サラ☆の物語な毎日とハル文庫

カフェ ラ・ボエーム新宿御苑とアニメ映画『君の名は。』

↑ 食べログ等の店舗紹介より拝借 カフェ ラ・ボエーム新宿御苑店 道路を挟んだ向こう側は新宿御苑。

 

もう一週間前の話になるけど、新宿御苑に八重桜のお花見に行った。

その帰りに寄ってティーブレイクをしたのが「カフェ ラ・ボエーム新宿御苑」。

なんでも、この店は2016年に公開されて大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』で

主人公のリクくんがアルバイトをしていたお店らしい。

(つまりモデルになったということ。)

『君の名は。』の聖地巡礼にも組み込まれているとか。

 

たしかにそう言われてみると、ヨーロッパ風の、天井がやたらに高い店内は

物語っぽくて、なかなかステキ。

 

そんなわけで、帰ってからもう一度、アマゾンprimeビデオで

『君の名は。』を見直してみた。

 

出てきた、出てきた。

東京に住み、新宿駅を最寄り駅とする高校に通うリクくん。

バイト先は、その重要な生活空間の一つとして描かれている。

映画の中の厨房の、生き生きとした風景。

この店(ラ・ボエーム)で取材したのかな?

 

この映画は東京四ツ谷に暮らす男子高校生と

飛騨地方の山奥にある糸守町に住む女子高校生ミツハの入れ替わりの物語。

週に2、3回、朝起きたら心(と脳)が入れ替わっている。

最初は『奇妙な夢」だと思っていたけれど、

やがて入れ替わっていることに気づく2人。

 

そこから、宇宙の動きも絡む、時空を巻き込む物語に進展していくのだ。

これはSFだと思うけれど、物語の根底を動かすのは神社。

じつは、ミツハはこの町に1000年以上も前からある

宮水神社の子どもで、巫女を務めている。

神社に代々伝わる組みひもを作りながら、おばあちゃんが語った話はこうだ。

(ちなみにおばあちゃんの声は、市原悦子さん。)

 

わしらの組みひもにはな、糸守千年の歴史が刻まれとる。

ええか、さかのぼること二百年前、草履屋の山崎真由五郎(まゆごろう)の風呂場から

火が出て、この辺りはまる焼けになってまった。

お宮も古文書もみな焼け、…これが俗に言う「真由五郎の大火」。

おかげで祭りの意味もわからんくなってまって、残ったのは形だけ。

そやけども、文字は消えても伝統は消しちゃいかん。

それは、わしら宮水神社の大切なお役目。

 

それから宮水神社の御神体がある、町はずれのカルデラのある場所に

おばあちゃんとミツハと妹と三人で出かけて行った時も、こんなことを話していた。

 

三葉 四葉……結びって知っとるか?

土地の氏神様をな、古い言葉で「結び(むすび)」って呼ぶんやさ。

この言葉には、深い意味がある。

糸をつなげることも結び、人をつなげることも結び、

時間が流れることも結び、ぜんぶ神様の力や。

わしらの作る組み紐も、せやから神さまのワザ。

時間の流れそのものをあらわしとる。

寄り集まって形を作り、ねじれて、絡まって、

時には戻って、とぎれ、またつながり、

それが結び。それが時間。

 

ここでシーンが変わり、おばあちやんがミツハにお茶をすすめる。

「飲みない」(おばあちゃん)

「ありがとう」(ミツハ)

「つぎ、わたしも」(ヨツハ)

「うん」(ミツハ)

 

それも結び。(と、おばあちゃんはつづける)

水でもコメでも酒でも、人の体に入ったもんが、魂と結びつくことも、また結び。

だから、今日のご奉納は神様と人間をつなぐための大切なしきたりなんやよ。

 

三人はカルデラの真ん中にある、宮水神社の御神体のところにたどり着いた。

 

ここから先は幽世(かくりよ)……あの世のことやわ。

しがに戻るには、あんたたちのいっとう大切なものを引き換えにせないかんよ。

口噛み酒やさ。

御神体にお供えするやさ。

それはあんたたちの半分やからな。

 

映画の最後のほうで、リクがこんなことを言っている。

 

オレ、組み紐を作る人に、前に聞いたことがあるんです。

紐(ひも)は時間の流れそのものだって。

ねじれたり、からまったり、戻ったり、繋がったり、

それが時間だって。

 

さてさて、時間を軸にドキドキする物語が展開していく。

面白かったー!!

 

そんなわけで、新宿御苑のお花見から、ラ・ボエームでお茶して

『君の名は。』につながっていったってわけです。

これも「結び」ですかねー?

↑ カフェ ラ・ボエーム新宿御苑店の入り口

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