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音曲日誌「一日一曲」#177 Heavenstamp「Stand by you」(ワーナーミュージック・ジャパン)

2023-09-25 05:00:00 | Weblog
2011年6月19日(日)

#177 Heavenstamp「Stand by you」(ワーナーミュージック・ジャパン)





5月11日にメジャーデビューしたロックバンド、Heavenstamp(ヘブンスタンプ)のファーストシングル。

Heavenstampは2009年、Sally#Cinnamon (Vo, G)、Tomoya.S(G)、Shikichin(B)、Mika(Dr)の4名で結成。ライブ活動、インディーズ・シングル「Hype」で注目され、トントン拍子でメジャーデビューの運びとなった、今一番イキのいいバンドだ。

このデビュー曲はケーブルテレビの音楽専門局でやたらとかかっていたが、筆者が最初に聴いたときは「ン? チャットモの新曲?」と思ってしまったものだ。

やや甲高い女性ボーカルが、チャットモンチーに通じるところがあるよね。あと、ディスコ・ビートも。

でもよく聴き込んでみると、やはりチャットモのエリコともちょっと違う。もっと攻撃的で鋭角的な声なのだ。

男女混成バンドで、テクノ風アレンジということでは、近年ブレイクしたサカナクションにも通じるところもあるHeavenstampだが、こちらでの主役は、男性でなく女性シンガーのSally#Cinnamonだ。

女性ロッカーといえば、かつてはユニセックスなスタイル、つまりジーンズやジャンプスーツのようなカッコの人が多かったが、Sally#Cinnamonはそういう伝統(?)とは違って、スカートにスパッツかタイツ、みたいなわりとフェミニンな衣装が多いように思う。女子大生/専門学校生によく見かけるような格好。

セクシーというのともちょっと違うんだけど、女っぽいのだ。この流れは、椎名林檎、さらに溯れば戸川純あたりから始まっているんだろうが、変にオトコに対抗意識をもってユニセックス化したりせず、むしろ自分の「女性」性を自然に主張するような方向性へ、女性ロッカーのありかたが変わってきたのだろう。スカート・スタイルにそれを感じる。

まずはPVでそのサウンドを確かめて欲しいが、このバンドのフックは、Sally#Cinnamonの「声」にあるといって間違いないだろう。

どんな斬新なバンドサウンドだろうが、ボーカルに魅力がなければ、リスナーの耳をひきつけることは出来ない。逆にごく普通のサウンドでも、突出した個性をもつシンガーさえいれば、バンドは天下を取れる。そういうもんだと思う。

Sally#Cinnamonの声は、そういう意味で椎名林檎以来の、十年に一人の逸材だという気がする。

林檎・Sallyともに言えることだが、彼女たちの声はいわゆる完全無欠型の美声とはいえない。

ちょっと乱調気味で、エキセントリックなところがある。だがそこがまた、聴き手の心をかきむしるのである。

"Stand by you"といった英語の歌詞をうたったときの、ビシッとヌケていく感じ。コーラスのキマリかた。そのへんが、非常に洋楽っぽい。海外でライブをやっても、間違いなくウケるんじゃないかな。実際、海外のバンドが来日した際の前座なども既にやっている彼らだから、インターナショナルな活躍が期待できそうだ。

新世代のロックバンド、Heavenstamp。そのユニークな歌声と歯切れのいいダンサブルなサウンドは、絶対に要チェキ!でっせ。

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