流動のイイ女

妻子もちと別れ⇒いじめで会社を退職⇒脱無職⇒上司と不倫関係⇒約3年の不倫にピリオド⇒復縁、妊娠⇒未婚の母に

キレイな終わり方なんてない

2006-05-16 | ダーリン
『待ってとは言わないから。しばらく連絡できないけど一段落したら連絡するから』
この人はどうしてこう、答えをすぐに出さないのだろう。
アタシは今すぐ答えが欲しいのに。
「終わるか終わらないかハッキリ言ってほしいの。先延ばしはもうイヤなの」
ずっと待たされっぱなしは辛すぎる。そのまますっぽかされるんじゃないかと不安になるから。そして、こんな状況でも期待してしまうから。
ここでタイムアウト。アタシは食堂へ行って食器を洗いに行かなければならない。
惜しい気持ちを押し殺して携帯をバッグへ。いまどきMCMのバッグだぜー。
食器洗いを終え、午後の出かける準備を早々に整え、そそくさと会社用の車に乗る。
まっさきにメールをチェックした。

『しばらく連絡とれないよ。終りにするよ』

ドキン、と胸が鳴った。
終りにする。彼はそう答えた。
あぁ、やっぱり終わるのか。
慰謝料も謝罪もなしに、彼はアタシと終わろうとしてる。
そりゃ、めんどくさいコトは避けたいモンね。
アタシが終わるか終わらないか決めてって言ったから決めただけだよね。
アタシに責める権利はないよね。

信じるって決めたなら理想と違う答えも受け止めること

ほら、アユも歌ってる。かんけーねー。
この4年間、仲が悪い時もあったけど、お互い大切な存在であったと思ってた。
でも2人でいた1年9ヶ月は、たった1行のメールで幕を閉じた。
やっぱり奥さんがいるから、アタシのコトなんて何の未練もなく捨てられるのよね。
強いよ、ダーリン。君は強い。
連絡取れないって前から何度も言われてたけど。
しばらく連絡取れない、じゃなくて、しばらく連絡取りたくないってことだよね。
連絡できる時はこっちからするから、それまで接触してくるなっていう意味よね。
車を出して事務所から離れたところで返事を打った。

「最初からそのつもりなら早く言って欲しかったよ」
きっと彼は不倫がバレてからすぐは、アタシと続けていたいという気持ちがあっただろう。
でも、度重なる執拗な責めのメールと、謝罪、慰謝料の請求、もうイイと言いながら少し経てばまたブーブー文句を言うアタシにうんざりしただろう。
気持ちは別れの方向に向くばかりだったに違いない。
そしてそう仕向けたのはアタシ。
彼と接触したくて、何かと理由をつけてメールをしてた。
メールすればするほど二人の関係は悪化し、修復が不可能なほどになった。
すべてが悪循環。
動悸が激しかった。
後悔した。
自分で別れを早めてしまった。そうしたかったのは自分なのに。
どんな答えでも、内容でも、彼とつながっていたかっただけなのに。
電話帳を消そう、メールを消そう。そう思ったのに。
また返事が来た。


『また連絡するから。ごめんね』

この人は一体何を考えてるんだろう。
終りにするって言ったのに。
また連絡するって。
こんな無意味なことはあるの?
何のために連絡するの?
母親の病状報告?そんなのいらない。必要ない。
彼の意図がまったく分からない。
だけど・・・・
まだ繋がっていられる、という妙な安心感がアタシの中にあった。
これじゃいつまで経っても吹っ切れない。
ここは潔く身を退くのも大事だ。
でもできない。
どうせなら思い切り嫌われて終りになりたい。
この『また連絡する』という所に変な優しさを含ませて、キレイに終わらせようとしてるんだ。アタシを傷つけないように。
そして女を傷つけた男になりたくないために、中途半端な終わらせ方をするんだ。
ずるい。
もし連絡が来たらアタシは飛びついてしまうだろう。
未だに吹っ切れられない、煮え切らない、弱すぎるアタシ。

「仕事中だけど泣いてやる」
こんなメールを送りつけて、車の中で、少しだけ泣いた。

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