紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

細かすぎて伝わらない名場面【シャーマンキング編】[第二廻]

2011-07-18 01:59:28 | 細かすぎる名場面
前回からの続き


どうも、こんばんわ。アナテル・ポッキです。
細かすぎて伝わらない名場面・シャーマンキング編の第二廻です。

今回はシャーマンファイト本戦突入から、回想編である「恐山ル・ヴォワール」までが
収録範囲となります。
では、今回も細かすぎる名場面をどうぞ


  宿敵「ハオ」 登場! あれ、最初出てきたときと格好が違うような…



シャーマンファイト本戦会場・横茶基地にて、葉たちはこれからのシャーマンファイトにおいて
宿敵となる「ハオ」と邂逅します。
葉とそっくりの風貌を持つハオ。一体、何者なのか・・・?
物語上、葉とハオが初めて対峙する非常に重要な場面ですが、
ん? ハオの格好が最初にシルエットだけで登場したときと違ってるような・・・?


↑ 最初にシルエットだけで登場したとき

シルエットのみの登場時は羽飾りが特徴的なネイティブアメリカンの格好をしてましたね。
でも、横茶基地での登場時はただのマント姿となっています。
一応、これに対するシャーマンキング公式ガイドブックの解釈は、
「ハオはその時一瞬だけネイティブスタイルにハマってた」ということらしいです。
熱しやすく冷めやすいハオ様!


  シャーマンキング本編中唯一の冒険モノ・アメリカ編開始



横茶基地で宿敵・ハオとの邂逅も果たし、シャーマンファイト本戦がスタートします。
シャーマンファイト イン トーキョー本戦最初の舞台は、なんとアメリカ!
アメリカのどこかの土地に放り出されたシャーマンたちは、三か月以内にパッチ族の村を
見つけなければならないという!
ヒントも少ない状態で慣れないアメリカの地を「パッチ」という言葉を頼りに村を探す葉たち。
その過程で、宿敵・ハオの正体も徐々に明らかになっていく・・・
という、冒険モノとしてなかなか面白いシリーズでした。



ホロホロが迷い込んだナショナルパークのレンジャーと絡む外伝「ホロホロ物語」も
良い話だったなぁ。「ホロにげぇ!」


  アメリカに中国に。まん太大活躍!



葉たちがシャーマンファイト本戦にてパッチ村を目指す裏で、まん太とアンナもアメリカを目指していました。
そこは小山田カンパニーの御曹司・まん太。
しっかりと自家用ジェット機を使ってアンナとアメリカまでの旅を共にします。
でも、お父さんとはとても仲が悪かったはず。
よくまぁ、説得できたなぁー。話には描かれてませんが、相当説得には難渋したと思います。
まん太グッジョブ。

そういえば、アメリカ編の前に道家編で葉たちと中国にも行ってますが、
このとき全員分のパスポートと旅費を持ったのもまん太だったはず。
当然、このときもお父さんの説得が発生したわけで、実はウラでまん太も大変な苦労をしてたわけですな。


  新たな仲間・リゼルグへ注がれる竜の危険な視線



パッチ村を探す道中、ハオに恨みを持つイギリスのシャーマン「リゼルグ・ダイゼル」と
旅を共にすることになった葉たち。
まるで女の子のような顔だちのリゼルグですが、れっきとした少年です。
でも、リゼルグに向けられる竜の視線は・・・「アッーー!」

竜は、ロリコンかと思えば、リゼルグのような少年にも欲情したり、
蓮のお姉さんにもメラズッキュンしたり、なかなか節操がないですな。
男にも色目使ってる分、ワンピースのサンジよりもタチが悪いよ!


