MVCメディカルベンチャー会議

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第81回MVC定例会in大阪

2009年11月22日 | MVC定例会
医療と情報産業について学ぶため、藤井裕之氏(ブレインフォース株式会社代表取締役)を講師にお招きして、「webを用いた医療コミュニケーションの可能性 Health2.0」をテーマにお話いただきました。

① 私は大学卒業後、三菱電機に勤務し、海外火力発電所の制御システムに関する業務に従事していました。その後、独立してブレインフォース株式会社を設立しました。システム開発、web開発、システムセキュリティ、web広告が4つの事業ドメインです。

② 医療コミュニケーションとは、医療従事者相互、医療従事者と患者、患者間における情報交流を指します。欧米ではhealth communicationと呼ばれ、大学にも講座が開設されて、学問として研究が行われている領域です。

③ 米国ではHealth2.0という概念が普及し始めています。Consumer-driven Healthcareを指す概念で、消費者にできるだけ多くの情報を与えることで、医療の質の改善をしよう、という試みです。

④ 具体的には、医療サービスの価値(結果と価格)に焦点を合わせ、医療サービスの全サイクルにおける医療品質の向上競争を行うというのがHealth2.0の内容です。

⑤ Health2.0の代表例がCarolというサイトで、これは消費者に医療サービスの比較・選択・購買までをイワンストップで提供するサービスです。各医療機関より治療サービス毎にパッケージ化した「ケア・パッケージ」の出品を募っています。これは透明性の確保と医療機関同士の連携の可能性という2つの特徴を持っています。また収益向上のモチベーションを医療機関側に惹起することができます。

⑥ Health2.0で最も有名なのはGoogle Healthというサイトで、これは自分の医療情報を一元管理できるというのが特徴です。将来的には診察予約や処方箋の発行依頼にも対応するようです。自らが生涯で受診した全ての医療データはそれぞれの医療機関に分散して保存されているのが現状ですが、これを一元的に保存して検索表示できるようになりそうです。

⑦ イスラエルではiMedixという医療関連情報の検索エンジンが注目を集めています。ユーザによる評価が行われ、「ネット上の医療情報をみんなで整理・精査して行く」というsocial searchという次世代検索機能が特徴です。

⑧ 検索エンジンには二つの方向性があり、Googleのように人工知能を組み込むというものと、social searchのようにユーザのコメントを加味して、結論として大多数の人が求めている情報を含んだサイトを上位に表示するというものがあります。

⑨ MyFamilyHealthというイギリスのサイトは、遺伝子医療の専門化チームが、家系図からその家族に存在する遺伝的リスクを分析評価するというものです。

⑩ 米国では医療情報の個人管理が始まっています。無作為抽出した回答者の30%が「あなたは自分の健康情報を自分で管理していますか?」という問いにYesと答えたという調査もあります。Personal Health Recordの利用者は全米で300万人いるとも言われており、ネット上での健康情報管理は今後も利用者をどんどん増やしていくことが予想されます。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
第81回MVC定例会お疲れさまでした。 (北端秀行 F・P管財)
2009-11-24 00:45:19
F・P管財の北端秀行です。
第81回MVC定例会お疲れさまでした。

有意義な時間を過ごさせて頂きました。
ありがとうございました。
次回も宜しくお願いいたします。

http://ameblo.jp/fpkanzaikitabata/
 
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