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山登りと放射能 (柳沢桂子著 「いのちと放射能」)

2011年09月16日 | 日記

今朝は晴れてはいるものの、雲が多く、東京の我が家からは富士山も望めません。台風が沖縄に近付いている為もあるのでしょう。

山登りが昨日で良かったと心から思うばかりです。ピーカンの晴天に恵まれて。

帰路バスの中で、次は何処へ行こうかとの話で盛り上がりましたが、次回は11月も深まれば、行ける場所も限られます。3000m級へはもう軽々近づけませんので、関東近場と話していた時に、那須方面の候補がでました。しかし、直ぐ後から、「やはりそちらは遠慮しよう」と却下。

何も無理して、放射能に近づくことはないだろうとの意見でした。

私たちは、単に土を愛し、草を愛し、木々を愛し、山を愛し、新鮮な空気を愛するものです。この大切な自然が目に見えない恐ろしいもので汚染されて、自由に歩けない、または自由に歩けても何らかのリスクがある、このような事になるのはとても辛いものがあります。

私の大好きな各アルプス連峰が、もし放射能に汚染されて、立ち入り禁止となったら、それも私の生きている間はもう登れないとなったら、こんな大きな悲しみは無いだろうと想像しました。

福島県で危険区域で住んでいた所を追われた方々の何十分かの一、何百分かの一かもしれませんが、その悲しみが分かる気がしました。

家に着くと、注文してあった本が届いておりました。 柳沢桂子さんの「いのちと放射能」

科学者であった作者が、分かりやすく放射能のこと、遺伝子のことなどを書いて下さった本です。

彼女の事は先日知ったばかりです。

●命と原子力共存できぬ

~ 3・11からの再生 ~
          生命科学者 柳澤桂子
   

彼女のブログまほろば 2011,8,29にこうありました。(一部ご紹介いたします)

「これまで命や環境に関する本を50冊余り出しました。
そろそろ執筆がつらくなり、人生最後の本のつもりで、
地球温暖化と原子力発電の恐ろしさについて書きました。
その原稿を仕上げて整理をしていた3月11日、
福島第一原発事故が起きてしまいました。

最初に強調したいのは、
わたしたち生物と原子力は、共存できないということです。
生物は40億年前に誕生し、
DNAを子どもに受け渡しながら進化してきました。

DNAは細胞の中にある細い糸のような分子で、
生物の体を作る情報が書かれています。
わたしたちヒトの細胞は、
DNAを通じて40億年分の情報を受け継いでいます。

DNAは通常、規則正しくぐるぐる巻.きになって短くなり、
染色体という状態になっています。

生物の生存は誕生以来、宇宙から降り注ぐ
放射線と紫外線との闘いでした。
放射線も紫外線もDNAを切ったり傷をつけたりして、
体を作る情報を乱してしまうからです。

一方、細胞にはDNAについた傷を治す
「修復酵素」が備わっています。
ヒトの修復酵素は機械のように複雑な働きをします。
しかし、大量の放射線にさらされると、酵素でも傷を修復できず、
死に至ることがあります。

 

hikar[1].jpg

 

ヒトが短時間に全身に放射能を浴びたときの致死量は
6シーベルトとされ、短時間に1シーベルト以上浴びると、
吐き気、だるさ、血液の異常などの症状が表れます。
こうした放射線障害を急性障箸といいます。

しかし0.25シーベルト以下だと、
目に見える変化は表れず、血液の急性の変化も見られません。

ところが、そうした場合でも細胞を顕微鏡で調べてみると、
染色体が切れたり、異常にくっついたりしていることがあります。
また、顕微鏡で見ても分からないような傷がつき、その結果、
細胞が分裂停止命令を無視して、分裂が止まらなくなることがあります。

それが細胞のがん化です。
がんは、急性障害がなくても、ずっと低い線量で発症する可能性があるのです。
しかも、がんは、進行して見えるようにならないと検出できませんから、
発見まで5年、10年と長い時問がかかります。

いま日本人の2人に1人ががんにかかり、
3人に1人ががんで亡くなります。
なぜこんなに多いのか。

わたしは、アメリカの核実験やチェルノブイリ原発事故などで
飛散した放射性物質が一因ではないかと疑っていますが、
本当にそうなのかそうでないかは、分かりません。
この分からないということが怖いのです。

さらに、放射線の影響は、細胞が分裂している時ほど
受けやすいことも指摘しておかなければなりません。

ぐるぐる巻きになっているDNAは、
細胞分裂の時にほどけて、正確なコピーを作ります。
糸を切る場合、ぐるぐる巻きの糸より、
ほどげた細い糸の方が切れやすいでしょう?

胎児や子どもにとって放射能が怖いのは、
大人よりも細胞分裂がずっと活発で、
DNAが糸の状態になっている時間が長いためです。

 

41wtPc9N32L[1].jpg

 

わたしは研究者時代、先天性異常を研究し、
放射線をマウスにあてて異常個体をつくっていたので、
放射能の危険性はよく知っていました。

1986年、チェルノブイリ原発事故が起きた時、
わたしはいったい誰が悪いのだろうと考えました。
原子力を発見した科学者か。
原子力発電所を考案した人か。
それを使おうとした電力会社か。
それを許可した国なのか。

いろいろ考えて、実はわたしが一番悪いのだと気付きました。
放射能の怖さを知っていたのに、何もしていなかった。
そこで・・・・【略】」

 

yanasann.jpg

柳澤桂子さん
(やなぎさわ・けいこ)1938年、東京生まれ。
お茶の水女子大卒。民間の研究所で発生学の研究に取り組んだが、
病気のため83年に退職。以後、病床で生命科学に関する執筆を続ける。
最新刊は今月発行の「いのちと環境 人類は生き残れるか」。

この続きをお読みになりたい方は、どうぞリンクしてあるブログへお飛び下さい。
私は今朝の通勤でこの本を読み終えるでしょう。


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2 コメント

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私達の使命 (エルム)
2011-09-16 22:23:44
 帰宅途中、書店に寄り購入しました。
早速、読み始めています。誰にでもよくわかる様に親切丁寧に書かれていますが、内容は本当に厳しく重大です。

 NO!という為にも、しっかり学んで勇敢にならなければなりません。

 夜のニュースウォッチで「天を恨まず」の
話題が取り上げられていました。

 気仙沼市の階上中学校卒業式の答辞で読まれた言葉だそうです。

 15の春を迎えた彼は・・・

『それでも、私たちは天を恨まず、
 助け合って生きていこうと思います。
 それが私たちの使命だからです。』

 「天を恨まない」

 過酷な状況の中にあって、さらに悲しみを克服し、乗り越えていこう!という意志の強さを
感じると共に、私達、大人世代は何をすべきかという事が自ずと見えてきますね。

 私達も使命を果たせねばなりません。

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すごい言葉ね! (mahlersymphony8)
2011-09-19 08:21:57
「天を恨まない」

その言葉を同じ立場に立った時に、私に言えるのか、自信はないです。

15歳にして、素晴らしい言葉です。

私も学ばなければなりません。

しかし、天災にはともかく、人災には立ち向かわなければ・・・世の中は変わりません。

私に出来る事はこうして自分の信じることを情報発信することぐらいですが・・・。

「己の信ずる道を行け」

ハイ、そうします!
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