人生は山あり谷ありとはよく言うけれど、ひとの人生もはたから見ているとそれがすごくよくわかる。
結婚を確信していた青年と別れることになり、猫5匹(!)を連れてアパートを出た次女がショックから立ちなおるのには相当の時間がかかった。
彼とうまくいっているときには、結婚して扶養に入りたいという願望が強くて、定職につく気はさらさらないような働き方をしていた。
口にはあまり出さなかったけれど、娘のその生き方は彼女にふさわしくないと感じていて、いつも複雑な気持ちを抱いていた。
強くて才能豊かな娘には、やはり自分の足でしっかりと立っていてほしい。
好きな男性が現れたら、もたれかかるのではなく支え合ってほしい。そう願っていた。
そんな娘が、今年の春、突然公務員試験を受けると言いだした。
時間があまりになく、今年はまず無理だろうと思っていたのに、何と合格して
来年春の採用となった。
娘が経験した沢山の辛い悲しい出来事も、今思えば、最後に完成するジグソーパズルのように、一つひとつが必要なピースだったのだな、と思う。
人生は、平坦ではない。だから生きている実感を味わえるのかもしれない。
自分の力でちゃんと稼いで、ご飯を食べよう。
そしていつか、共に歩む素敵な人が現れたらすばらしいね。