掻爬法しか選択肢がなかったことです。
知らなかったこと、教えられてこなかったことが、一番ショックでした。
高校生くらいのころ、なにかのテレビ番組で、中絶について取り上げられていました。
カメラは産科の男の先生にレクチャーを受ける若い女性(学生?)の教室の風景でした。
12週目くらいの胎児のエコー映像を見ながら、男の先生は言いました。「中絶するというのはこういうことです」私の記憶では、そのあと、鉗子が入ってきました。「こんな小さくても、逃げるんです」つらくて描写できませんが、そういう映像でした。
女子学生たちは口を抑えたり、神妙な顔をしたり、涙ぐんだりしてそれを見ていました。そうやって表情をアップすることで、ずいぶんと強烈に罪悪感を植え付けることにそのテレビは成功していたと思います。(私はこのありふれた手法はいやらしすぎて本当に唾棄すべきやり方だと思っています)
そして、妊娠中絶は す べ て 女性の問題にシュリンクさせることにも、絶大な効果をあげました。これを見た女性は、女子学生とまったく同じ思いで、妊娠中絶を自分の問題としてうけとめ、これをみた男性は、妊娠中絶は女の問題としてうけとめました。
いま、経口薬の値段を、手術の値段と同程度にする検討がなされています。
掻爬法を、意地でも手放したくないように見えて仕方がありません。
今日一日