親孝行してますか?
アタシは何もしてません。
24年近く育てていただきましたが、何一つ親孝行してません。
だってね、憎しみがわいてくるから。
どうして憎いかって?
そんなの分からないよ。
アタシが一番古く思い出せるママとの記憶は、小学生から。
それ以前は思い出せない。
小学生のときのアタシは、まだ兄と仲がよかった。高学年くらいまでは。
小学生の時のママは、朝起きない人だった。
だからもちろん朝ゴハンなんてあるわけない。
よく思い出すのが、兄とアタシでチキンナゲットをレンジでチンして二人で食べていたこと。
ソレがアタシの朝ゴハンだった。
たまにムカついて親の寝室へ行って母親を蹴りつける。
起きろよ、と。
のっそりと起き出す母。
目に焼きついている光景は、血走った目でアタシを睨み付けながらふてぶてしくタバコをふかすママ。
目をつぶるとほらね、今でも睨んでる。
中学生になる頃には、ママの酒グセは悪くなっていく一方だった。
部活を終えて帰宅するとママはいつも台所にいた。
台所でゴハンを作りながら焼酎を飲んでいる。
まぁソレは今も変わりないけど。
ムカついて酒を全部捨ててやろうとした時もあった。
叩かれたような気がする。
ママはこの頃から食後にトイレで吐くようになった。
目をつぶるとほらね、なんだか悲しくなってくる。
高校になる頃にはアタシに金をせびるようになってきた。
バイトをして給料日だとやれ寿司買ってこいだのケーキ買ってこいだの。
アタシは絶対に買うことはしなかった。
ママの肥満がひどくなってきたから。
パパには安い発泡酒、自分は高カロリーのビールと、とにかく自分に甘い人だった。
この頃からママはやたら寂しがるようになってきた。
目をつぶるとほらね、目が熱くなってくる。
社会人になる頃には素面でいるママを見ることがめっきり少なくなっていった。
入社したばかりの頃は、アタシが30分でも残業をしようものなら会社に電話をよこすのです。
『娘はまだ仕事中ですか?』
職場と自宅は車で3分の距離。
携帯を見ると着信がたくさん入ってる時もあった。
かけ直してみると酔っ払った母親の声。
『まいが帰ってこないから寂しくて・・・・・・・・・』
給料日の日は、アタシが帰宅すると「お帰り」の前に手を出してくる。
何かと聞くと『今日は給料日でしょ?ほら』と手を出す。
「やんねーよ」アタシが言うと『けちくそ!ケーキの一つも買ってこれねーのか!』罵られる。
ホントはね、買ってきてあげたいとも思うよ。
でもね、アナタは太りすぎです。
160センチで85キロ。
アナタには酒も甘いものも控えて欲しいのです。
ある日、帰宅してきたアタシにママは言いました。
『お母さん、健康診断で”血尿”って出ちゃった』
血尿。
間違いなく多量のアルコールのせいです。
「アンタ、死ぬよ?」アタシは中学生の頃から警告してきました。
「自分の首絞めてるのわかってんの?」アタシはママを責めました。
ママは焼酎のパックを抱きしめて上目遣いで言うのです。
『だってぇ・・・・・・・・』
アタシはママの前で大泣きしました。
「こんなに・・・こんなに心配してるのに」
22歳の、大の大人が泣いて家を飛び出しました。
ママは焼酎を飲みながら冬ソナを見てました。
そのまま泣きじゃくりながらアパートに帰りました。
まるでドラマみたいに泣きながら車を運転しました。
ユウに「ママなんか死んじまえ」ってメールしたら、電話をしてくれました。
アタシは泣いていて声を出すことができなかった。
でもユウは一人でワケの分からないことを言うのです。
内容は忘れたけど、とにかくくだらない話。
ずっとユウが話してくれたので、いくらかアタシも落ち着きを取り戻し、相槌を打てるようになりました。
その時ユウは言いました。
『元気になったか?』
その時アタシは、コイツがいてくれてよかったと思いました。心のソコから。
『子供にプライバシーはない』と言い、知らない間に手紙や請求書やメールを盗み見てたママ。
だからアタシは家を出ました。
ママ。
どんなに憎くても、どんなにムカついても、アナタはアタシのたった一人の母親なんです。
アナタがいなくなってしまったらもの凄く悲しむでしょう。
アナタに少しでも長生きして欲しいから、酒は控えて欲しいのです。
どうして吐くまで飲むの?
