黒く染めた羽根付きの帽子。帽子本体はちょっと変わったプリントのフェルトです。そこに羽根を付けただけなのになにもアンティーク雑貨屋でなくてもとお思いでしょう。
羽根の根元に付けたシルバーの飾り。正体は部品が取れてしまったブローチでした。ほらね、アンティーク雑貨屋ならではでしょ。これだけではちょっと情けないのでついでに帽子のトリミングとしての羽根の歴史などをいっしょに見てみましょうか。
ギリシャ・ローマ時代の格式ある羽根付きヘルメットからアラビアンナイトの王子さまの羽根付きターバンと、なんとなくだけれど装飾として羽根を使う事は昔からあったのだなと言う事を知っていますよね。でもなんと男性だけ。特に14世紀から17世紀は高価な珍しい羽根は地位と富のシンボルとして男性の帽子のトリミングとしてもてはやされたとか。上のイラストはルネッサンス期のオーストリッチをたっぷり使った帽子。
女性がやっと羽根にめざめる時代がやってきます。事の起こりはマリーアントワネット。ある日きまぐれにクジャクの羽根をあのてんこ盛りの頭に刺したのが始まり。一本だったのが二本になり三本になりやがて大変な事になって行くのでした。
極楽鳥、ハミングバード、東インド諸島からの珍しい鳥の羽根などを贅沢にふんだんにトリミングされた帽子がハイファッションになってしまったのです。上の写真は1880年から1890年の帽子。
人道上の理由などで使っても良い羽根の種類が規制されるようになってゆきます。今はキジ、ガチョウ、オーストリッチ、ほろほろ鳥などのみ。でも染色の技術の発達によりカラフルな羽根も出回っていますよね。キジの羽根は凛としてなかなかかっこ良いのですがちょっと恥ずかしかったら水玉の小さなホロホロ鳥の羽根から初めてみませんか?
See You Next Time!!
**R.TURNER WILCOX著Hats and Headdress Colin McDowell著HATS STATUS,STYLE AND GLAMOUR参考**
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