おだやかな日々

野郎2人(夫と息子)との生活・映画・演劇・本のことなどつらつらと。ジェンダーも少し。タイトルは私の憧れ。

エリザベスタウン

2005-11-20 22:20:17 | 映画
 オーランド・ブルーム初めての現代劇。コスプレなしのごく普通の青年役です。
 とても暖かくて素敵な映画でした。

 仕事の”大"失敗でどん底まで落ち込んでいる彼の心(自作の自殺機械は傑作)に、どんどんどんどん入ってくる、ケンタッキーの人々の、少々強引な温かい心。 田舎での冠婚葬祭の、あの、明るくて騒がしい感じは、万国共通なのですね。
 …わいわいと話し合いをする男達。料理をする女達。大騒ぎで遊ぶ子ども達。…
 
 それと、ケンタッキーまで乗った飛行機での、不思議なフライトアテンダントとの出逢い。
いろんな人との出逢いと、出来事で、彼の気持ちがどんどん前向きになっていく。
 と、思ってたら、父親(の遺灰)との旅で、まだ死ぬことを語っていたね。
 最終的には、あの帰りの旅で、(予告編で有名な)運転中のあの涙で、吹っ切れたって事なのかな。

 見終わって、とても温かい気持ちになりました。

 オーランド・ブルーム。彼のあんないろいろな表情、映像で初めてみたと思う。
 同世代の(ベン・アフレック・ジョシュ・ハートネット)、あるいは今、ハリウッドで主役を張っている上の世代の俳優さん(レオナルド・デカプリオとかブラッド・ピット、キアヌ・リーブスetc・・)達とはまた違う雰囲気の青年を演じることが出来る人だと思います。
 少なくとも、この作品では、セクシーさとか男らしさとかそうしたものは全く感じられない、ユニセックスでとてもスマートなイメージでした。恋人というより友人になりたい感じ。
 もちろん、作品の中で主人公はそういう存在だったからだとは思いますが。

 これからの彼が、ますます楽しみです。

 それと、イギリス人である彼が、この映画のロケで、ケンタッキーからオレゴンまでアメリカを横断して、いろんなアメリカと出会ったことを、どう感じたのか興味があります。

 キルスティン・ダンスト。彼女のこと今までぴんと来てなかったけど、今回、とても魅力的でした。ちょっと不思議ちゃんなのだけど、話が進むにつれてどんどん魅力的に見えてくる。

 それとそれと、スーザン・サランドン。
 夫の告別式での彼女、素敵でした。この映画"アカデミー賞 最有力候補"というふれこみだけど、彼女の助演女優賞あたりあるかもしれない。(ケンタッキーの人々もみんな良かった)

 ビデオやDVDのおかげで、家で映画が鑑賞できるようになって、アクションや、スペクタクルの音響や迫力を感じたいもの以外は、レンタルですましている只今だけど、
 こうした小品を映画館で見るのもいいですね。

 今、思い返しても、心がほかほかする。いいもの見せてもらいました。