紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

細かすぎて伝わらない名場面【シャーマンキング編】[第四廻]

2011-07-31 17:44:06 | 細かすぎる名場面
前回からの続き


どうもこんばんわ、万田院 光です。
細かすぎて伝わらないシャーマンキングも四廻目ですが、今回で最終廻となります。

収録範囲は、王の間への道攻略からまさかの打ち切りENDを経て、完全版で真の最終廻を迎え、
その後公式ガイドブックに掲載されたアフターストーリーまでとなります。

キャラが非常に魅力的だったシャーマンキング。
アフターストーリーのキャラも交えて、バトルものではない続編が読みたいなぁと
いう想いも込めつつネタを選びました。
では、どうぞ


  王の間への道



シャーマンファイトに優勝したハオは、シャーマンキングとなるため
王の間へと通されることとなります。
第二トーナメントまで残った者は、シャーマンキングが向かった王の間へ向かうことが一応できます。
ただし、王の間への道の途中に十のプラントを通過しなければならず、
プラントはそれぞれパッチ族十祭司が守っています。

葉たちの目的はハオがシャーマンキングとなるために一時的に死の眠りについている間に
王の間へとたどり着き、ハオを倒すこととなります。
タイムリミットは約十時間。それを過ぎると、ハオがシャーマンキングとして覚醒し、
その神の力をもって人間は滅びの道を歩むことになります。

うーん、実に黄道十二宮的展開。セインセイヤッ!
ちなみに、第二トーナメントに残った者はハオ以外では

 葉、蓮、ホロホロ、リゼルグ、チョコラブ、ファウスト、竜、マルコ、メイデン、オパチョ、ラキスト

となります。
このうち、ハオの仲間であるラキストは葉たちを王の間へ行かせまいと道を阻み、
マルコがこれに対抗することになります。
葉たちはラキストをマルコに任せ、先を急ぎます。
そして、各プラントに待ち受ける十祭司を仲間と力を合わせつつ撃破していくのです。


  巫力値、みんなどこまで成長した?



巫力とは、本作における戦闘力の単位としてよく用いられる数値となります。
巫力が高いほど、高度なオーバ―ソウルや術を使用することができます。
戦闘力というよりは、MPみたいな感じですかね。
とはいえ、少なければ高威力の攻撃ができないわけですから、
そういう意味では戦闘力に置き換えても問題ないでしょう。

で、この数値。ラスボス・ハオ様は125万の巫力値を持ってるわけですが、
他のメンバーは最終的にどこまで巫力を上げたのか、以下にまとめました。


 葉    … 108000
 蓮    … 100001
 ホロホロ … 120000
 リゼルグ … 170000
 チョコラブ… 197500

五大戦士でこんなもんです。10万ちょっとくらいですね。
葉なんかはシャーマンファイト開始時の巫力が270だったので、最終的によく成長したものです。
ハオには遠く及びませんが・・・
意外なのは蓮が一番巫力値が低いことですかね。基本、一度死ねば巫力は上がるんですが、
蓮は他のメンバーよりも多く死んでいるにも関わらずこの数値です。

なお、神クラスのシャーマンであるメイデン様は68万。
同じく神クラスのサティ・サイガンは75万もの巫力値を叩きだしてます。
というか、ガンダーラのメンバーは全員巫力20万超えで、お前らが戦えばよかったじゃん状態・・・


  司会だって戦えば強いんだぞ、コラァ!



「湖」のプラントを守護する十祭司は、シャーマンファイトの司会・実況を担当していたラジムでした。
こいつが強い強い。五大戦士全員を相手にひるむことなく立ち回れるほど。

「あの体術があるからこそシャーマンファイトの司会をやってこれたんだよ」
という葉の理論に、思わず納得!
ラジムのリング上での災難はすべてここの見せ場のための伏線だったんだぞ、コラァ!


  伝説の打ち切り「みかん」エンディング

まことに残念なことに、ジャンプ連載当時シャーマンキングの人気は徐々に衰えてきました。
そして、葉たちが王の間へと向かっている途中ですが、シャーマンキングの打ち切りが決定してしまいました…。

「高原」のプラントを守る十祭司・カリムのもとへたどり着いた葉たちですが、
この時点で巫力の消耗が激しく、カリムの小屋で休ませてもらうことになります。



まだまだプラントは残っており、葉たちの戦いはこれからも続きます。
明日勝つために寝るぞー!

