MVCメディカルベンチャー会議

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第7回MVC特別セミナー

2010年07月24日 | 医療経営塾
医療経営について学ぶため、渡邉美和子氏(聖蹟会サピアタワークリニック 東京ステーションメディカルセンターセンター長)を講師にお招きして、「保険診療を補う仕組みとしての自費診療の在り方」をテーマにお話いただきました。


① 私は一般家庭に生まれ、理想を持ち医学部に入学しました。大学病院での研修医時代には、医者が自分を犠牲に勤務しているタフな環境に驚きました。それにも関わらず、患者様からの不満は無くなりません。私は、これはシステムに問題があるのではないか、だからそこに関わる仕事がしたいと思い、基礎研修終了後は民間の医療研究機関へ就職しました。そこでの医療事業への参画などを通じて自費診療の仕組みを知り、その在り方について追及していきました。

② 現在日本では、医師が14~5万人不足しているとも言われています。保険診療では3時間待ちの3分診療というのが止むを得ない現状です。日本の健康保険制度の特徴は、格差のない平等な医療(ある一面からは実は悪平等)、予防軽視、出来高制です。

③ そこで私が始めたのが顧問医というサービスです。世界に誇れる国民皆保険制度を補完するための自費診療として、第一線ではたらく専門医と患者をつなぐ役目を担います。3分診療中では誤解が生じる事が多い診療に対してフォローを行い、顧問医として最適な保険診療へ水先案内する役目を実践していきました。

④ 日本の医療システムは、基本的な医療は充実していますが、平等重視のため選択肢のなさ、QOLを軽視している点に問題があります。私は、貴重な医療資源を共有し続けるために啓発活動を行い、自費診療で補うべき予防医療の患者様をクライアントとして位置づけし、専門的な医療機関に紹介することもあります。

⑤ また診療とは別に、家庭医学書の出版に参加しました。仲間のドクターや出版社からは、「そこまでやる監修者は聞いたことがない」というくらい製作の実務に携わりました。全体設計、執筆専門医の選定と執筆依頼、目次や医学語解説、医学分野の専門的校正、受診のコツの作成などを担当しました。

⑥ マリーシアガーデンクリニック(バリのリゾートを思わせる癒しの空間)では、東京西新宿パークタワーで、ハイエンドなアンチエイジング医療を提供しました。治療する医療ではなく、病気にならない医療を目指し、最新の医学を駆使した信頼の医療サービスを提供しました。

⑦ そこでは、通常の病気に対しては保険診療、保険では適応にならない予防や相談については自費診療というように、両者をうまく使い分けて診療を行いました。総合診療として自費と保険を振り分ける業務に加えて、スタッフ教育にもかなり力を入れ、「ありがとう」の共有と、徹底した情報共有を意識したチーム医療を行いました。

⑧ 今後は、科学的な根拠を重視した医療に加えて、より患者さんのニーズを重視した医療など、患者様の快適性と安心を追及する医療が大切になってくると思います。

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