おだやかな日々

野郎2人(夫と息子)との生活・映画・演劇・本のことなどつらつらと。ジェンダーも少し。タイトルは私の憧れ。

神はサイコロを振らない。

2006-03-02 16:22:02 | ドラマ
 10年前に消えた旅客機が、そのままの姿で戻ってきた!
 ありえない展開の中で(でも最近の映画では普通。「黄泉がえり」とかね)限られた時間の中での、それぞれの乗客を描く群像劇かと思っていたのだけど。

 このドラマが描くのは、飛行機の乗客たちの9日間の生き方ではなく、
間違いなく、この事故をもれなく見つめ、10年間生きてきて、そしてまたこのありえない状況の真ん中にいる、黛ヤス子のこころなのでした。

 小林聡美さん。本当に素敵です。しっかりと足に地をつけて、生活をし仕事をしてきた。そんな感じがあふれている。このドラマ、この人の表情を追うカットがとても多いのだけど、”この人こんなにきれいな人だったっけ”と感嘆しきり。いい年齢の重ね方をされてるのですね。

 毎回の、冒頭の朝の風景がとても好き。そして、それにかぶるヤス子の独り言が胸に迫る。

 いつも、自分の生きてきた道を振り返ってしまう。

 で、振り返ってみるに、28歳から38歳の10年間て、結婚しての10年間だから、疾風怒濤、いろんなことにぶつかって、混乱して、迷っていた10年だったよなあ、と

 でも、このドラマの設定の10年間は、逆に、自分の可能性を信じていくために積み重ねた10年間だったと感じます。。
 そう、今私の目の前には、無限の可能性が広がってる、と感じてます。
 女性学とか、エンパワーメントとかに触れたためかもしれませんが。

 あ、ドラマの話ですね。乗客のエピソードとか会社側の事情とか加藤教授まで、なんだかとても添え物で、ヤス子たち4人を描くことに力はいってますね。
・・・好きです。

 次回はてっチャンががんばってます。でも、無事着陸させたら、タイムパラドックス起こっちゃうよ!!

 ところで、小林聡美主演の映画「かもめ食堂」公開されるそうですね。地方で見ることが出来るでしょうか。