その夜、まん太は不思議な夢をみます。



 深い深い海の中でハオがつぶやいた「おやすみ」
 葉くん達のもとに集う仲間達




 プリンセス ハオ


えっ、あれ!? おわり!?
唐突かつ衝撃の最終廻でした。
コマの左下にみかんが描かれており、それが「未完」の意を表していることがわかります。
当時のジャンプ読者は非常にとまどったと思われます。
そして、この壮絶な打ち切られっぷりはジャンプ打ち切り史上に残るものとなりました。

打ち切り自体は早くから決定していたと思われるので無理矢理話をまとめることはできたんでしょうが、
武井先生的にそれはNGだったようです。
「いつかどこかで続きを描く」そういう意味が込められたみかんだったのかもしれません。
その想いはシャーマンキング最終廻から四年後に、完全版での真・最終廻という形で果たされることとなります。



完全版にて、「プリンセスハオ」の廻の次の話が始まったときの感動はひとしお!
葉の「・・・いや、もう十分寝させてもらったよ」のセリフがごもっともな感じです。
シャーマンキングはもうちびっとだけ続くんじゃ。


  最後の十祭司・ラザホーの素顔



十祭司最後の一人・ラザホーの姿は、まるで宇宙人そのものです。
シャーマンファイトに優勝したハオが王の間へと訪れたときに初登場しました。



ジャンプ誌上ではその後すぐに最終廻を迎えてしまい、その素顔はわからずじまいでした。
なにやら人が入っているようですが・・・。



完全版でついに判明、ラザホーの素顔!
その素顔は竜もビックリのメラカワイコちゃんでした!!

ん? こういうシチュエーションどこかで・・・。



シャーマンキング連載後期の頃、ジャンプにて連載が始まった武井先生の師匠にあたる和月先生の
【武装錬金】に登場する「毒島(ぶすじま)」というキャラも、ガスマスクに素顔を隠したキャラでした。
武装錬金もシャーマンキングと同じように、打ち切りに近いカタチで最終回を迎え、
完結編と後日談が別途赤マルジャンプに掲載されましたが、この毒島もラザホーと同じように
完結編以降で素顔が明らかになったキャラでした。



その素顔はやっぱりメラカワイコちゃん!
師弟だけあって和月先生と武井先生はキャラ作りが似てるのかも。


  コロロの正体



これまた完全版で明らかになった事実ですが、ホロホロの持ち霊であるコロボックルの「コロロ」は
実はホロホロの幼少期に亡くなった女の子が精霊となったものでした。



その女の子の名は黒部民子。当時、ホロホロの小学校で「ダム子」と呼ばれて仲間はずれにされていた転校生です。
同じくアイヌという理由で仲間はずれにされていたホロホロと仲良くなったのですが、ホロホロは祖父から
下界の人間と交わらないようにと言われます。そのままダム子と口をきかなくなったホロホロ。
そしてある日、ダム子はホロホロを訪ねた山で遭難して亡くなってしまったのでした。
その際、ダム子はホロホロの本当の気持ちを知りたいと思い、その想いがダム子をコロボックルにします。
ホロホロはコロロがダム子であることをこの瞬間まで知りませんでした。



ブルーベルのときもそうだけど、なにかと恋愛フラグを立てるホロホロ!
かつての想い人が実は一番傍にいたという青春一発逆転劇を披露してくれたのでした。
そういえばコロロは、ホロホロがリゼルグの持ち霊・モルフィンを可愛いと言っただけで
嫉妬していなくなってしまうくらい、ホロホロラブな持ち霊でしたね。
あれ?でも、コロロがまん太に惚れた描写もあったような?
ま、ちっちゃいことは気にしない!


  ここでもきたぞ、ガンダムネタ



アンナたちが葉たちを追ってムー大陸へと乗り込んだ際に乗っていたスフィンクスの乗り物は
どうみてもガンダムに出てきた木馬型戦艦です。
ヒゲガンダムのときといい、ガンダムネタ好きな武井先生!


