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根本昌明氏 第九 無事終了して

2010年07月27日 | コンサート
根本昌明氏の『皇帝』と『第九』の演奏会、無事終了致しました。

当日会場に足を運んで頂いたお客様、陰で応援して下さった方々、みなさま本当にありがとうございました。(主催者でない私が言うのも変なものですが)

1000人いれば1000人の感じ方があるので、当日どう思われたかはそれぞれだと思います。

私はこの企画を考えられた初期からを見聞きしていたので、当日、お席に着いて、周りを見回して、「ほんとうに満席なんだ」「この方々が一万円のお金を出してここに座って下さっているのだ」と思ったら、それだけでジーンときてしまいました。凄いことです。


私の中では、「今までに聴いたことのない第九」でした。

「まったく眠くならない第九」でした。

「皇帝」と「第九」と2時間、まったく眠さが襲ってこない、そしていつもなら咳込んでしまうのを防ぐ為、アメを握っているのですが、まったく必要のない不思議なコンサートでした。

二期会の合唱団の声がビンビンと胸に響き、「喜んでベートーヴェンの歓喜を伝えている」と思われる歌い方で、泣けて顔が歪んで困りました。

東京フィルハーモーニ―のオーケストラの方々も、もの凄く一生懸命で、まるで何かに憑かれているかのように、「この歓喜を伝えるんだ」という使命感で弾いているかのように思えました。

会場とステージが一体となってベートーヴェンの歓びを感受している貴重な時間に思えました。

これは根本さんの「音楽に対する心、情熱」の賜物なのでしょう。

言葉で表すととても薄っぺらくなるので悲しいです。

実は、先日ブログに「素人がここまでやるとは・・・」と書いたところ、ご本人から怒られてしましました。「僕は素人ではないですよ、まだ分かっていませんね・・・」と。

「え、素人ではないのですか?指揮で食べている玄人なのですか?」が私の反論でした。


でも、演奏会終了後、イェルク・デームス氏と根本さんと同席してお話をしていた時に、デームス氏が「音楽とはハートだ」「今はメトロノームのような演奏をする人が多いが、音楽を演奏しなければなにもならない」と仰っており、根本さんと意気投合していらっしゃいました。

デームス氏は「ウィーンにはムジカーりッシュと云う言葉があり、音楽的なと云う意味だけれど、国民にそういうものがある」ともお話し下さいました。

「私の演奏に伴奏を合せるのはとても難しいですねと言われたことがあるが、私は答えました。『いいえ、とてもイージーなはずですよ。相手に音楽の心があればね』と」

そんなお話を聞いているうちに、なんだか私は自分がとても薄っぺらで悲しくなりました。
音楽の仕事をしているのを止めてしまいたくなりました。

音楽って奥が深いなぁと。 そして自分はその上っ面だけでしごとしているなぁと。

音を楽しむことにどれだけ真摯なのかしらと深く思い知る一日でした。

貴重な体験をさせて頂けた根本さんに心から感謝と賛辞をおくります。

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