サラ☆の物語な毎日とハル文庫

『クリスマス・カロル』は自分が「変われる」物語

この愛すべきクリスマスの物語は、「自分しだいで、今の自分を変えることができるし、未来も変えられる」ことを請合ってくれる、心強い物語。

それが証拠に、見てごらんなさい! っていうか、読んでみてください。
主人公のヒヒ爺。思いやりのかけらもなく、無慈悲で、心が冷たく強張ってしまった男、さらに言うと「貪欲で、秘密を好み、交際を嫌い、かきの殻のように孤独な老人」であるスクルージでさえ、「変わる」のですから。

何が触媒となって、スクルージは変わったのか?

幽霊です。
それも、一晩に四人も。

最初にあらわれたのは、元同僚のマーレイの幽霊。
恐ろしい場面転換とともに姿をあらわしたマーレイの幽霊は、スクルージに告げます。
「悔い改めるがいい。今ならまだ間に合う。今なら、自分のような死後の苦しみにのた打ち回る運命から逃れるチャンスと希望がある」

この時点で、スクルージは、すっかりビビッてしまいます。

そして、立て続けにあらわれた、クリスマスの幽霊、「過去」と「現在」と「未来」を見せる幽霊たち。

「過去」の幽霊に導かれて、少年から青年の頃の、まだ温かい気持ちがあった自分に立ち返る。
「現在」の幽霊により、誰からも好感をもたれていない自分のあるがままの姿を、人の目を通して知る。
「未来」の幽霊により、惨めで誰からも弔ってもらえない孤独な死体となった自分を見る。

人生、こんなはずではなかったのです。
しかし、このまま生きていけば、スクルージにとってすらわびしく辛すぎる死にざまが待っているというわけです。

三人の幽霊が訪れた翌朝、クリスマスを迎えたスクルージは、すっかり変わっていました。
「絶対に、ああはなるまいぞ」と心底思ったようです。
出直しです。
スクルージは興奮していました。
「なによりうれしいのは、行く手に横たわる『時』が自分のものであり、埋め合わせをつけられることである!」

そして、スクルージは変わり、慈悲深くだれよりもクリスマスの心理解した、かってないくらいの「善き友、善き主人、善き人間」になったのでした。チャンチャン♪

この物語のオチが嬉しいです。
だれでも、「変わりたいと思い、変われると信じ、言葉と行動で実行に移せば、新しい自分になれる」
それが強いメッセージとして伝わってくるからです。
あんな爺さんのスクルージでさえ、変わることができた。
じゃあ、自分もっ!!

クリスマスの朝にそう思えたら、素敵ですよねぇ。
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