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音曲日誌「一日一曲」#200 カーク・フレッチャー「Bad Boy」(Shades of Blue/Delta Groove Productions)

2023-10-18 05:00:00 | Weblog
2012年1月22日(日)

#200 カーク・フレッチャー「Bad Boy」(Shades of Blue/Delta Groove Productions)





皆さん、いつも応援ありがとう。ついに、記念すべき200曲目である。西海岸出身の黒人ブルースマン、カーク・フレッチャー、2004年のアルバムより。エディ・テイラーの作品。

カーク・フレッチャーは1975年カリフォルニア州ベルフラワー生まれの36才。若手ブルースマンとしては注目株のひとりだ。

兄の影響で幼少よりギターを弾き始め、10代にしてすでにプロ活動をしていたというから、非常に早熟な才能の持ち主である。

2004年からは同じく西海岸出身のギタリスト、フランク・ゴールドワッサーやキッド・ラモスとともにザ・マニッシュ・ボーイズという超実力派ブルース・バンドに参加する一方、自身のアルバムも地道にリリースしている。

マニッシュ・ボーイズと同じインディーズ・レーベルからリリースした一番最近のアルバム「Shades of Blue」では、自分が影響を受けたブルースマン、B・B・キング、ウィリー・ディクスン、ジミー・ドーキンス、MG'Sなどのカバーを数多くやっていて、若いのにいかにもピュア・ブルース指向なところを見せてくれているが、その中でもきわめつけは、エディ・テイラー作のこの曲だろう。

皆さんにはクラプトンのバージョンでおなじみだろう。エディ・テイラーならではの愚直なまでにステディなビートが、まさにピュア・ブルースな名曲。これをカークが、しっかり自分のものにしている。

ワイルドで張りのある歌声、ひたすらソリッドでシャープなストラトキャスターの音色、30前の若者とはとても思えぬシブカッコよさだ。巨体にヒゲ面と、ちょっとコワモテのルックスで、貫禄も十分。

バックの、やけに野太いハープもそのサウンドに実にマッチしていて、お見事。これだけ骨太なブルースは、最近なかなか聴けないだけに、うれしい限りだ。

近年ではキム・ウィルスン率いる人気バンド、ファビュラス・サンダーバーズにもゲスト参加するなど、その才能を広く認められてきたカーク・フレッチャー。ブルースとは何かを、体で知っている正統派プレイヤー、今後の活躍が本当に楽しみだ。

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