書店の店頭でたまたま見かけて、「面白そうかも」と購入したアンソロジー。
アンソロジーって、本当に玉石混交ですけど、これはどうだったか?
巨大宇宙SF傑作選 黄金の人工太陽/J・J・アダムズ編、中原尚哉他訳(創元SF文庫)
うーん、看板に偽りあり。
まず、邦題では「傑作選」と銘打っていますが、編者の序文を読むと、収録作品全てが編者の「『センス・オブ・ワンダー』を書いて欲しい」というリクエストに当代のSF作家が応えた描き下ろしであることがわかります。「傑作選」って、普通のイメージでは既存の発表作からレベルの高いものを選抜して編纂する、ってイメージじゃないの?
それに加えて、収録作品中、「巨大」でも「宇宙」でもない作品が多いです。もっと往年のスペオペ的な、「どーん!ガーン!ババーン!!!」なスケール極大な作品を期待してたんだけどなぁ、加藤直之氏のカバーアートばりに。なぜこのアンソロジーに「巨大宇宙SF傑作選」という肩書をつけたのか?担当者を捕まえて、小一時間問い詰めたいです(笑)。
ただ、最近一部で流行の「ネオ・スペース・オペラ」ってこういう感じなのかな、という感触を得ることはできました。
往年の20世紀中盤あたりの、バカみたいに世界観のスケールが大きくて、笑っちゃうぐらい強いヒーローが登場して、とんでもなく強い悪漢をバッタバッタとなぎ倒す、あの爽快感はないです。どの作品もこじんまりとして優等生的で、良くも悪くも「今風」。詩情すら感じさせる作品もあり、何よりも表題作「黄金の人工太陽」が、AI搭載の人工太陽が自ら滅ぼした惑星の住民に詫びるために人型の擬体に自らを転送して世界を経巡るという、リリカルさ極まりない作品( ̄▽ ̄)まぁでも、これが時代の空気なのかもしれませんね。
看板に偽りあり、と評したのは、古いSF者である鴨の思い込みも多分にあると思われ、ゼロ年代以降の若きSF者には面白く読めるアンソロジーかもしれません。
アンソロジーって、本当に玉石混交ですけど、これはどうだったか?
巨大宇宙SF傑作選 黄金の人工太陽/J・J・アダムズ編、中原尚哉他訳(創元SF文庫)
うーん、看板に偽りあり。
まず、邦題では「傑作選」と銘打っていますが、編者の序文を読むと、収録作品全てが編者の「『センス・オブ・ワンダー』を書いて欲しい」というリクエストに当代のSF作家が応えた描き下ろしであることがわかります。「傑作選」って、普通のイメージでは既存の発表作からレベルの高いものを選抜して編纂する、ってイメージじゃないの?
それに加えて、収録作品中、「巨大」でも「宇宙」でもない作品が多いです。もっと往年のスペオペ的な、「どーん!ガーン!ババーン!!!」なスケール極大な作品を期待してたんだけどなぁ、加藤直之氏のカバーアートばりに。なぜこのアンソロジーに「巨大宇宙SF傑作選」という肩書をつけたのか?担当者を捕まえて、小一時間問い詰めたいです(笑)。
ただ、最近一部で流行の「ネオ・スペース・オペラ」ってこういう感じなのかな、という感触を得ることはできました。
往年の20世紀中盤あたりの、バカみたいに世界観のスケールが大きくて、笑っちゃうぐらい強いヒーローが登場して、とんでもなく強い悪漢をバッタバッタとなぎ倒す、あの爽快感はないです。どの作品もこじんまりとして優等生的で、良くも悪くも「今風」。詩情すら感じさせる作品もあり、何よりも表題作「黄金の人工太陽」が、AI搭載の人工太陽が自ら滅ぼした惑星の住民に詫びるために人型の擬体に自らを転送して世界を経巡るという、リリカルさ極まりない作品( ̄▽ ̄)まぁでも、これが時代の空気なのかもしれませんね。
看板に偽りあり、と評したのは、古いSF者である鴨の思い込みも多分にあると思われ、ゼロ年代以降の若きSF者には面白く読めるアンソロジーかもしれません。