井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

ひとりを慎む

2013年07月28日 | ドラマ

昨日、テレビの方と打ち合わせをしたのだが、
その席に、久世光彦さんとお付き合いのあった
女流作家が、ひとりで食事をするときの
しどけなさについて書いている新聞を持っていらした。

男女問わず、一人で食事する時は人前ではしない
はしたないことをしてしまいがちである。

それをエッセーに書いたのが、久世ドラマをたくさん
書いていらした向田邦子さんで、あるときある女性と
食事をしたら、その女性が小鉢を箸で引き寄せたのを
見て、この人は一人で食事している時やっていることを、
無意識に人前でやってしまったのだろう、と。

「ひとりを慎む」と言う言葉を用いて、向田さんは自戒していらした。
それを読んで以来、家でひとりで食事をする最中もそうであるが、
人前でしては恥ずかしい行動は慎むように心がけている。
人前でつくろっても、普段の動作はふと出てしまうものである。
ひとりを慎むことによって、日本人の品性は磨かれてきた。
マナーの分野ではないが日本には「お天道さまが見ている」という
感性がある。
誰も見ていないからいいや、では済まさないのが本来の
日本人であろう。

さっきテレビを見ていたら、日テレのPONという番組で
ある女性タレントが、山梨をレポートする番組に出ていて
ほうとうの鍋に箸を突っ込んで、鍋から直接食べていて仰天した。そして
鍋から直接食べるほうが美味しいのだと、勧める。

鍋からじかに食べるのは韓国である。他国のマナーをとかくは言わないが、
日本で鍋からものを食べるなど、下品のきわみで、それを
テレビで推奨して欲しくない。

・・・・あるいは、ほうとうは鍋から食べる習慣なのだろうか。
山梨で一度、食したことがあるが器で出たのだが。


1 コメント

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Unknown (くおん)
2013-07-28 19:23:28
ひとりを慎む、素敵な響きですね。
お天道さまがみている、は、自分がみている、でもありますからね。
自分を無視する、自分に嘘をつく、ということに繋がり、これは無意識の行いでも、じわりと人生を蝕んでいくように思います。
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