  これが神の力!ハオは間違いなく歴代少年マンガ最強のラスボス



結局、葉たちはハオのシャーマンキングとしての覚醒を止めることができず、
ハオはシャーマンキングとなってしまいました。
シャーマンキングとは星の王のこと。この地球上における森羅万象あらゆることは
ハオの思い通りに動かすことができます。たとえば、地球上の人間の生死を自由に操ることも…
ということで、ムー大陸に乗り込んだシャーマンたちはハオが念じただけで
一瞬にして全員死んでしまいました!
念じるだけで相手が何人でどんな場所にいようが問答無用で殺すことのできるハオ様は
間違いなく、歴代少年マンガ史上最強のラスボスでしょう。

とはいえ、このマンガは生死を超えて戦うシャーマンたちの物語です。
シャーマンは肉体の死を迎えたあとも、魂のみで戦います。
というわけで、人の魂が還る場所・大いなる存在グレートスピリッツに舞台を移して
ハオと葉たちとの魂の戦いが始まるのでした。


  これって珍しい? 主人公が土属性



グレートスピリッツ内において、ハオのもとへ五大精霊を得た五大戦士が集結します。

 雷の力を操る「スピリット・オブ・サンダー」を得た蓮
 水の力を操る「スピリット・オブ・レイン」を得たホロホロ
 風の力を操る「スピリット・オブ・ウィンド」を得たチョコラブ
 火の力を操る「スピリット・オブ・ファイア」を得たリゼルグ

 そして、土の力を操る「スピリット・オブ・アース」を得た葉


あれ? 土属性の主人公って珍しくないですか。
大抵、RPGや少年マンガで属性の括りが出てくるときって、主人公は火とか風とか、
光とか、そういう属性になりがちな気がします。(水はヒロインが多い印象)
その中でも土属性ってかなり地味なイメージなんですよね。
ゴレンジャーで言ったら「キレンジャー」、四天王で言ったら「最弱」のイメージ。
RPGの魔法でも土属性って、防御力アップとかサポート系ばかりで強力な魔法がない印象です。

でも、普段のんびりしている葉には穏やかな大地の力が印象に合ってるのかも
しれませんね。


  最後は全員集結!ここでも扱いの悪いダマヤジ・・・



グレートスピリッツ内の魂の戦いにおいて、ハオの圧倒的な力に屈しようとする五大戦士。
そこへまん太の声が響きます。
なんと、まん太たちはアンナ主導のもと地獄をめぐって仲間たちの魂を集めてきたのでした。
葉たちの前に今まで出会った懐かしい顔が次々と姿をみせます。



もちろんハオ一味の魂も集まっており、ハオの説得にあたります。
そのなかには、仲間に殺されて見せ場なくあっさりと退場したダマヤジの姿も!
ところが、ここでもボリスに邪魔されてセリフはあるんだけど顔が隠れた状態となってしまいました。
ダマヤジの出番は以上です。最後の全員集結シチュエーションでも不憫なやつ・・・。

ちなみにこのあと、ハオの御母上・麻の葉様の登場とハオへの説得(説教?)により、
ハオは人間を滅ぼすことをやめることになります。
そして、葉の「良かったなぁ、にいちゃん」の一言により微妙にデレたハオは
葉たちの前から姿を消しました。

シャーマンファイトにおいて命を落とした者たちは、シャーマンキングの大いなる力によって
その魂を現世に戻され、こうして葉たちのシャーマンキングを目指す旅は終わったのでした。

すっきりした良い終わり方だったと思います。
一度、「みかん」やってますからなおさら。


  恋愛フラグ一切なかった蓮が一足飛びで子持ち!?



後日談において、なんと蓮の息子が登場します。
本編中恋愛フラグの一切なかった蓮ですが、相手は誰だ!?



アイアンメイデンでしたー!
え、フラグなかったよね!?一切。
せいぜい、メイデンが蓮を生き返らせた縁があったくらいか?
べジータとブルマがくっついたとき並みのポカーンっぷりだよ。

恋愛フラグが結構立っていたのに、一人身なホロホロとの対比がなんかおもしろいです。


  ミッキー、なんで死んでしまうん?



エンディングでさらっとミッキーの遺影が登場します。
あれ? ミッキーどうして死んだんだろう?
と、本編を読み返したりガイドブックを熟読しても、その死の理由が一切書いてありません!
代わりに、死んでからはルドセブの持ち霊となったのだとか。
いやいやいや、死んだ理由が知りたいんですけど!
最後までネタキャラっぷりを遺憾なく発揮して死んでいったミッキーなのでした。


  後日談で最強キャラに成長を遂げていたたまお



後日談で本編との変貌っぷりがナンバーワンのキャラは間違いなくたまおでしょう。
後日談は本編より14年後ですが、現在はふんばり温泉の女将となっているようです。



その14年でシャーマンとしての実力はついに神クラスに!
神霊・大天狗を使役してもう無敵状態。
高校時代は病んでいて、地元の不良をまとめあげて西東京を制覇したとか。
人は変わるもんですなー。


  おじさんではない。シャーマンキングだ



ハオもすっかり丸くなりますが、なんかヒマそうです。

「おじさんではない。シャーマンキングだ」
って、そんな「ヅラではない。桂だ」みたいなノリで言われても!


