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「いのちをいただく」話 牛のみいちゃん 

2013年01月02日 | 地震

今日も東京は快晴。 箱根駅伝を応援しに行こうと思っていましたが、パートナーが明け方まで年賀状を書いていて寝坊。 今から行っても箱根で追いつけるかどうか・・・やはりTV観戦になりました(トホホ)

Facebookで色々な方と繋がっていると情報も沢山入って参ります。 今朝ほどある方のコメントにこんなお話が載っていました。 感動したのでここでもシェアしたいと思います。

 

以下**************西尾仁さんよりシェアの文章(抜粋)

内田産婦人科医院の内田美智子先生が書いた、「いのちをいただく」という絵本のもとになったお話です。

この絵本、クラスの子どもたちや、ご自分のお子さんにぜひ読み聞かせてあげてほしい、そんな願いを込めてご紹介しますね。

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坂本さんは、食肉加工センターに勤めています。

牛を殺して、お肉にする仕事です。

坂本さんはこの仕事がずっといやでした。

牛を殺す人がいなければ、牛の肉はだれも食べられません。

だから、大切な仕事だということは分かっています。

でも、殺される牛と目が合うたびに、仕事がいやになるのです。

「いつかやめよう、いつかやめよう」と思いながら仕事をしていました。

坂本さんの子どもは、小学3年生です。

しのぶ君という男の子です。

ある日、小学校から授業参観のお知らせがありました。

これまでは、しのぶ君のお母さんが行っていたのですが、その日は用事があってどうしても行けませんでした。

そこで、坂本さんが授業参観に行くことになりました。

いよいよ、参観日がやってきました。

「しのぶは、ちゃんと手を挙げて発表できるやろうか?」

坂本さんは、期待と少しの心配を抱きながら、小学校の門をくぐりました。

授業参観は、社会科の「いろんな仕事」という授業でした。

先生が子どもたち一人一人に

「お父さん、お母さんの仕事を知っていますか?」

「どんな仕事ですか?」と尋ねていました。

しのぶ君の番になりました。

坂本さんはしのぶ君に、自分の仕事についてあまり話したことがありませんでした。

何と答えるのだろうと不安に思っていると、しのぶ君は、小さい声で言いました。

「肉屋です。普通の肉屋です」

坂本さんは「そうかぁ」とつぶやきました。

坂本さんが家で新聞を読んでいると、しのぶ君が帰ってきました。

「お父さんが仕事ばせんと、みんなが肉ば食べれんとやね」

何で急にそんなことを言い出すのだろうと坂本さんが不思議に思って聞き返すと、
しのぶ君は学校の帰り際に、担任の先生に呼び止められてこう言われたというのです。

「坂本、何でお父さんの仕事ば普通の肉屋て言うたとや?」

「ばってん、カッコわるかもん。一回、見たことがあるばってん、
 血のいっぱいついてからカッコわるかもん…」

「坂本、おまえのお父さんが仕事ばせんと、先生も、坂本も、校長先生も、
 会社の社長さんも肉ば食べれんとぞ。すごか仕事ぞ」

しのぶ君はそこまで一気にしゃべり、最後に、
「お父さんの仕事はすごかとやね!」と言いました。

その言葉を聞いて、坂本さんはもう少し仕事を続けようかなと思いました。

ある日、一日の仕事を終えた坂本さんが事務所で休んでいると、一台のトラックが食肉加工センターの門をくぐってきました。

荷台には、明日、殺される予定の牛が積まれていました。

坂本さんが「明日の牛ばいねぇ…」と思って見ていると、助手席から十歳くらいの女の子が飛び降りてきました。

そして、そのままトラックの荷台に上がっていきました。

坂本さんは「危なかねぇ…」と思って見ていましたが、しばらくたっても降りてこないので、
心配になってトラックに近づいてみました。

すると、女の子が牛に話しかけている声が聞こえてきました。

「みいちゃん、ごめんねぇ。みいちゃん、ごめんねぇ…」

「みいちゃんが肉にならんとお正月が来んて、じいちゃんの言わすけん、
 みいちゃんば売らんとみんなが暮らせんけん。ごめんねぇ。みいちゃん、ごめんねぇ…」

そう言いながら、一生懸命に牛のお腹をさすっていました。

坂本さんは「見なきゃよかった」と思いました。

トラックの運転席から女の子のおじいちゃんが降りてきて、坂本さんに頭を下げました。

「坂本さん、みいちゃんは、この子と一緒に育ちました。
だけん、ずっとうちに置いとくつもりでした。
ばってん、みいちゃんば売らんと、この子にお年玉も、クリスマスプレゼントも買ってやれんとです。
明日は、どうぞ、よろしくお願いします」

