秋の夕焼けは哀しい色をしています。
刻一刻と切なく変わる夕暮れの空の色。
立ち止まって見上げる少しの間にも。
一瞬目を離した間にも。
そうしているうちに
まもなく夜の帳が下りていきます。
山でシカがないてる。
金木犀が香り始めた頃のこと…
お義母さんの主治医の先生から
看取りの話がありました。
もう自分の唾液でさえ
飲み込めなくなってきていること。
点滴で栄養を送るには
心臓が弱りすぎていること。
酸素も。
コロナ禍だけど
そういう理由で
それからは夫とふたり
毎日お見舞いに行けるようになりました。
一昨日は介護士さんの計らいで
少し散歩ができました。
自分も歩くのが不自由だけれど
夫が車椅子を押していました。
3人で写真を撮ってもらいました。
静かな穏やかな時間だといい。
好きな民謡や美空ひばりのCDを聴いたりしながら
小一時間過ごし…
「じゃあ、また明日ね」
と言って帰ります。
明日会えるのだろうか…
と思いながら。
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