  三代目イタコのアンナ登場。…三代目?



葉とアンナの息子・麻倉 花のもとに「三代目イタコのアンナ」を名乗る少女が現れます。
なんと、十祭司・シルバの娘なのだとか!
それにしても、「三代目」とは一体・・・?

そうなのです、【シャーマンキング】本編で活躍したアンナは「初代」アンナではないのです。
彼女はあくまで二代目イタコのアンナ。
初代イタコのアンナは、【仏ゾーン】に登場します。



これが初代アンナだ!
仏ゾーンの物語が終了したあと、ロサンゼルスにオフィスを開いたようですが、
三代目イタコのアンナは、この初代の弟子なのだとか。

シルバの娘ということで、かつてハオがシルバの先祖に転生していたこともあり、
三代目イタコのアンナにはシャーマンキング・ハオの血が流れていることになります。
さらにイタコの術やパッチの技術もそこへ加わっているので、スペック的には
次世代シャーマン最強を誇ります。
うーん、次のシャーマンファイトが500年後というのが勿体ないくらいの逸材ですな。

この三代目イタコのアンナと、麻倉 花、さらに蓮の息子の黽を中心に展開される
笑いあり、涙あり、時にはバトルありのどたばたシャーマンコメディを読んでみたい!


と、まぁこんな感じでやってきました細かすぎて伝わらない【シャーマンキング】。
この作品の強みはなんと言っても「キャラ」だと思うので、もっといろんなキャラ同士の
絡みも見たかったなーと強く思う作品でもありました。

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7 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-08-01 11:09:24
あれ?
ミッチーの死因って交通事故ってガイドブックか新装版に書いてなかったっけ?
返信する
Unknown (JET)
2011-08-02 02:55:01
乙!

第1回から楽しく読ませていただきました。
こういう、ちょっと古い感じのマンガのまとめは意外と少ないのでうれしいです。
返信する
Unknown (Unknown)
2011-08-03 12:08:06
ミッキーの死因書いてあった気がする

>>意外なのは蓮が一番巫力値が低いことですかね。基本、一度死ねば巫力は上がるんですが、
蓮は他のメンバーよりも多く死んでいるにも関わらずこの数値です。

チョコラブと同じく二回じゃね?
返信する
Unknown ()
2011-08-08 20:05:35
>ミッキーの死因

wikiったら、「単行本では死因がパチンコ帰りに轢き逃げに遭った」
とか書いてありました。
手元に完全版はあるけど単行本は無いので
ソースの確認ができませぬ…。
しかし、轢き逃げって・・・。
どっちにしろネタキャラ!

>蓮の死んだ回数

ガイドブックによると4回となってます。
1.最初の野良試合
2.ガンダーラに地獄に連れてかれたとき
3.十祭司ブロン戦
4.ハオのシャーマンキングの力で

ホロホロ、チョコラブは3回
葉、リゼルグは2回ですね。
みんな死にすぎ!
返信する
Unknown (Unknown)
2011-09-11 21:50:10
ミッキーの死因って万辞典という昔に出たガイドブックか、単行本に書いてあったような。

確か、パチンコの景品の腕時計をたまおに渡していたのを奥さんに見つかり逃走、その途中で車に轢かれて死んだんだったと思います。
ファウストが生き返らせようとしたところ、奥さんが怖いからこのままでいいと言ったとか。
うる覚えなので、記憶違いかもしれませんが。
返信する
Unknown (仲道りょうすけ)
2011-11-21 21:18:14
アシュクロフト爺ちゃんがちゃんがマジエロい。あの姿で平気で飛び回れるなんてある意味尊敬する。フツーできないって。

素っ裸の煙爺ちゃんってなんか霊的な元ネタあるんでしょうかね?。
返信する
Unknown (Unknown)
2014-11-13 23:05:38
ミッキーの死因、
ファーストと一緒に単行本に載ってたよー
返信する

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