僕が河原猫達の存在を知ったのは2009年3月。多摩川河川敷の劣悪な環境で生きている猫がいることをテレビのドキュメンタリー番組で知ったのです。「自分にも何かできないか」と、多摩川関係の情報を得るためにネットを漁り、翌月ひとつの場所を見つけました。
その場所は特殊な場所で、「こんなケースもあるのか」と驚き、いてもたってもいられずバイクを走らせて現場に向かいました。
普通劣悪な環境というと、非衛生的な場所を想像します。でもここはまったくそれとは正反対の場所でした。猫たちは身を隠す木の一本も生えていない、きれいに整備された堤防で生きていました。
雨をしのぐものは、向き合って置かれた2台の事務机のみ。あとは少し草が生えているだけで、とても動物が生きられるようなところではありません。しかし、彼らはどこにも行けず、ここに住んでいたのです。
太田さんは、東日本大震災後に取り残された動物をテーマにした写真集などを含め、過酷な環境で生きている動物たちを紹介することで、沢山の人にこの現実を知ってほしいと願っているのだろう。
猫の保護活動も行っている太田さんのブログ『うちのとらまる』も、太田さんの優しさがあふれていて、とても温かい気持ちになる。