考えたくないこと

スタビのハゲと会ったトキのことを話そうか。
彼とは落ち合ってすぐ近くのファミレスに行ったんだ。
アタシも彼も一人暮らし。ただし、彼は寮住まいだったけどね。
彼は大きな会社で働いていて、給料も（多分）それなりにイイんだけど、アルバイトをしているんだ。居酒屋で。
どうやら将来、バーを経営したいらしく、その修行みたいな感じで働いているそうだ。
アルバイトの時給は会社の残業単価の半分。
彼はお金よりも、やりたいことをやってるからイイんだと言っていた。
そして彼はフットサルもやっていて、複数のチームに所属しているそうな。
そんなワケであまり家にはいない。そしてアタシとのメールも少ない。
どうしてそんなにやりたいことがあったり、家で落ち着いてないのかを聞いたら彼は「孤独が嫌だから」と言ったんだ。
孤独。
仕事から帰ってきたり、バイトから帰ってきたりすると、家で一人きりだったり、会社で仕事してバイトして一日が終わってしまうと思うと非常に悲しくなると言っていた。
そこはけっこう共感できた。
けれど自分は孤独を辛いとは思わなかった。
もともとインドアだし、一人に慣れちゃったから。一日外に出なくたって平気。
でも、彼の言葉を聞いたら、やっぱりアタシも寂しいのかも・・・って思ってしまう。
孤独の辛いところは、話し相手がいないトキとかか。
やっぱり話し相手がいないとふさぎ込むし、老人なんかは鬱になったりボケてしまったりする。
やはりコミュニケーションは大切なんだと思う。
無職のアタシは職場というものがないので、当然コミュニケーションなんて友達か家族しかいない。
しかもしょっちゅう連絡とろうとするとウザがられるかと思って遠慮してしまう。
こりゃいかん。
だからアタシは出会い系なんかで孤独を紛らわせようとするんだね。
その場しのぎの現実逃避。
当然メールには即レス。これってすごくウザくて重い。
今のハゲには相当きついと思う。自己中心的でマイペースだから、返事を必要とするアタシが鬱陶しいハズだ。
アタシはダーリンとかなりマメにメールや電話をしていたから、半分携帯依存症になっている。
だから返事がこないと気になってしまう。
昨日も夜７時前に送ったメールの返事が、日付が変わったころに来た。
だからムカついてイヤなメールを送ったら、それっきりハゲからメールがこなくなったよ。
どうてもいいっちゃどうでもいいんだけど、やっぱり孤独を感じてしまう。
何がしたいんだろうね。
ハゲは運命の人ではなかったみたい。
アタシは孤独。考えたくない。分かってるから。