井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

西伊豆の宿

2018年05月10日 | 日記

Yくんの話題がテレビでは下火になったようで、いっときは親しく交わっていた
私としては、彼の顔と名が出るたび、心がざわめいていたので、ほっとしています。
(事の善悪は別として、です)

事務所の東山くんと食事をすると、「お酌係」でひっそりとそばに控えていたのが
Yくんでした。お酌に寄越す子は、「使ってやってね」という事務所オーナーの無言のメッセージ
だと心得ていたので、ある連ドラに彼を入れてもらい、ついでにと言ってはなんですが、
Kくんもお願いします、ということで二人セットみたいなことで配役に
組み入れてもらったのです。

見ていると面白い感性で、何よりひたむきさな芝居がよく、彼のセリフが回を追うごとに
増えて行き、ついにはドラマの主流を占める一人となったのでした。

西伊豆の宿で、飲みながらの食事が終わったとき、「外を歩いてきていいですか」と
Yくんがいい、事務所から預かってロケ地に連れてきた私としては責任があるので、
ちょっとためらったのですが、「いいよ、歩いておいで」ということで
彼は外に出ていき、1時間ほどもして戻って来たときはほっとしたのでした。
何をしていたのかは聞きませんでした。財布を持って出た様子でもなかったし、
お金が一番ない頃で、たぶん夜の浜辺でも歩いていたのでしょう。
Yくんが深夜の西伊豆を歩いている間、残された格好のKくんと私が
何をしていたか、話していたかまったく覚えていません。

私はその町の名誉町民だったので、そのエリアでは最上級の宿の二間続きの部屋が
与えられ、そこにYくんとKくんを泊めていたのですが、他の俳優たちは
スター女優さんはじめ、周辺のちょっと何というか格落ちの宿に、全員
止まっていたので、プロデューサーからは「他の役者さんたちと格差があるのは、
ちょっと・・・・」と遠慮がちに言われたのでしたが、飛ぶ鳥落とす勢いであった
私は聞く耳持ちません。自分のところへ泊め続けました。

その町に私の石碑が建ち、滞在中にその序幕式があったのですが、撮影中の
ロケ先から、駆けつけてくれたのがYくんです。

その後、小児病棟を舞台にした連ドラに、若い医師役で出てもらって以来、
お付き合いはいつしか絶えました。

明け方、早く目が覚めた時は「暴れん坊将軍」の再放送枠を時代劇のお作法や所作を
学びたいこともあり見るのですが、最近たまたまYくんの恋人役をやってもらった
西村和彦さんの若い日の姿をなつかしく見かけました。

高嶋兄と西村くんと3人で連れ立って飲んだことも、ふと思い出したりなどしています。

 

誤変換他、後ほど。