映画:ラフマニノフ ある愛の調べ

2008年06月04日 | 映画・本
ラフマニノフ ある愛の調べ 2007年 ロシア

監督:パーヴェル・ルンギン 出演:エヴゲニー・ツィガノフ,ヴィクトリア・トルストガノヴァ,ヴィクトリヤ・イサコヴァ

 たぶん マンガ/ドラマともヒットしたのだめタンタービレがなければ、
日本で配給されないだろう… 的な作品。でなければ、GAGAが配給しないでしょう

 原題はLILACS、ライラック(別名リラ)の花が全編にわたり重要な役割を担うはずが―
とんでもないぐらいにい中途半端な扱いになっています。

 何故 こやぶんが中途半端に思うのかと―

カットバックを多用し、時間軸がパズルのような構成で作品が成り立っています。
 
 少年時代(一番幸せだった頃のモチーフ、ライラックが咲き誇る庭が登場)
        ↑↓
 交響曲第一番初演時代(恋も才能の若気の至り…)
       ↑↓
 交響曲第ニ番を発表するまでの精神的不安定な頃(だけど恋はする)
      ↑↓
 ロシア革命直前(冒頭のカネーギーホールの場面の真意が分かる?)
         ↑↓
 アメリカで亡命生活(時間軸の基軸になる時代)
 
 大まかに書いてみましたが、5つのシークエンスを行ったり来たりするので、
起承転結が非常に判りにくい構造になっている。
 
 時間軸のあらすじをひも解くのがリラの花の存在となりのですが―

(ネタバレ)

 妻がリラの花を秘かに用意していた事を知ったラフマニノフは、そのまま花を持ち帰り― 庭に植えた。
それを居間から見た妻と娘も駆け寄って… End。

 これって― 望郷の念に悩んで、作品を発表出来なかっただけ? と云う意味なんでしょうか?

 奥が深い展開かと思いきや― なんと単純な終わり方でしょう?

 タルコフスキーやパラジャーノフにエイゼンシュテインなどの作品のような、
深遠な様相を連想出来ない展開を期待していたのに― こやぶん的には金返せ!です。

 ペレストロイカの潮流下だからこそ評価かも(?)のタクシーブルースも撮った監督だから観たけれど…
のだめカンタビーレの存在がなければ… 黙殺された作品でしょう。

こやぶん評価(「この映画は史実と違うところがあります」の結末に失笑)






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