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遺言がない相続とBeaujolais Nouveau

2015-11-20 11:37:16 | 実務の現場

お疲れ様です、森本です

昨夜は、お客様のお宅に御呼ばれして、ボジョレー・ヌーボーを味わってまいりました

と言っても、森本はお酒はほとんど飲めないので、ほんのちょっぴり。

あっさりしていて、飲みやすかったです。

こちらのお客様は、今年、相続登記をさせて頂いたのですが、子供のいない配偶者の相続でした。

ですから相続人は、この方(妻)と被相続人(夫)の姉妹の方々でした。

司法書士や税理士さん、弁護士さんから見たら、それほどドロドロに揉めた、という訳ではなかったのですが、

それでもやはり、ご主人を亡くされたばかりの奥様が、ご主人の姉妹の方たちといろいろ話し合いをしなければならなかったのは、大変だったようです。

こちらの奥様はキャリアウーマンでいらっしゃったので、向こうの要求を飲んだり、うまくかわしたり、ぱきぱきできた方だと思います。

来週、お義姉さんたちに会う~、という時も、

「仕事だと思えばいいのよね。私、仕事だと思って行って来る!!!」

とおっしゃって、

森本も、

「そうですね、”わたくし女優になる!”って感じで行って来て下さい」

と励ましつつ(?)、何とか乗り切って頂きました。

これこそ、旦那さんが遺言を書いておいて頂いたら、いらぬ苦労をせずに済んだケースなのですが

(兄弟姉妹は遺留分がないので、奥さんに全部やるっていう遺言があったら兄弟姉妹は相続できない)

何も、奥さんに全部やる、っていう遺言でなくても良いんですよね、奥さんにこれだけ、姉と妹にはこれだけ、とか書いておいてくれれば、

法定相続分渡しても、本当はもっと財産があるんじゃないかなどともっと欲しがられたり、

お父さんの相続のとき、私は何にももらわなかった、などと関係ないことを持ち出されて話が進まなかったり、ということが

ある程度回避できたはずです。

でも、日本ではまだまだ遺言を残すことが一般的ではないみたいで、

遺言を書いて、と配偶者に頼むのも頼みづらい、という雰囲気があるようです。

このお客様は、自分と同じように子供のいないご友人が多く、自分の相続の話をしたら、みんな人ごとではない、とすごい怖がった、と言っていましたが、

「やっぱり、かなり気の強い友達でも、旦那さんに遺言書いて、って言えない~、って言ってたわ~」

と、昨夜話しておられました。

でも、黙って待ってたって、男なんて遺言残してくれないですよ、男なんて、ほーんと、自分が何かしてもらうことしか考えてなくて、奥さんが相続でどんだけ苦労するかなんて、これっぽちも想像しないんだから。

ほんと、ほんと、飲み会なんかで自分を尊敬してもらいたくて、安保法案が、アベノミクスがどうのこうのとか語っているくせに、遺言をちょっと残すという自分の家庭のリスク管理でさえもできないんだから。

などと女二人で盛り上がった夜は更けていったのでした。(どっちがどっちの発言か、あえて伏せる

と言うことで、遺言は残した方が絶対いいよ~というお話でした~

それでは皆さん、良い連休をお過ごし下さい~

 


オンラインで供託申請(ご無沙汰しております)

2015-11-11 15:09:39 | 実務の現場

皆様、ご無沙汰しております。

今年の1月に、突然引越し後のブログ記事が消滅してしまい()、すっかり心が折れてしまい、更新を止めてしまっておりました・・・

ところが、先月、事務所に遊びに来てくれた学生時代の友達に、

「ブログを久しぶりに見たら、全然更新されていないから、あやのちゃんの事務所、大丈夫なのかな、と思っちゃった」

と言われ、それはいけないと反省し、ブログを再開しようと思い立ちました。

そして、色々操作したら、昔の過去記事をいくつか(全部ではない・・・)掘り起して、再アップすることができました。

(とは言え、ブログ再開にあたり、IDやパスワードも忘れてしまっていて、もたもたしちゃいました

皆様、またお読みいただけたら幸いです。

さてさて、久しぶりのブログネタは、渉外案件ではなく、先日申請したオンライン供託を、備忘録的に書いてみようと思います。

地方の法務局に供託する必要が出てきたので、オンラインで供託したいが、オンラインで供託したことがない!

オンライン申請書開いてみたけど、納付とかどうするの!?

ということでちょっともたついた、というお話です。

**********************************

供託の手順としては、

 

1.オンライン供託書を作成、申請

2.委任状など添付書類原本を、申請から3日以内に法務局に届くように送付(その際、受付番号を記載してもらうとありがたい、と法務局の方)

3.書類を受領すると、法務局が供託金を電子納付できるようにしてくれる

4.供託

5.わりとすぐ電子供託書正本が発行される

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この際、申請時から供託するまで1-2日のタイムラグが出てしまいますが、利息などは、申請日時点での計算した額で良いそうです。

電子供託書正本のほかに、みなし供託書正本が必要な場合、書類の原本を送付する際、返信用の封筒を入れておけば大丈夫です!

