、と思えて仕方がない。
後半の見せ場につなげるために前半さまざまなやりとりがヒーローどうしで繰り広げられるが、どうしても小さい。
話が小さいし、スケールも小さい。
しかも、襲われるのは我らがニューヨークという街だけ。
世界的規模で起こった戦争という印象を受けないのだ。
アメリカが勝手に起こした「内紛」を拡大解釈して「戦争」と称しているとしか映らない。
確かに映像は素晴らしいが、それはそれ。
3D映像に酔いしれるほど、3Dの見せ方が洗練されいているわけでもない。
この時期に、このメンバーで撮らなければならなかったテーマがあまりにもない。
だから、楽しいけれど、重みも余韻もなにもない。
数年後、「ああ、そういう企画ものの映画もあったよね」程度にしか思い出せないだろう。
キャスティングがすごい、といってもそれはハリウッド界での話。
多国籍軍を装うには、あまりにも「内輪」だけである。
だから、すべてはハリウッドのため、アメリカのため、というすごくスケールの小さい話に見えてしまう。
「アメージング・スパイダーマン」や「ダークナイト ライジング」のように民衆からの視点という位相もないので、ロキたちに怖さもない。
ヒーローがそろうべき必然性=絶望感が足りない。
結局は、ヒーローをそろえた、という以上にこの物語にテーマ性がない。
だから重みもないし、「熱さ」が足りない。
いや、そもそも、僕(たち)はこの「アベンジャーズ」よりも前に「ダークナイト ライジング」を経験してしまっている。
ヒーローとはどうあるべきなのか、という壮絶なメッセージを受け取った後の「アベンジャーズ」ではどうしても霞んでしまう。
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