彼らはなぜここにいるんだろう?何を考えているんだろうか?もしや人間界への侵略?だが、やがて気づかされる。唐突に自然界に現れたのは人間のほうじゃないのか。後からやって来てこの星の景色を塗りかえ、王のように君臨している人間たちは、彼らの目にどう映っているんだろう。そう、彼ら物言わぬ動物たちは、まさに人間の姿を映す鏡なのだ。(訳者:岸本佐知子)
書店で見かけて引き寄せられるように手にとった。ビニルで覆われていて中は見えない。でもこの表紙の絵に圧倒されて、買わずにはおれなくなった。
25話のどれにも不思議な絵とともに、動物が登場する。
「この世の動物たちは、誰かのために存在しているのではない。」
扉に紹介されている、アリス・ウォーカーの言葉がこの作品すべての底に流れている思想なのではないかと思う。大切な一冊になった。