坂本さんは、「この仕事はやめよう。もうできん」と思いました。

そして思いついたのが、明日の仕事を休むことでした。

坂本さんは、家に帰り、みいちゃんと女の子のことをしのぶ君に話しました。

「お父さんは、みいちゃんを殺すことはできんけん、明日は仕事を休もうと思っとる…」

そう言うと、しのぶ君は「ふ~ん…」と言ってしばらく黙った後、テレビに目を移しました。

その夜、いつものように坂本さんは、しのぶ君と一緒にお風呂に入りました。

しのぶ君は坂本さんの背中を流しながら言いました。

「お父さん、やっぱりお父さんがしてやった方がよかよ。
心の無か人がしたら、牛が苦しむけん。お父さんがしてやんなっせ」

坂本さんは黙って聞いていましたが、それでも決心は変わりませんでした。

朝、坂本さんは、しのぶ君が小学校に出かけるのを待っていました。

「行ってくるけん!」元気な声と扉を開ける音がしました。

その直後、玄関がまた開いて

「お父さん、今日は行かなんよ!わかった?」としのぶ君が叫んでいます。

坂本さんは思わず、「おう、わかった」と答えてしまいました。

その声を聞くとしのぶ君は「行ってきまーす!」と走って学校に向かいました。

「あ~あ、子どもと約束したけん、行かなねぇ」とお母さん。

坂本さんは、渋い顔をしながら、仕事へと出かけました。

会社に着いても気が重くてしかたがありませんでした。

少し早く着いたのでみいちゃんをそっと見に行きました。

牛舎に入ると、みいちゃんは、他の牛がするように角を下げて、坂本さんを威嚇するようなポーズをとりました。

坂本さんは迷いましたが、そっと手を出すと、最初は威嚇していたみいちゃんも、
しだいに坂本さんの手をくんくんと嗅ぐようになりました。

坂本さんが、

「みいちゃん、ごめんよう。みいちゃんが肉にならんと、みんなが困るけん。ごめんよう…」

と言うと、みいちゃんは、坂本さんに首をこすり付けてきました。

それから、坂本さんは、女の子がしていたようにお腹をさすりながら、

「みいちゃん、じっとしとけよ。動いたら急所をはずすけん、そしたら余計苦しかけん、
 じっとしとけよ。じっとしとけよ」と言い聞かせました。

牛を殺し解体する、その時が来ました。

坂本さんが、

「じっとしとけよ、みいちゃんじっとしとけよ」と言うと、
みいちゃんは、ちょっとも動きませんでした。

その時、みいちゃんの大きな目から涙がこぼれ落ちてきました。

坂本さんは、牛が泣くのを初めて見ました。

そして、坂本さんが、ピストルのような道具を頭に当てると、みいちゃんは崩れるように倒れ、
少しも動くことはありませんでした。

普通は、牛が何かを察して頭を振るので、急所から少しずれることがよくあり、倒れた後に大暴れするそうです。

次の日、おじいちゃんが食肉加工センターにやって来て、坂本さんにしみじみとこう言いました。

「坂本さんありがとうございました。昨日、あの肉は少しもらって帰って、みんなで食べました。
孫は泣いて食べませんでしたが、

『みいちゃんのおかげでみんなが暮らせるとぞ。食べてやれ。みいちゃんにありがとうと
 言うて食べてやらな、みいちゃんがかわいそうかろ?食べてやんなっせ。』って言うたら、

孫は泣きながら、『みいちゃんいただきます。おいしかぁ、おいしかぁ。』て言うて食べました。
ありがとうございました」

坂本さんは、もう少しこの仕事を続けようと思いました。

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ある学校で、保護者の一人から、

「給食費を払っているのに、『いただきます』と子どもに言わせるのはおかしい」

というクレームがあった、との話を聞いたことがあります。

「なんという常識のない保護者なんだ!」と片付けるのは簡単です。

でも、もしもこの保護者が、この話を知っていたとしたら、どうだったでしょう?

現在の食生活は、「命をいただく」というイメージからずいぶん遠くなってきています。

そしてその結果、食べ物が粗末に扱われて、日本での一年間の食べ残し食品は、発展途上国での、
何と3300万人分の年間食料に相当するといいます。

私たちは奪われた命の意味も考えずに、毎日肉を食べています。

動物は、みんな自分の食べ物を自分で獲って生きているのに、人間だけが、自分で直接手を汚すこともなく、坂本さんのような方々の思いも知らないまま、肉を食べています。

動物だろうが植物だろうが、どんな生き物であっても、自分の命の限り精いっぱい生き続けたい、そう願って生きているんだと私は思います。

命をいただくことに対しての「思い」。

お肉を食べて「あ~、美味しい。ありがとう」お野菜を食べて「あ~、美味しい。ありがとう」

そこに生まれる思いはどんな思いでしょう?

お肉を食べて「うぇ~、マズッ!」お野菜を食べて「うぇ~、マズッ!」

そこに生まれる思いはどんな思いでしょう?