と言うことで、やってみれば意外に簡単、オンライン供託のお話でした

ではでは、また~

 

 


氏名の更生登記(Davidさんの名前のお話)

2014-12-08 12:04:27 | 実務の現場

皆様、週末は如何お過ごしでしたか?

森本は、一緒にお食事したオーストラリア人とカナダ人の方が、

「Dameyo~,Dame-Dame!! (ダメよ~、ダメダメ!)」

と、一晩中ずーっと言っていて、流行語は外人にまで・・・と思った週末でした。

他のお客さんも、外人さんが、ダメよ~って言ってる~と微笑ましい顔をして下さるものだから、

調子に乗るのです。(無視してやって下さい)

***********

さて、先日名前を通称名から更生登記入れた件で、思い出した話を書いてみようと思います。

それは森本が駆け出しの頃・・・・とは言いませんが、開業して5、6年は経った頃のお話なのですが、

その頃には、結構渉外のお仕事を手掛けていました。

あるとき、外国会社の営業所の設置のご依頼を頂いて、登記は問題なく完了したのですが、

出来上がった謄本を見て、日本における代表者(日本人)の方が、言い出したのが、

「取締役の「ディヴィッド(David)」氏の名前は、「デイヴィッド」の方が正しいと思うので、直したいと存じます」

え、え~・・・・正直、「どっちでもいいじゃん」とも思ったのですが

(スタッフも、「えー、小さい「ィ」から大きい「イ」にわざわざ直すために更生入れるんですか?」と言っていました。。。)

お客様の希望では仕方ないですよね・・・ということで、更生登記を入れて、「デイヴィッド」と大きい「イ」に直したことがありました。

「錯誤を証する書面」には、翻訳の間違いで・・・などと書いたような気がします。

更生登記の登録免許税は、なんとなく当方が悪いような気がして、うちの事務所で持ちました。

通常、外国会社の営業所の登記には、AFFIDAVIT(宣誓供述書)を作成して、登記をするのですが、

このこと以来、AFFIDAVITの翻訳(日本語)も、必ずお客様に目を通して頂くようになりました。

たとえ、お客様(と言うかメールなどのやり取りをしている人の中に)に、日本語を分かっている人がいなさそうでも、必ず翻訳をつけています。

ですから、日常で、少しでも日本語のニオイをさせた人(笑)、例えば「コニチハ」とか、食事のあと、お店の人に「ゴチソーサマデシタ」とか言う人には、

指定して確認してもらったりしています。

昨年も、以前日本に住んでいたドイツ人で、東日本大震災後、ドイツにお帰りになった方が、現在自分の勤めている会社が日本に子会社を作るから、と登記を依頼して下さったのですが、

取締役の氏名やドイツの地名など、いちいち確認してもらいました。

特に、ドイツの小さな町や通りの名前とか、カタカナでなんと表記するか、森本は自信がないものですから(一応音声翻訳を使うんですけどね)、

実は、この方とは、普段、英語でコミュニケーションを取っていたものですから、どれくらい日本語ができるか存じ上げなかったのですが、

「でもでも、奥さん日本人だし!日本にいたとき、幼稚園のPTAに出席してたって言ってたし!」ということで。

でも、地名については、「うーん、ボク、カタカナよく分からないんだよねー、これでいいんじゃない?」みたいな感じでした。

・・・まあ、日本語ができるかできないか、と言うより、こだわる人はこだわるし、こだわらない人はこだわらないんですよね・・・

それでも、翻訳は確認してもらった方が無難ですよー、というお話でした。

(確認してもらうの、普通じゃん!と言われるかもしれませんが・・・すみません、森本は5,6年目までおそらく確認してもらっていなかったようです)

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ところで、”David"さんは、カタカナにするとき、色々なversionがある名前ですよね。

上記のほかにも「デビッド」「ディビッド」などがあります。

"James"も、「ジェームズ」、「ジェイムズ」、「ジエームス」など、いろいろ見かけます。

以前、"Edmond"さんの印鑑証明書に、「エドムゥンド」とあり、新しいversionだわ・・・と思ったことがあります。

よく見かける名前でも、中々奥が深い?ですよね。

それでは皆様、今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。

楽しんで頂けたら幸いです。

1週間、頑張りましょう~ /


全ての日本における代表者退任につき、官報公告

2014-12-07 17:37:58 | 実務の現場

今日は、先日完了した、外国会社の全ての日本における代表者退任の登記について、

自戒をこめたお話。

外国会社の営業所の全ての代表者退任登記については、以前書きましたので、参考になさって下さい。)

**********

日本におけるすべての代表者が退任する旨の登記をする前に、官報で「全ての日本における代表者退任」の公告をして、債権者保護手続きをしなければなりません。

勿論、個別の債権者には各別の催告をします。

公告の文面としては、

*****

外国会社の全ての日本における代表者の退任公告

当社の全ての日本における代表者であるゲオルク・ヴィルヘルム・ヘーゲル(仮名)が退任することに対し異議のある債権者は、本公告掲載の翌日から一箇月以内にお申し出下さい。

平成二十六年六月三日

アメリカ合衆国デラウェア州*****、****ストリート123

日本における営業所 

東京都渋谷区恵比寿二丁目*番**号

(商号)ABCコーポレーション

      日本における代表者 ゲオルク・ヘーゲル(仮名)

******

などとします。

今までにも、森本としては、何十回も出したと言っていい公告です。

ところが・・・・皆さん、お気づきになりましたか?