どうして吐くまで食べるの?
トイレに行って口の中に指を突っ込むのがそんなに楽しいの?
アタシはアナタが千鳥足で歩く姿しか見てない。
そんなんで孫を抱けると思ってるの?
「おばーちゃんのケーキ」を孫に食べさせてあげたいんでしょ?
だったら酒は控えなさい。
もうカウントダウンが始まるよ?
申し訳ないけど、アタシはアナタの5年後が想像できない。
社会人になってからめっきり家族と共に行動することはなくなったけど、このままでいいのかな。
旅行好きのママ。でもアタシはアナタとの旅行を頑なに拒否してきた。
理由は汚いから。
アナタは食事のマナーが悪すぎるし、何より酒癖が悪すぎる。
そんなアナタと旅行どころか食事にも一緒に行きたいと思わない。
でも、もし、もし。
ママが突然倒れてしまって、入院したとか、取り返しのつかないことになったら、と思うこともある。
あの時一緒に旅行に行けばよかった。
ゴハンくらい食べに行ってもよかった。
いつか必ず後悔する。ソレは分かりきってる。
じゃぁなんで行動に移さないんだろうね。
きっと子供だからだろうね。
目先の憎しみに囚われ過ぎて未来が見えてない。
どうして心配が憎しみに変わるのかな。
よく分からない。
自分の思い通りにいかないからなんだろうね。
おこちゃまだね。歪みきってるね。
でも目をつぶってみるとほらね、涙が溢れてくるんだよ。
なんでだろうね。
止まらないんだよ。
どうして止まらないかって?
そんなの分からないよ。
アタシは何もしてません。
24年近く育てていただきましたが、何一つ親孝行してません。
だってね、憎しみがわいてくるから。
どうして憎いかって?
そんなの分からないよ。
アタシが一番古く思い出せるママとの記憶は、小学生から。
それ以前は思い出せない。
小学生のときのアタシは、まだ兄と仲がよかった。高学年くらいまでは。
小学生の時のママは、朝起きない人だった。
だからもちろん朝ゴハンなんてあるわけない。
よく思い出すのが、兄とアタシでチキンナゲットをレンジでチンして二人で食べていたこと。
ソレがアタシの朝ゴハンだった。
たまにムカついて親の寝室へ行って母親を蹴りつける。
起きろよ、と。
のっそりと起き出す母。
目に焼きついている光景は、血走った目でアタシを睨み付けながらふてぶてしくタバコをふかすママ。
目をつぶるとほらね、今でも睨んでる。
中学生になる頃には、ママの酒グセは悪くなっていく一方だった。
部活を終えて帰宅するとママはいつも台所にいた。
台所でゴハンを作りながら焼酎を飲んでいる。
まぁソレは今も変わりないけど。
ムカついて酒を全部捨ててやろうとした時もあった。
叩かれたような気がする。
ママはこの頃から食後にトイレで吐くようになった。
目をつぶるとほらね、なんだか悲しくなってくる。
高校になる頃にはアタシに金をせびるようになってきた。
バイトをして給料日だとやれ寿司買ってこいだのケーキ買ってこいだの。
アタシは絶対に買うことはしなかった。
ママの肥満がひどくなってきたから。
パパには安い発泡酒、自分は高カロリーのビールと、とにかく自分に甘い人だった。
この頃からママはやたら寂しがるようになってきた。
目をつぶるとほらね、目が熱くなってくる。
社会人になる頃には素面でいるママを見ることがめっきり少なくなっていった。
入社したばかりの頃は、アタシが30分でも残業をしようものなら会社に電話をよこすのです。
『娘はまだ仕事中ですか?』
職場と自宅は車で3分の距離。
携帯を見ると着信がたくさん入ってる時もあった。
かけ直してみると酔っ払った母親の声。
『まいが帰ってこないから寂しくて・・・・・・・・・』
