先日投稿した一般社団法人の設立登記は、無事完了しました~。
良かった、良かった♪
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さてさて、以前にもどこかで書いたかもしれませんが、この仕事をしていると、たまーに、外国人の方で、出生証明書と卒業証明書の生年月日が違ったり、パスポートの生年月日が違ったり、
と言うことを見かけたことがあります。
こういう時、例えば、ああ、この国では、役所がしっかりしていないのかな、とか、
田舎の方になると、出生の届出がおろそかになるのかな、とか
はたまた、そもそも「日付」が我々と違って、そんなに大事なことでは文化なのかもしれないな、などと勝手に想像しておりました。
息子が生まれたのは、何年何月何日、とかより、
「お前が生まれたのは、10年ぶりの大雪が降って、村の電気が全部止まった日じゃった・・・・」(日本昔話風に。)
みたいな感じで、日付より出来事で覚えるのかな、などと。
しかし、と言うか、やっぱり、と言うか、最近読んでいる本に、その謎(?)が少し解明されたようなことが書いてありましたので、ご紹介します。
その本は、皆さんもよくご存じの、先日ノーベル平和賞を受賞した、パキスタンの少女、マララちゃんの自伝、
今流行り(?)の"I Am Malala"(邦題『わたしはマララ』)です。
たまたま本屋でペーパーブックを見かけたので(日本語訳より安い)、購入してみました。
そこに、マララちゃんのおじいさんの話が出てくるのですが、マララちゃんたちパシュトゥーン人の男性は、従兄弟同士のライバル意識がすごく強いそうです。
マララちゃんのおじいさんも、自分の年上の従兄のことを、大変ライバル視していて、ある日、その従兄が教職の仕事を得ます。
ところが、その仕事を得たとき、その従兄は、マララちゃんのおじいさんより10歳も若く年齢を申告したそうなのです。
そこで、怒ったマララちゃんのおじいさんは、州の教育省のMinister のところへ出かけて行きます。(以下引用)
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Our peopole don't know their exact dates of birth-my mother, for example, does not know when she was born. We tend to remember years by events, like an earthquake.
But my grandfather knew that his cousin was actually much older than him. He was so angry that he made the daylong bus journey to Mingora to see the Swat minister of education.
"Sahib", he told him, "I have a cousin who is ten years older than me and you have certified him ten years younger"
So the minister said, "OK, Maulana, what shall I write down for you? Would you like to have been born in the year of the earthquake of Quetta?"
My grandfather agreed, so his new date of birth became 1935, making him much younger than his cousin.
(拙訳と言うか意訳:
私たちは、はっきりとは自分たちの誕生日を知りません。例えば、私の母は、自分がいつ生まれたのか知りません。私たちは、年月を地震などの出来事で覚えることが多いのです(森本:ほら、やっぱり!)
でも、祖父は、彼の従兄が、自分よりずっと年上だということを知っていました。腹を立てた彼は、バスで丸一日かけて、ミンゴラまで出かけて行き、スワート州の教育大臣(minister of education)に会いに行きました。
”大臣"、 祖父は訴えました。"私には、私より10歳も年上の従兄がおりますが、大臣は彼に、10歳も若い証明書をお出しになったのですよ!"
すると大臣は、「分かった、マウラーナ、それでは、私は、君には何と書いたら良いかな? クエッタの大地震の年に生まれたということで良いかな?"
祖父は同意して、それで彼の新しい誕生日は1935年になり、従兄より10歳若いことになりました。)
(註:"Sahib"は「大臣」という意味ではありません。)
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・・・って、そういうことかいっ!!!(驚)
そんなことで、誕生日変えられるわけ??(笑)
と電車の中で読みながら、心の中で大声で突っ込んでしまいました。
なるほどね~、Ministerが誕生日変えていい、って言うんだもんねー(笑)
そりゃあ生年月日がズレるわけだわ・・・
(そもそも、従兄さんがまず若く申告できることもスゴイ。)
と妙に事情が一部飲み込めた森本でした。
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本当に国や民族によって、文化や習慣っていろいろですよね。
本当の誕生日より、「あいつより俺の方が年下(或いは年上)だ」という事実の方が大切な文化/価値観もあるわけです。
渉外司法書士なら、今後もいろいろんな人と仕事をする上で多様な価値観に対応できる人間にならなければなーなどと思ったりしました。
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・・・などとキレイにまとめてみましたが、上記の訳は、森本のざっくりとした意訳ですので、出版されている日本語訳と比べて、「森本さんの訳間違ってる」などとツッコミしないで下さいネ!
ではでは今日もお読み頂いて、ありがとうございました~。