  ハオ一味なのに・・・あんまりな扱いのダマヤジ

宿敵・ハオには、複数のシャーマンの仲間がいます。
彼らはハオが何年もかけて集めた、ハオの志に同調するシャーマンたちです。
そんな、ハオ一味のメンバーは以下(ハオが仲間にした順)

ブロッケン・マイヤー
米田 善 ,杉本 良 (二人合わせて「Boz(ボーズ)」)
ハン・ザンチン
ペヨーテ・ディアス
モハメド・タバルスィー
マリオン・ファウナ
マチルダ・マティス
カンナ・ビスマルク
ボリス・ツェペシュ
山田光司(ダマヤジ)
ビル・バートン
ラキスト・ラッソ
オパチョ


これらのメンバーは、敵ながらもなかなかにクセのあるやつらばかりで
それぞれにそれなりの見せ場があるのですが、この中で圧倒的に扱いの悪い者が
一人だけいます。



それは、山田光司(ダマヤジ)!
これが初登場場面です。
葉たちにドラキュラ顔と笑われ―、(本当のドラキュラはボリス・ツェペシュ)



仲間のボリスに「こんなヤツと同一視されるとは!!!」と激しく嫌悪され―、



仲間に殺されちゃった!
これだけ。出番これだけです。
設定上、ハオや他の仲間と6年もの付き合いのある彼ですが、その死を悼む者は誰もいませんでした。
しかも、持ち霊も一切出さず、葉たちとの一度の交戦もなく、あっさりと戦場から散った彼。
その後、話題にのぼることもありませんでした。


  ハオ様の決めセリフ「ちっちぇえな」の使い方



ハオ様が事あるごとに口にする「ちっちぇえな」という言葉。
相手の弱さを指摘し、相手を激しくディスる意味でよく使われます。



ただ、(物理的に)「ちっちぇえな」という意味でまん太に使われたり、



オパチョには褒め言葉として使っていました。
深いなー、「ちっちぇえな」の使い分け。


  色々な意味で悲しいメインキャラ「チョコラブ」登場



アメリカのパッチ村にたどり着いた葉たちは、リゼルグに次ぐメインの仲間となるシャーマン
「チョコラブ」と出会います。
初対面で、「名前がふざけてる」と蓮に思われ鼻を刺されてしまうあんまりな登場でした。



仲間になり方もなんとも不憫というか・・・
パッチ村探索の次のシャーマンファイトの課題は三人一組のトーナメント戦なのですが、
チョコラブは人数からあぶれてたので、入れてくれという。
か、悲しい・・・。

しかも、このチョコラブ。読者人気ないんですよ。(人気投票25位。メインキャラじゃダントツ↓)
まぁ、美形じゃないですし、ギャグキャラですしね。
大きいお姉さんからも小さい男の子からもあんまり支持されなかったんじゃないでしょうか。


  まぁ、たしかに「イン トーキョー」かもしれんけど・・・。



アメリカ編も終了し、シャーマンファイトはいよいよジャンプ王道の「トーナメントバトル」形式に移行する
わけですが、ここでようやく舞台が東京に戻ります。
いよいよシャーマンファイト「イン トーキョー」の看板に偽りがなくなると思いきや・・・

無人島って!
まぁ、東京には違いないんでしょうけど。


  「絶対にマネされないキャラを作ろう」という発想のもと誕生したメイデン様



トーナメントにおいて、中世ヨーロッパの拷問危惧にの中に入った「アイアンメイデン」
という謎キャラが登場します。
このアイアンメイデンですが、武井先生が「はっちゃけシーズン」と呼ばれるモードに入ったときに
誕生したキャラのようで、「なんかやらかして終わらせておこう」「絶対マネされないキャラを作ろう」
というコンセプトのもとに作られたようです。
しかして、その実態は・・・



拷問危惧から、血まみれの半裸の少女登場!!!
あまりにも衝撃的な登場シーンでした。 チョコラブとは大違いだ・・・。



しかも、敵にまるで容赦NEEEE!
メイデン様は可愛い顔して無茶苦茶エグいことをナチュラルにやるキャラでした。



とにかくこうして登場したメイデン様は、そのよくわからない魅力から
一気に人気キャラとしての地位を確立していきました。



しかし、武井先生遊びすぎだろ・・・


  戦う父親キャラのはずなのに・・・なんか違う麻倉幹久



トーナメント初戦終了後、葉の父親・麻倉幹久がワリと唐突に登場します。
でも、登場先は息子の葉のもとではなく、蓮・ホロホロ・チョコラブのもとでした。
この三人に対して、ハオに対抗する力「超・占事略決」を教えるために来たといいます。

