茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

杉田眞龍&木村英昭 二人展

2020-01-26 23:19:06 | 美術館・展覧会
 母の墓参の帰り、横浜高島屋の茶道具売り場を覗くのがお決まりコースになっている。茶道具売り場の隣は美術画廊、周辺のガラスケースにはその時々で様々な分野の作品が飾られていて、茶道具に加えて眺めながら帰るのが楽しみのひとつである。
 昨日も、早くも雛祭りの取り合わせになっている茶道具売り場を楽しんで、さて帰ろうかと歩きだしたところ、ケースの中の美しい富士山の茶碗に目を奪われた。その横には華やかな皆具も飾ってあった。あ、この感じ好き!と心が動いて、美術画廊の看板「~ふたつの伝統と試み~ 備前 木村英昭 ・ 京焼 杉田眞龍 二人展」を横目に迷わず足を踏み入れた。
 
 中には華やかな美しい京焼と、侘びた備前焼、そのコラボの茶道具がいっぱい。端から一つずつ見る毎に、私のワクワク感は高まって、心の中ですごいすごいと叫んでいた。
 床の間の近くに飾られていたお茶碗は横浜の港の風景を描いたもので、横浜生まれの私としては嬉しかったし、モダンなデザインにため息がでた。
 「素敵ですね、これって横浜の風景ですか?」と会場にいらした着物姿の女性に話しかけると、
 「今回横浜でお話を頂いたので、横浜らしいものを3つ作りました。これが氷川丸のお茶碗。山下公園に停泊している氷川丸はモダンな内装と聞いています。茶碗の向かい側は氷川丸の中のステンドグラスを描き、茶碗の中には階段のおしゃれな手すりをデザインしました。これ以外に、三渓園とみなとみらいのお茶碗があります。」
 氷川丸は何度となく訪れた場所、内装のステンドグラスも、おしゃれな手すりもすぐに記憶と繋がった。


 ん?もしや作家さん本人?とそこで気づき、「もしかして杉田眞龍さん、ご本人ですか?」と聞くと頷かれました。実は”眞龍”というかっこいい名前を見て、勝手に男性だと思い込んでいた。ああ、このデザイン、そうか女性か~と合点がいった。モダンで華やかながら、繊細で清々しくもあるような。

 会場にはちょうど私しかいなかったので遠慮なく色々なことを質問、快く答えて下さった。ありがとうございました。
「とても美しい絵で、しかも細かくびっしり描かれるんですね、どのデザインも好きです。」と伝えたところ、ご自身も描くことが大好きで楽しんでいるとおっしゃっていた。備前焼の木村英昭さんとコラボで展覧会をすることになって、今までにない二人でないとできないものを作ることにしたとのこと。侘びた備前焼に華やかな絵付けの京焼を組み合わせた新しいデザインの作品が沢山。単体でも素敵な焼き物がコラボによってまた違った美しさに変身。私は緋襷の備前焼きに、雪の結晶が描かれた筒茶碗が一番気に入った。


 茶道具もいろいろ、でも最終的には自分が好き、見ていて持っていてわくわくするものが一番いいものなのではないか。心の動く茶道具に久しぶりに出会えて幸せなひととき。大好きなお茶碗で美味しい抹茶を点てられるように益々茶道精進しようと思いながら帰路についた。

 他にも紹介したいお道具があるので、またの機会に。
 この展覧会、開催期間が一月二十二日(水)~二十八日(火)となっているので、お近くの方で興味ある方はご覧になってみて下さい。
 珍しい移動式リアカー茶室にも出会えますよ!こちらも別途ご紹介する予定です。

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