食べ物をいただくとき、そこに尊い命があったことを忘れずに、その命を敬い、感謝の言葉をかけてあげられる人に育ちましょう。

今日もまた、食べられることへの感謝の言葉、

「ありがとうございます。感謝します。いただきます」

食べているときの「美味しい!」という言葉。

そして食べ終わった後の、

「あ~、美味しかった。ありがとうございます。ご馳走さまでした」

という「食べられたこと」への感謝の言葉をかけてあげましょう。

もちろん、食べ残しをせずに。

食べ物が、あなたの体を作ります。あなたの体に姿を変えて、あなたの中で生き続けます。
そして、体の中からあなたを精いっぱい応援してくれています。

あなたができる最高の恩返しは、たくさんの生き物たちから命のバトンを託されたあなたの命を、いっぱいに輝かせること。

喜びに満ちた人生を過ごすこと。

それが、あなたと共に生きているたくさんの命たちが、いちばん喜ぶことなんです。
みんなの分まで、命いっぱいに輝きましょう。

…これが、私が教師として、プロとして、目の前にいる子どもたちやその保護者に伝え続けていきたいメッセージです。



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ぼくのおとうさん (牛が好きな猫)
2013-07-02 03:14:48
こんな曲がアップされていました。

いのちをいただくのお話をもとに作った曲らしいです。

http://www.youtube.com/watch?v=0_ybgycEy00
返信する
ありがとうございます (mahlersymphony8)
2013-07-12 08:22:31
牛が好きな猫さん

素敵な情報を下さり、ありがとうございました。

聴いていて、また涙でした。

みいちゃんの涙 忘れられません。

人間てむごいのかなぁ~と思ってしまいます。

ありがとう!
返信する
Unknown (愛。)
2013-09-09 16:51:45
初めまして。
我が子や沢山の子供達に伝えたい話しだと感じ、シェアさせて頂きました。
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どうぞシェアしてください (mahlersymphony8)
2013-09-22 08:21:20
愛さん、シェアありがとうございます。

子どもに命の大切さを教えるのは大人の私たちの役目。人間だけが尊い命なのではありませんよね。

私も美味しいステーキ、すき焼き大好きですが、「ありがとう、頂きます」と言って感謝して頂くようになりました。

それでこそ、身体の中で役だってくれると思います。
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Unknown (元トラッカー)
2014-08-03 04:11:11
私は以前畜産公社から、牛や豚を加工したものを運んでいました。加工するまで時間があり、ある日場を見学させてもらいました。始めは趣味が悪い物に感じていましたが次々にされていく牛を見て興味本位で見学した自分が恥ずかしくなってきました。
銃で杭を撃つ瞬間まで牛は生きているのです。わずか一瞬でその命が絶たれるのです。
その瞬間のあの牛の目は今でも忘れられません。

私はその日から「いただきます」をただ言うのではなく人間に食べられるため絶たれた命に感謝と供養の意を込めて言うようにしています。

動物は生きる為に他の命を犠牲にしてることは判っていましたが理屈ではなく命の尊さを感じました。


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はじめまして (あさぎ)
2014-09-04 00:45:00
「いただきます」の意味をさがしている時に、こちらの記事にたどりつきました。
どんな難しい言葉より心に響くお話だと思います。
子どももですが、ぜひ大人が思い出してほしいことだと思います。
シェアさせていただければと思います。
よろしくお願いします。
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シェア、コメントありがとうございました (mahlersymphony8)
2015-04-18 08:36:25
元トラッカーさん、あさぎさん、
コメントありがとうございました。

しばらくブログを更新できずにおりましたので、お返事できませんでした。失礼!

本当にそうですね。 私も「いただきます」を言うときに手を合わせて心から言うようになりました。

頂いた命を大切にしたいと思います。
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Unknown (Unknown)
2015-09-03 19:58:46
みいちゃんをといてクリスマスプレゼントやお年玉をもらってどこが嬉しいんだか。それは一部で、生活必需品を買うにしても、プレゼントと言っている時点で命をなんだと思っているの!?と思いました。それくらい我慢させるべきでしょう。 生きものを飼うのなら最期まで面倒をみましょう。途中で手放すのなら、最初から飼わないでください。
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俺たちは表に出たら肉を売る人に迷惑 (佐藤)
2016-11-14 01:31:43
あなたは、その仕事をしてすぐに肉を食べれたか?
俺は、一週間食べれなかった。
俺たちは、表に出たらいけない。
野菜だって同じなのに生きている物を食べてるのに?
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命のリレー (命の泉)
2016-11-21 02:20:53
ありがとう
命と命のリレーをしながなら、私たちは誰かのために互いに死んだり生きたりして、より大きな目的のために、喜んで犠牲の道を選択していることを知らされました。
「職業に貴賤なし」とこどもの頃より聞かされてはいたものの、およそ一般的に人の嫌がる大変な仕事を引き受けてくれる人がいて、人の生活が成り立っていることを、感謝もせずに過ごしている自分に気づかされました。
その事を教えてくださっている坂本さんに心から敬意を表したいと思います。
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