3年ぶりに岸田首相は、中国の習近平国家主席と会談した。
会談内容よりも注目しているのは、冒頭に握手する二人の様子だ。
岸田首相にはやっと会えたという安堵感が漂い、習主席には無理に作ったような笑い。
両者とも、表面的にでも友好ムードを演出する必要があったのだろう。
習近平は、世界各地に広がる「嫌中観」を和らげたいという気持ち。
米国は概して中国が好きだった。
しかし2015年くらいからじわり警戒感が広がり、トランプ大統領になって明確に覇権相手と見るようになった。
バイデンもそれを引き継いでいる。
韓国も中国による属国扱いに辟易している。
韓国人の8割が「中国が嫌い」となっている。
日本の立場は複雑だ。
感情的には嫌いだが、貿易額は輸入も輸出も中国が第一位だ。
ここは「商売」も考えなければならない。
中国にとっても同じ気持ちだろう。
反プーチンのヨーロッパは、プーチンと仲良くする習近平を警戒する。
中国とヨーロッパを繋げようとした「一帯一路」は、いまや宙ぶらりんだ。
その空気を読んだのか、習近平もじわりプーチン離れ。「核使用」に反対した。
中国の経済成長の鈍化が目立つ。
ゼロコロナ政策は、はっきり言ってやりすぎ。
しかも不動産関連指標は軒並み大幅な落ち込み。
ところが習近平政権は経済に強かった共青団グループを排除したため、新しい最高指導部メンバー7人は、全員が党務官僚出身。
目新しい政策もなくせいぜい現状維持が精いっぱいだ。
以上みてきたとおり習近平政権の3期目船出は波高い。
日本とは波を荒立てたくない。無理にでも笑顔を作って友好関係を演出したのだろう。
日本にとっては「好都合」と見たほうが良い。