サラ☆の物語な毎日とハル文庫

白雪姫は3回殺される!~本当のグリム童話とは

 

ドイツ文学者の小澤俊夫氏のラジオ番組「小澤俊夫 昔話へのご招待」は

FM FUKUOKAの長寿番組。

アーカイブが残されているので、

前々から、放送をしっかり聴いて、昔話について学びたいと思っていた。

べつに講義じゃないんだけど、きっと詳しい話が聴けるはず。

 

 

小澤氏はドイツ文学者で、グリム童話の権威というのが魅力。

息子さんは小沢健二というのも魅力。

小沢健二の曲には、昔しばらくハマっていた。

FM FUKUOKAというのも魅力。

わたしの故郷福岡のFMラジオ局で、高校卒業までずっと聴いていた。

 

魅力が3つもあるのだから、この際、ときどきお勉強してみたいと思う。

 

 

第一回めはドイツの昔話『白雪姫』について。

「白雪姫はハナっから毒リンゴを食べて死んでしまい、

そして王子さまのキスで生き返る」

というのは、本当のグリム童話じゃない。

本当は、白雪姫は3回殺されている。

また生き返ったのは王子の働きにあらず。

と小澤先生はおっしゃる。

そうなのかー? 面白い!

 

 

そこのとこ、本当はこういう話だそうだ。

 

 

白雪姫が走って森の中を逃げていくと、小人たちの家があった。

その家に駆け込んで、小人たちにかくまわれて暮らしはじめる。

 

 

そこに魔女であるまま母の女王が登場する

小人たちが山の仕事で留守をしている間に、行商人に扮してやってくるのだ。

 

 

1回目はキレイな紐(ひも)をつくって売りつけにくる。

白雪姫はほしくなって買うのだけど、

女王は「じゃあ、あんたの胸を飾ってやるよ」と言って、

その紐で胸をギューっと締めるのだ。

すると白雪姫は窒息死したようにバッタリと倒れた。

小人たちが仕事から戻って、

さあ大変、と胸の紐を切ってあげたら、白雪姫は生き返った。

 

 

2回目めは、女王は毒の櫛(くし)をつくって売りつけに来る

白雪姫は、櫛があんまりキレイなのでほしくなり、買ってしまう。

「じゃあ、あんたの髪をすいてやるよ」と行商人(女王)は言い、

白雪姫の髪の毛に櫛を立てる。

すると白雪姫は、バッタリと倒れる。

小人たちが帰ってきて、あわてて体中を探し、

髪に刺さっている櫛を抜いてやると

白雪姫は生き返った。

 

 

小人たちは白雪姫に「もう行商人から買ってはいけない」と厳しく言う。

ところが、翌日また小人たちが仕事に出かけると、

女王はこんどは毒リンゴをつくって売りにきた。

白雪姫はあまり美味しそうなので買ってしまう。

その毒りんごは半分だけ赤くて、そっちにだけ毒が入っていた。

そうとは知らずに赤いほうを食べた白雪姫はバッタリと倒れる。

小人たちが帰ってきて体中を探すけれど、こんどは何も見つからない。

白雪姫はとうとう生き返らなかった。

 

 

つまり女王は殺してしまおうと3度試み

3度めに成功したってわけ。

 

 

けれどもその死に顔がまるで生きているように美しいので

小人たちは、彼女を黒い土の中に埋める気になれず、

ガラスの棺をつくらせて、そこに眠らせた。

棺を山の上に安置し、7人が交代で見張りをしながら泣いていた。

 

 

そこに通りかかったのが王子さま。

美しい死に顔を見て好きになってしまい、遺体をガラスの棺ごともらい受けた。

召使が棺を担いで山をくだっていく途中、

木の切り株に足を引っかけ、棺がガタンと揺れた。

とそのときだ、白雪姫ののどに引っかかっていた毒りんごがポロッと取れた。

白雪姫は生き返った!

 

 

そこで王子は宮殿に帰って白雪姫と結婚し、二人は幸せに暮らしたというお話。

 

 

さて、この「3回殺された」というところに、じつは大事な意味がある。

それを毒リンゴ1回にしてしまってはいけない、のだそうである。

「3回の意味」というのは、またこの次に。

 

 

とにかく、本当のグリム童話の全訳をいちどちゃんと読んだほうがいいみたいだ

…と思った。

 

※シリーズの記事です。よかったら!

昔話は「3回繰り返し」に大事な意味がある

昔話「3回の繰り返し」は身体にぴったりのリズム

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