外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

長い旅の終わりと帰国ブルー

2011-07-09 17:57:25 | 日記
花壇で眠りこける江の島の猫。


5月の半ばに日本に帰ってきた。
イタリア留学のため、日本を出発したのは2003年の春だった。その後イタリアからシリアへ引越し、さらにトルコ、エジプト、パレスチナなどの中東諸国をうろうろしてからの帰国なので、実に8年の間海外で暮らしていたことになる。8年というと、留学期間としてはかなり長いほうだ思われる。人一倍のんびり屋さんなので、なにをするにも時間がかかるたちなのだ。

帰国して間もない頃は、家族や友人たちに再会し、納豆ご飯やとうふを食べ、ビールや芋焼酎を飲み、ちょいと国内観光をしたりしてご機嫌だったが、むろん楽しいことばかりではなかった。なにしろ長い間留守にしていたので、日本の習慣とか常識とかが、脳みそからぽろりぽろりと零れ落ちてしまっていたようで、なかなか馴染めないのだ。ついつい外国人のような視点で日本の物事を見てしまい、その結果、外国人のように戸惑ったり、あせったり、途方にくれてしまうことが少なくない。外国人の視点で日本を見直す、それ自体は別に悪いことではない気がするが、やはり文化ギャップというか、独特のストレスがあるのだ。

かなしい気分になったときは、私は夜中に冷蔵庫の扉を開けてたたずみ、中味をじっと眺める。冷蔵庫はひんやりと涼しいし、中にいろいろな食品が入っているので、見ていて退屈しないのだ。納豆、豆腐、うどん玉、めんつゆ、オクラ、卵、マヨネーズ、トマト、キュウリ…あとは発泡酒と缶チューハばかりで、たいしたものは入っていない。冷蔵庫を開け放していると、電気代もかかるし、中のものも傷むらしい。かなしさ倍増である。
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