サラ☆の物語な毎日とハル文庫

恩田陸『蜜蜂と遠雷』とショパンコンクール

 

@サラ☆

 

『蜜蜂と遠雷』は2016年に刊行されたときから

「すごく面白い」と友人に勧められていた。

そうなんだけど、なかなか読む機会もないまま過ぎて

やっと読み終えたばかり。

 

少し前に読んだ『カササギ殺人事件』(アンソニー・ホロヴィッツ)と同じように

いま一つ共感できなくて、小説を読むことがへたくそになっていたら

どうしよう…と思った。

けれど、それは杞憂にすぎなくて、

はじまりから入り込み、胸が高鳴ったり、思わず涙ぐんだり

なかなかすごい小説!!

 

要はタッチの違いで、小説には好き好きがあるということかなー

と思ったり。

 

ちょうどいま、ポーランドのワルシャワでショパンコンクールがはじまっている。

『蜜蜂と遠雷』も日本で開催される「芳ケ江国際ピアノコンクール」(架空のピアノコンクール)が舞台。

コンクールの構成が、ショパンコンクールと同じように

第一次予選、第二次予選、第三次予選、本選という段階を踏むので、

まるでショパンコンクールの予習をしている気がしてくる。

もちろん、内容はまったく違うとは思うけれど。

 

音楽家は、どのようにして音楽家になるのかが描かれている。

演奏シーンも交え、飽きさせないのはすごい力量!!

 

本当に、音楽とは不思議なものだ──

 

演奏するのは、そこにいる小さな個人であり、

指先から生まれるのは刹那刹那に消えていく音符である。

だが、同時にそこにあるのは永遠とほぼ同義のもの。

 

限られた生を授かった動物が、永遠を生み出すことの驚異。

 

音楽という、その場限りで儚い一過性のものを通して、

我々は永遠に触れていると思わずにはいられない。

 

というような記述がある。

 

音楽について、いろいろな角度から考察され、

まだ若いピアニストたちの天才ぶりに興奮を覚える。

生きていくのがうれしいと思える物語。

 

漫画『ピアノの森』を彷彿とさせる内容でもあるけれど

この本はこの本で素晴らしい。

 

話は変わるけれど

まさに今日、5人の日本人コンテスタントがショパンコンクールの一次予選に登場する。

このタイミングで『蜜蜂と遠雷』を読むことができてよかった。

 

ショパンコンクールはネットでライブ配信されるので

日本に居ながらにして、コンクールのもようをリアルタイムで体験できる。

 

 

本日10月4日 17時から進藤実優さん

18時から反田恭平さん。

19時半から角野隼斗さん。

21時から竹田理琴乃さん

日付が変わって夜中の0時半に牛田智大さんが登場します。

ぜひ聴きたいと思っているし、アーカイブも残るので

興味ある方はぜひっ。

こちらから見れます

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