ビジネスとしての売春

もう何十年も前、NHKにミニ連ドラで「女たちの海」という
作品を書いたことがある。
「からゆきさん」を扱った作品で、ソ連に亡命していた女優、
岡田嘉子さんが日本に帰国して、復帰第一作であった。

からゆきさんというのは、天草から近隣海外に春を
ひさぎに出ていた女性たちのことで、早く言えば売春である。
貧しさゆえであった。

昨今、話題の従軍慰安婦のもうちょっと前の世代である。
女性の人権とか、そういう高尚な観念のなかった頃で、
売るものがないから、体売る・・・そういう感じ。

不幸ではあったが、からゆきさんは今から考えるほど、
喘いでばかりいたわけでもなく、これは実際に
からゆきさんをやっていた女性に岡田さんが
聞いた話だというのだが、「あっち（外地）の男のナニの
太さに比べたら、日本人のナニで致されたって、おかしくって、
あはは」と、あっけらかんとしていたそうな。
その方のキャラにもよるのだろうが。

もう、からゆきさんを実体験で語る人はいない。岡田さんも
去られてから久しい。
そろそろ従軍慰安婦を自称する人たちが、いなくなる頃だ。
従軍慰安婦といっても、日本人のほうが多かったのであるが、
それは言われない。その方たちも口をつぐんで表には
出て来られない。
女性の感覚なら、それが普通だと思う。
何度か書いているが、強制の従軍慰安婦など存在せず、
超高給を約束されたビジネスであった。
但し、朝鮮の人々の中には少数ながら、現地の女衒に騙された人達はいる。
あと、日本軍の中でも少数、不埒な連中もいたようだ。
だが国家関与のレベルではない。裁判も済んでいる。

従軍慰安婦という名称じたいが後のことであって、当時は単に
慰安婦である。
売買春の是非と同次元で語られるので、混同されがちだが。
強制の売春システムがあったわけではない。
それはなかった、とシンプルに言えばいいのに、
売春婦は兵士に必要とか、余計なことを言うので波風が立つ。

世界はきれい事の建前でできているのだ。表向き、売買春を
肯定してはだめである。
男女の生理と感性も異なる。表向き、はい売買春いけないですね、
と言っておかねば。

過去の売買春を責めるけど、現在日本国内に５万人の韓国人売春婦がいます、
男の売春夫もそれなりに、などと本当過ぎることを言ってはまずいのである。
この話題ほど、建前で通さないとまずい話題もない。
この話題に関する限り、男どもは大嘘つきである。