Melon人の物語

タイトルは、塩野七生さんの「ローマ人の物語」をもじりました。興味あることを素材に記録していきます。よろしくー、です。

書籍「生物と無生物のあいだ」by福岡伸一

2008-01-06 | 映画・読書
最近、本を良く読むようになりました。あいかわらず読み始めてもすぐに眠くなってしまうのですが。

特に最近感動した本の紹介を。
つい昨晩読み終わったばかりですが、「生物と無生物のあいだ」という、生命とは何か?について語った本です。本屋さんではベストセラー・コーナーにありましたから結構有名なんですよね。確かめざましTVでもながらくランキングで紹介されつづけていたような。

そんな人気のある本ですので、内容的も面白く、なるほど、そうだったんだとうならされ続けました。結果、生命の不思議さだけが強調される結末なんですがその過程で人類がしてきた発見の歴史を面白く読むことができ、確かに小説としても評判が良いのがうなずけます。

個人的には筆者にはもっとウィルスのはなしをして欲しかったので、続編でも出してそちらで話を続けてほしいと思います。

さて、この本はあくまでも生命の起源を解明するものではないので当然ですが、「なぜ」生命はこれほど複雑なシステムなのか、という疑問が湧いてきます。それは筆者が専門とする(?かどうかはよくわかりませんが)分子生物学の範疇ではないと思いますが、そちらに関しても面白い文章ができるのではないでしょうか。また、細胞レベルまでいくと思い出すのが「パラサイト・イブ」という小説の悪役「ミトコンドリア」。純粋なミステリーとしては後者の小説は圧倒的に面白いですが、そんなミステリーの要素なしでもこの「生物と無生物のあいだ」で書かれる生命とは?という命題は・・・ミステリー小説として出来上がっています。まあ、解明されないのでミステリー小説ではないですけど。

個人的にはこの本で最後のほうで書かれる筆者の研究チームの仮説が打ち砕かれるシーンが最高潮に面白いと感じました。いえ、他人の失敗が面白い、というわけではなく、そこにこそ生命の不思議さが宿っている、という現実が面白い、ということです。


別にいいじゃん、とは思うんですが。

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