森本、人生で初の公告ミスを犯したのです。

そう、本文中では、「ゲオルク・ヴィルヘルム・ヘーゲル」(仮名)となっている日本における代表者の名前が、最後の部分では、「ゲオルク・ヘーゲル」(仮名)と、ミドル・ネームがない体裁になっているのです!

勿論、ミドル・ネームがある「ゲオルク・ヴィルヘルム・ヘーゲル」(仮名)が、登記簿上に登記されている名前です。

恥ずかしながら、掲載誌が到着してから、このミスに気が付きました。

そこで、法務局に半泣きな気持ちで相談したところ、

「代表者の同一性が確認できるから、問題ない」

と言って頂き、無事登記を完了することができました。

そうは言っても、登記が完了するまで、気が気ではありませんでした。

もしかして、「問題ない」と言って下さった登記官の方が、突然死してしまい(失礼)、別の登記官に「やっぱりだめだ」と言われたらどうしよう、などとドキドキしました。

慣れているお仕事だからと言って、油断したのかもしれません。

自戒を込めて、アップさせて頂きました。

 


通称名を使用して登記、その後

2014-12-04 13:19:28 | 実務の現場

お疲れ様です、森本です。

1年ほど前に、「元日本人」だった方を代表取締役とする株式会社設立の登記をしたのですが、

そのことをふと思い出したので、書いてみようと思います。

その「元日本人」の方は、帰化をして、アメリカ国籍を取得されたのですが、日本で会社を作ることにしたのです。

ご存知の方も多いと思うのですが、日本人の方が帰化して外国籍を取得したら、もう国籍的には「日本人ではない」ので、

外国人の扱いになります。

印鑑証明書や住民票にも、

「森本綾乃」

ではなく

「AYANO MORIMOTO/MORIMOTO AYANO」(或いは「アヤノ・モリモト」とカタカナで)

と記載されますが、

「通称名」として漢字(おそらく帰化前に使用していた文字)の名前「森本綾乃」が記載されたりしています。

そして、司法書士の方ならご存知だと思うのですが、この「通称名」を使用して、登記することも可能です。

それで、今回の元日本人の方も、帰化前の漢字を使用した「通称名」(登記太郎(仮名))を使用して、代表取締役として登記をしたんですね。

ここまでは、全然問題なく、登記もすんなり完了したわけなのですが・・・

会社設立の登記が完了して、1か月ほど経過したある日、代表取締役の氏名の登記をカタカナにしたい、というお問い合わせを受けたのです。

どういうことかと言うと、会社設立登記後、銀行口座を開設しようとしたら、どこの銀行からも断られたそうなのです。

銀行は、どうして口座を開けないのか理由を教えてくれません。

ですが、ある日、この元日本人の方のお友達で、ある銀行に勤めている方がいらっしゃって、こっそり教えてくれた理由が、

会社の登記に代表取締役として使用している名前が、漢字だから、だそうなのです。

印鑑証明書や住民票に記載されている名前、「TOKI TARO」をカタカナに引き直したものだったらOKなのだそうです。

とは言っても、この方は、外国人が保有する「在留カード」にも、漢字の氏名を記載しているし、印鑑証明書や住民票にも「通称名」として漢字の名前がちゃんと記載されています。

だからこそ、会社の登記も何の問題もなく完了したんですものね。

つまり、「通称名」での登記がいけないのかもしれません。

それで、法務局に相談したところ、代表取締役の氏名を「登記太郎」から「トウキ・タロウ」とカタカナに引き直すには、やはり更生登記(登録免許税2万円)しか方法はないとのことでした。

そりゃあ、「変更」(登録免許税1万円)ではないですよね・・・変更していないんだし。

法務局の方も、銀行口座が開設できないと聞いて、驚いていました。

「それで・・・『更生を証する書面』には、何て書けば良いのでしょうか?」

と聞いたら、

「あぁ、なくていいですよ」

と法務局の方。

「なくてもいいんですか??」

「錯誤があったわけでもないし、書きようもないですから、委任状に更生前と更生後の氏名を書いて下さったら、いいです」

という訳で、「更生/錯誤を証する書面」のない更生登記を申請して、代表取締役の氏名をカタカナに引き直させて頂きました。

なんだか納得いかない・・・ような腑に落ちないような件でした。

(ブログには書けるな・・・と思いましたが。(笑) しかし、今まで書いていなかったし。)

ちなみに、氏名をカタカナに引き直した後の謄本を持って行ったら(勿論、更生の旨入っている)、銀行口座は開設できたそうです。

と言うことで、皆様も「元日本人」の方の会社設立登記はお気を付け下さい~というお話でした。

ではでは、あと2日頑張りましょうね~。