・・・あれ? こういう師匠的ポジションで父親キャラが出た場合、
息子にいろいろ教えるのが普通なんじゃ・・・



当の息子は親父がなにしようがまるで気にしてない様子。しかも、「アイツ」呼ばわりって・・・。
幹久は、葉が生まれてすぐに修行の旅へと旅立ってしまったので、葉には幹久が父親である
実感があまりないようです。
結局、本編中ほとんど葉と幹久の会話はありません。

せっかく主人公の父親キャラとして満を持して登場した麻倉幹久。あんた何しに出てきたの!?



以降、登場するたびになんかヘンなキャラになっていく幹久なのでした。


  前代未聞!? トーナメントを途中で棄権する主人公

シャーマンファイトトーナメント初戦終了後、物語はとんでもない方向へと転がります。
シャーマンファイト大会外の野良試合において、なんと蓮がハオ一味に殺されてしまうのでした。
葉は、死んだ蓮を復活させるため、アイアンメイデンの力を借りることになります。
その際、アイアンメイデンが出した蓮復活の条件がありました。



その条件とは、葉にシャーマンファイトを辞退してもらうこと!
そして、葉はその条件をすんなりと飲みました。

仲間を救うためという理由があるとはいえ、トーナメントを辞退するジャンプ主人公って・・・
前代未聞なんじゃないでしょうか。
そもそも葉は、「のんびりとラクに生きたい」という想いをモチベーションとして抱いており、
戦いに関してはそれほど積極的ではありませんでした。
宿敵であるはずのハオですら、倒すのではなく救おうとしていたほどでした。

いずれにせよ、葉がシャーマンファイトを辞退したことで物語は大きく動きます。
物語が動くその前に、【シャーマンキング】という作品は「恐山 ル・ヴォワール」という
長編の回想へと突入します・・・。


  唐突に始まった回想編「恐山 ル・ヴォワール」



葉のシャーマンファイト辞退の廻のあと、唐突に「恐山 ル・ヴォワール」という過去回想編が始まります。
この唐突さに読者は激しくとまどいましたが、フタを開けてみればこの「恐山 ル・ヴォワール」は
物語としてよく出来ており、読者からは好評だったようです。

そもそも、武井先生は折から「大会なんてくだらねー」と思っていたようで、シャーマンファイトの
トーナメント戦もあまり乗り気ではありませんでした。
「もうただ脇道が楽しい」とガイドブックでも公言しており、この「恐山 ル・ヴォワール」も
壮大な脇道だったのでしょう、ノリノリで描いてる様が伝わってきます。





基本的に、葉とアンナの出会いがメインとなる「恐山 ル・ヴォワール」。
デレの一切ない、100%ツンのアンナがお楽しみいただけます。



まぁ、それが少しずつデレーの



最終的にこうなるのだから、葉も大したものです。
(※恐山ル・ヴォワールの葉たちは10歳です!)



アンナとの出会い以外でもうひとつメインの軸となるのが、「マタムネ」という
猫またの霊との交流でした。
姿かたちは愛らしいネコだけど、小説家のようなもの言いと強力な霊力、回想一話の終わりに
かならず味のある詩を詠みあげるという、これまた強烈なキャラクターが読者のハートをガッチリキャッチし、
このマタムネも一躍人気キャラクターとなりました。

「恐山 ル・ヴォワール」編の最後で、マタムネが一話一話詠みあげていた詩が
全文通して掲載され、読者の涙を誘いました。
「恐山 ル・ヴォワール」編だけ単品で映画化とかしても良いくらい
良く出来た回想だったなぁー。


・・・と、今回はここまで。
以降、しばしのあいだ「やったらやり返される」編とでも言いますか、
少年バトルマンガへの反骨精神にあふれたわりとグダグダめな展開が始まります。

というわけで、次回へ続きます。

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