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陰陽師 夜光杯の巻

2007-07-11 00:42:34 | 本についてつぶやいてみる

陰陽師 夜光杯ノ巻 夢枕 獏 文藝春秋

此処へ来て、ようやく梅雨らしい天候になりました。
今夜は結構しっかり降っています。

こんな夜はのんびり読書かな~と、思います。

今宵は(と、少々口調を変えてみますw)次なる、物語を紹介仕ります。

『陰陽師 夜光杯ノ巻』 夢枕 獏著

我が敬愛なる、安部晴明殿と源 博雅殿の物語にてございます。

夜光杯とは、中国で作られている玉を薄く削った杯の事でございます。
この杯に酒を入れますと、闇の中で光ると事から夜光杯と名付けられております。
彼の地では葡萄酒なぞを注ぎ飲まれたとの詩がございます。

漢詩を習われた方々ならば、おそらく一度はお読みになった事があるかと思いますが、彼の地の王翰殿が詠まれました、『涼州詩』と言う詩がございます。

葡萄美酒夜光杯     葡萄の美酒 夜光の杯
欲飲琵琶馬上催     飲まんと欲すれば 琵琶馬上に催す
酔臥沙場君莫笑     酔いて沙場に臥すとも 君笑うこと莫(なか)れ
古來征戦幾人回     古来征戦 幾人か帰る

葡萄の美酒を夜光杯で飲もうとしていると
誰かが馬上で琵琶を奏で、美しい音色を響かせている。
酒に酔いつぶれ 砂漠の上に倒れ伏してしまったが
こんなぶざまな姿を見て笑わないでくれ。
昔から 戦に行って いったい何人帰って来ただろうか。
私も、明日の命がわからないのだから。

故郷を遠く離れ、戦に出征された武人を思い詠われた詩でしょうか。
非常に切ない詩でございます。
 
我が家にも我が道しるべとなるI師より譲受し夜光杯がございますが、非常幽かな光を放つ杯にてございます。
この話についてはまた語る事もあるかと思いますので、別の話とさせていただきます。

さて、本題に戻りましょう。
伝説の陰陽師 安部晴明殿と、楽の天才と言われました源 博雅殿の物語でありますれば、それは闇の世界の物語でございます。とても幽かな物語でございます。

時は平安時代。
まだ、都にも多くの『闇』が残る、魑魅魍魎や鬼が跋扈する時代。
その闇が支配する夜に、安部晴明殿と源 博雅殿が晴明殿のお屋敷の庭に面した縁側で、簀に座して酒を飲まれている場面から物語りは始まってまいります。

晴明殿は博雅殿や、また多くの雅人から持ち込まれまする闇に関わる事を解決なさります。この物語の中でも様々な闇に関わる事柄を色々と解決されてございます。

詳しくは、この物語をお読みになっていただければと思いまする。

そして、闇と言う酒に満たされました平安の都で、夜光杯の様に幽かに光まするお二人の活躍を楽しまれてくださいませ。