給料日の日は、アタシが帰宅すると「お帰り」の前に手を出してくる。
何かと聞くと『今日は給料日でしょ?ほら』と手を出す。
「やんねーよ」アタシが言うと『けちくそ!ケーキの一つも買ってこれねーのか!』罵られる。
ホントはね、買ってきてあげたいとも思うよ。
でもね、アナタは太りすぎです。
160センチで85キロ。
アナタには酒も甘いものも控えて欲しいのです。
ある日、帰宅してきたアタシにママは言いました。
『お母さん、健康診断で”血尿”って出ちゃった』
血尿。
間違いなく多量のアルコールのせいです。
「アンタ、死ぬよ?」アタシは中学生の頃から警告してきました。
「自分の首絞めてるのわかってんの?」アタシはママを責めました。
ママは焼酎のパックを抱きしめて上目遣いで言うのです。
『だってぇ・・・・・・・・』
アタシはママの前で大泣きしました。
「こんなに・・・こんなに心配してるのに」
22歳の、大の大人が泣いて家を飛び出しました。
ママは焼酎を飲みながら冬ソナを見てました。
そのまま泣きじゃくりながらアパートに帰りました。
まるでドラマみたいに泣きながら車を運転しました。
ユウに「ママなんか死んじまえ」ってメールしたら、電話をしてくれました。
アタシは泣いていて声を出すことができなかった。
でもユウは一人でワケの分からないことを言うのです。
内容は忘れたけど、とにかくくだらない話。
ずっとユウが話してくれたので、いくらかアタシも落ち着きを取り戻し、相槌を打てるようになりました。
その時ユウは言いました。
『元気になったか?』
その時アタシは、コイツがいてくれてよかったと思いました。心のソコから。
『子供にプライバシーはない』と言い、知らない間に手紙や請求書やメールを盗み見てたママ。
だからアタシは家を出ました。
ママ。
どんなに憎くても、どんなにムカついても、アナタはアタシのたった一人の母親なんです。
アナタがいなくなってしまったらもの凄く悲しむでしょう。
アナタに少しでも長生きして欲しいから、酒は控えて欲しいのです。
どうして吐くまで飲むの?
どうして吐くまで食べるの?
トイレに行って口の中に指を突っ込むのがそんなに楽しいの?
アタシはアナタが千鳥足で歩く姿しか見てない。
そんなんで孫を抱けると思ってるの?
「おばーちゃんのケーキ」を孫に食べさせてあげたいんでしょ?
だったら酒は控えなさい。
もうカウントダウンが始まるよ?
申し訳ないけど、アタシはアナタの5年後が想像できない。
社会人になってからめっきり家族と共に行動することはなくなったけど、このままでいいのかな。
旅行好きのママ。でもアタシはアナタとの旅行を頑なに拒否してきた。
理由は汚いから。
アナタは食事のマナーが悪すぎるし、何より酒癖が悪すぎる。
そんなアナタと旅行どころか食事にも一緒に行きたいと思わない。
でも、もし、もし。
ママが突然倒れてしまって、入院したとか、取り返しのつかないことになったら、と思うこともある。
あの時一緒に旅行に行けばよかった。
ゴハンくらい食べに行ってもよかった。
いつか必ず後悔する。ソレは分かりきってる。
じゃぁなんで行動に移さないんだろうね。
きっと子供だからだろうね。
目先の憎しみに囚われ過ぎて未来が見えてない。
どうして心配が憎しみに変わるのかな。
よく分からない。
自分の思い通りにいかないからなんだろうね。
おこちゃまだね。歪みきってるね。
でも目をつぶってみるとほらね、涙が溢れてくるんだよ。
なんでだろうね。
止まらないんだよ。
どうして止まらないかって?
そんなの分からないよ。
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