外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

トイレットペーパーがなくても

2020-03-05 18:20:06 | 新型コロナウイルス

 

 

スーパーでトイレットペーパーを見かけなくなってから数日経つ。新型コロナウイルス(愛称コロニャちゃん←勝手につけた)に関連したデマが原因で在庫はあるということだが、そのわりには、なかなか平常状態には戻らないのだな・・・そろそろ戻りつつあるのかな?

 

私には普段消耗品の買い置きをする習慣がないのだが、たまたま新しく買い込んだ直後にこの状態になったので、幸い今のところ問題はない。

 

しかし、考えてみれば、世界にはトイレットペーパーを使わずに水で流して済ます地域がけっこう多いので、最終的には水さえあればなんとかなるのではなかろうか。(これ以降、あまり食事中に読むのに適さない話になるので、ご注意ください)

 

日本では欧州諸国等と同様水洗トイレが一般的で、ペーパーは使用後に流せるが、ソウルに旅行した時は、トイレは水洗だがペーパーは流せず、備え付けのカゴに入れるのが決まりだった。ヨルダンでも、ペーパーが流せるところと流せないところがあった。インドネシアを旅した時も、ペーパーレスのトイレに遭遇したことがある。東南・南アジアでは、ペーパーレスのトイレが一般的なのではないかと推測する(高級ホテルや空港等を除いて)。

 

ネットで見かけたタイのトイレ。ファラオ風

画像

 

中東のアラブ諸国の空港などでは、水洗トイレの脇におしりを洗うためのシャワーホースが設置され、さらにトイレットペーパーとそれを入れるためのカゴが用意されていることが多い。水シャワーでお尻をすっきりさせた後に紙で拭いて乾かせるので、私はこのタイプのトイレが好きだ。しかし、紙がなくて水だけで済ます地域も多いと思われる。

 

アブダビ空港のトイレ

 

かつてアラビア語を学ぶためダマスカスに私費留学した時、旧市街のキリスト教徒の多いバーブ・トゥーマ地区の民家に下宿したのだが、そこのトイレはしゃがんで用を足す和式タイプで、水洗ではなく桶に汲んだ水で手動で流していた。そして、トイレットペーパー代わりに新聞を四角く切ったものがカゴに入れて用意されていた。紙を便器に流すと詰まるので、別のカゴに捨て、それを大家さんが適宜まとめてゴミに出すのだ。最初にこの新聞ペーパーを見た時は笑ってしまったが、すぐに慣れた。おしりが痛くなることもなく、特に支障がなかったからだ。バーブ・トゥーマのシリア人の大家さんたちは、がめつい人が多いという評判で、うちの大家さん(年配の女性で精神疾患のある妹と2人暮らし)もご多分にもれず、世知辛い人だったので、トイレットペーパー代をケチっていたのだろう。その後に引っ越した家では、普通にトイレットペーパーが置いてあった。やはり流せなかったが。さらにその後に引っ越して一人暮らししたアパートでは、ペーパーは流せた。

 

このバーブ・シャルキー(東門)の近くに下宿していた。(ネットから借りた写真)

 

シリアの田舎の方を旅した時に(どこだったかもう覚えていない)、成り行きで民家に泊めてもらったことがあるが、案の定ペーパーはなく、桶に水を溜めて流す方式だった。トイレから出たら、そこの家の人が石鹸と水桶とタオルを持ってきてくれて、手を洗わせてくれた。石鹸で手を泡だらけにしてから、そこに水を注いでもらってすすぎ、タオルを渡されて乾かすという流れだ。アンマンのシリア難民の家庭を訪問した時も、ペーパーのないトイレに遭遇したことがあった。もしかしたら、生活費削減のためかもしれないが。

 

水圧の強いシャワーでなくて、桶に溜めた水でおしりを洗う場合、手を使わないと汚れは完全には取れない。大の時はもちろんだが、小の方でも、水だけだとアンモニア臭が残る。アラブ諸国のペーパーレス・水シャワーなしのトイレでは、左手を使って処理しているのだろう。左手は「不浄な手」なのだ。かつてイエメンの友人の知人宅で食事をご馳走になった時、左手を使わずに食べなさいと言われたのは、そういうことなのだと思う。

 

しかし、日本人としては、トイレで手を使うのには抵抗があるので、シリアなどでペーパーのないトイレに行く可能性が想定される場合は、かばんにペーパーを持ち歩き、使用後はナイロン袋に入れて持ち帰るようにしていた。使用後のペーパーをカバンに入れるのも最初は抵抗があったが、心を無にするよう努め、あまり気にしないようにした。精神修養の一環だと思えばいいのだ。

 

そんなわけで、トイレットペーパーがなくても、生活には大きな支障はないはずなのだ。でも、やっぱり手でおしりを洗うのはいやだから、なるべく早くこの騒ぎが終わってほしいな・・・

 

お口直しに、イスタンブールの猫をどうぞ~以前載せた分ですが、かわいいから再掲

 

(終わり)

 

 

 

 

 

コメント (2)
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